シンギュラリティサロン#49 @ SpringX 中ザワ ヒデキ「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら (シンギュラリティ編)

https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202106/detail20210627.php

開催日 2021年6月27日(日)
開催時間 13:30〜15:30
開催形式 YouTube Liveによるオンライン開催
参加費 無料
申し込み 不要

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロン#49のテーマは「芸術とAI」。人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)を主宰する美術家 中ザワヒデキ氏をゲストに迎えます。

第1部:講演 中ザワヒデキ氏
「「芸術とAI」というテーマは広いが、今回は私が美術家の草刈ミカとともに主宰している人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)でここ数年注力している、「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら」という問いについて、シンギュラリティ方面から考えてみたい。S氏とは2014年のゴーストライター事件で世間を騒がせた佐村河内守のことだが、とすると、N氏(新垣隆)の作曲技術をAIで代替した場合には、「S氏が作曲した」と称しても問題は無いということに(恐らく)なる。ということは、作曲という芸術活動の本質は、AIにではなくS氏に帰するということだ。つまりこの場合のAIは作曲も芸術もしていない。では反対に、真の意味で、作曲も芸術もするAIが登場するとはどういうことを指すのだろうか。N氏を代替するAIではなく、S氏を代替するAIが実現することだとしたら、それがシンギュラリティではないだろうか。」

第2部:座談会 中ザワヒデキ氏+松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏/ 質疑応答

シンギュラリティサロン#48 山川 宏「比較可能性から考える知能」(ZOOM開催)

■講演中の質問(一部)と講師回答

Q.整列構造とは,「帰納バイアスを成立させうるデータ関係性」という意味でしょうか?

山川> おそらく帰納推論を成立させうるための、帰納バイアスというのが正確そうです。

Q.外界と等価比較するためには、きっかけとして、生得性の整列構造も必要ではないでしょうか?

山川> そのとおりかと思います、それを実現しているのがセンサであり。特に動物は、目や耳といったアレイセンサを発明したことでそこに含まれる整列構造を利用できるようになりました。

Q.値集合1と値集合2から入力を受けているPは、P1(), P2(), … は値集合Xの型の組み合わせごとに定義されるのでしょうか?

山川> 異なる値集合を利用するというのは、視覚と聴覚のような対比となるため大きくPk()の形はことなります。これに対して同じモダリティ内でのPk()の違いは参照する画素が違う程度で同じものを使うことが多くなります。

Q.「高次の客体化 = 後天的な概念の獲得」と理解していますが、これを後から読み出す(概念を使って思考する)は何か考えられていますでしょうか?後から思考で参照できれば、シンボルのみで「猫とは何たるか」を真に理解していなくても、知能として成立しているという見方はできないでしょうか。

山川> 今回、高次の客体化で得られる概念は、おっしゃるとおり、原則的には後天的です。ただしそれはまだシンボルとは接続されていなくても良いものです。つまり、シンボルを用いない動物であってもかなり高度な判断を行えますが、それは、こうした高次の客体化で得た概念を利用するからだと考えています。
逆に、大量の記号の世界に生きている現在の我々やAIは、猫について辞書やインターネットの言語情報をつかって答えることができることは既知かと思います。

Q.CNN -> FC でClassifyだと、普通の画像分類の説明ではないでしょうか?比較可能性はFC層で放棄するのであれば、なぜ途中までは大事にするのでしょうか?

山川> 視覚情報には、階層的な局所性がありそれが画素間の指定関係で表現されます。この声質によりDivide and Conqureに処理をすることに有効となります。視野内においてその性質を使い切るまではCNNで処理し、その先はFCという分業がなされていると、私は考えています。

Q.比較可能性というのは、どれでも、どのレイヤでも、同じか、というと、そんなことはありませんよね。それぞれに、異なる比較可能性があるのでしょうか?

山川>比較可能性は、一般的にはレイヤ毎に異なるものと考えるのが自然であると考えています。ただし、視覚情報処理では拡大縮小の不変性をあつかう必要があるという事情があり、隣接する層間で比較できるようにしておく必要がありそうです。

Q.視覚刺激の場合は「比較可能性の維持 = 回転や倍率の対称性維持」で分かるのですが、先ほどの「ピカと光ってドンと鳴ったら~」のような、型の異なる刺激にも「値読み取り手続き(P)」で得られた比較可能性はどのような意味を持つのでしょうか?

山川> 基本的に、異なるモダリティ間では比較ができません。雷という概念は、光と音を含んでおり、一方のモダリティから他方を推測できます。しかしそうした連想ができたからと言って、光と音を比べているわけではないというところが私の強調したい点です。

Q.ピカとゴロが比較できないというのは素人ながら直感的には理解できました。ゴロのでかさで雷の大きさを認識するのはあくまでゴロ同士の比較になるかと思いました。

山川> はい、それが述べたいことです。

Q.共感覚はどうでしょうか?匂いから色をイメージするなど。

山川> それは雷の例と同じかと思います、複数のモダリティ情報の共起を、結合によって連想する処理により実現可能かと思います。

Q.光刺激の中の大きさと音刺激の中の大きさは比較できますよね……雷も

山川> はいそのとおりかと思います。

Q.センサーからの情報に対して特徴抽出を繰り返すことで、「ゲージ不変な実態」を抽出するメカニズムを明確化しようとしているのでしょうか?その「実態抽出」に「記号」を付け、知性にするとの事でしょうか?

山川>本発表では、アレイセンサの信号に対して、Self-supervised学習などを行うことで、不変性の高い表現空間を取り出す働きをメトリック形成と読んでいます。これは、物理学の「ゲージ不変」を取り出すこととにた雰囲気かもしれません。人間の視覚の例でのべるなら、中心/周辺視野や、視野の歪みがあっても、外界を観察するデータに基づいて、視野内でとらえたある棒の長さは一定であるように認識できるようチューニングするということです。

Q.ネオコグニトロンで,初段は隣の画素ですが,後段になるとかなり遠方の関係を見ていることになりますが,それをどう解釈するのでしょうか?

山川> 画素が遠方であっても指定関係を特定すること自体は機構的には問題ないでしょう。その解釈については、画像空間中のより大局的な関係であるということかと思います。

Q.比較可能性は写像が存在する、というような意味かな、と思うと、整列構造は同型写像なのかな、と思いながら聞いていましたが、ちょっと違うでしょうか。

山川> 同型写像はそこに含まれる値に関わるものです。これに対して整列構造それ自体は値については述べていません。ただし有益な整列構造を選択する段階では、外界にをモデル化するのに適した整列構造が優先的に選択されるために、同型写像と関わりが生じます。

Q.例えば,TRANSFORMERは,客体化の一形態という解釈になるでしょうか?それともメトリック生成?

山川>  Transformerを自然言語処理に用いた場合、典型的には文法を反映したモデルに基づいて単語にアテンションを向けます。これは、典型的な客体化であると思います。ただしこのレベルでは画像のように境界を細かく変化させるのではなく、単語という要素をポインティングしています。ですからそのポインティング、時間シークエンス上で飛び飛びのポジションを選ぶことができます。

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■講演概要

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、全脳アーキテクチャ・イニシアティブの山川 宏さんをお迎えし、「比較可能性と知能」をテーマにお話いただきます。「比較可能性をどのように流用/転用するからが知的システムの能力拡大において重要なテーマとなる」という山川さんに、人工知能研究の最先端から、興味深いトピックを届けていただきます。

* 山川 宏さんの過去の講演

シンギュラリティサロン#6 山川 宏「全脳アーキテクチャ実現への長き道のりをいかに支えるか」
第2回シンギュラリティシンポジウム ・パネルディスカッション「日本からシンギュラリティを起こすには〜その具体的な方策」 
シンギュラリティサロン#40 山川 宏「人間社会を支えるエコシステムとしての自律AI社会 – 存在論的リスクを克服するために -」

■開催日時と申込み

【日時】2021年5月30日(日)

【方法】ZOOMでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。
 ZOOMリンクは参加者本人のみご使用ください。リンクの転送はお控えくださいますようお願いします。

【参加費】 無料

【参加者】約110名

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「比較可能性から考える知能」

【講師】山川 宏(やまかわ ひろし)氏 
 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ代表 https://wba-initiative.org/

プロフィール
1992年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。工学博士。同年(株)富士通研究所入社。1994年から2000年まで通産省RWCプロジェクトに従事、2014年から2019年3月まで(株)ドワンゴ
ドワンゴ人工知能研究所所長。現在、特定非営利活動法人全脳アーキテクチャイニシアティブ代表、東京大学大学院
工学系研究科特任研究員。人工知能学会(汎用人工知能研究会主査)、電子情報通信学会、日本認知科学会、日本神経回路学会などの各学会員。専門は人工知能、特に、汎用人工知能、全脳アーキテクチャ、概念獲得、意見集約技術など。産総研人工知能研究センター客員研究員、電気通信大学大学院客員教授、近畿大学情報学研究所知能システム部門長(客員教授)、理化学研究所生命システムセンター主管客員研究員、東京大学医学部客員研究員。共訳書に、「パターン認識と機械学習」、共著書に「人工知能とは」、「宗教と生命」、「AI時代の憲法論」などがある。

【講演概要】
四項類推では、4つの要素「A:B=A’。B’」と表されます。これを構成する関係は、Aに対してBを指定する関係(指定関係)と、同様にA’に対してB’を指定する関係、さらにその2つの指定関係が同じであること(指定関係等価性)です。こうした類推は、AかBのどちらかに、すでに多くの知識がある場合に有効です。

対して、世界から規則性(知識)を獲得できる帰納的推論を行うには、もう一つの関係が必要です。AとA’およびBとB’が比較可能ということです(比較可能性)。比較可能ということは、物理学では、単位系によって明示されます(例えば、重さと長さを比較することはありません。)。さらにAとBだけでなく、C、D、E、F…と大量のデータが必要になります。結局、帰納的推論には、指定関係、指定関係等価性、比較可能性の3つが必要であり、これを私は整列構造と呼んでいます。ですから、世界から知識を獲得する範囲を拡大するには、より柔軟に整列構造を作り出すことがキーとなるわけです。

これまでの研究から、指定関係やその等価性は比較的自由に設計できることが明らかになっています。一方、比較可能性は、基本的には物理的なセンサーの特性に帰着します。そう考えると、我々が抽象的な思考を行う場合であっても、その概念が実世界に接地しているなら、それはセンサにおける比較可能性に根を持つものであるはずです。つまり観測される要素の間に存在する比較可能性をどのように流用/転用するからが知的システムの能力拡大において重要なテーマとなるはずです。

そこで今回は、比較可能性の観点から、知能について議論します。ひとつには、近年発展している、Transformer等のアテンションを用いたニューラルネットワークと比較可能性についての議論を行います。さらに、カントの述べていた悟性や、C.S.パースがが述べていたhypoiconといった、哲学的観点からも触れたいと思います。

参考資料:https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2020/0/JSAI2020_2D6OS18c04/_article/-char/ja/

14:40 – 15:30 座談会 

【登壇者】山川 宏 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

シンギュラリティサロン#47@SpringX 哲学の決定論 vs. 物理学の決定論:機械は自由意志を持てるか?

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティーに向かう中で、機械(コンピュータ)はより人に近づいていくと考えられます。言い換えれば、機械は、これまで「人間だけの問題」であった領域に入り込んでいくでしょう。その中でも「機械は自由意志を持てるのか」という問題は、誰もが関心を持つ基本的な問いでありながら、科学技術の知見だけでなく、人文科学・哲学の知見も必要とする、もっとも難しい問題ではないでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、「自由意志と決定論」をテーマに、哲学と物理学、その双方の視点から議論を深めます。

■開催日時と申込み

【日時】2021年3月6日(土)13:30 – 16:00

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/2ADDqH9xpc4
※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202103/detail20210306.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、Peatixチケットの申し込み(参加登録)がなくても、上のリンクから誰でもご視聴いただけます。なお、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、Peatixを通じて、イベント日時・URLのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、SpringX主催の講義・その他イベントのご案内を、SpringX事務局からお届けします。ご登録がまだの方は、ぜひこの機会にご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 13:45 講師紹介

13:45 – 14:45 対談 「哲学の決定論 vs. 物理学の決定論:機械は自由意志を持てるか?」

【登壇者】
木島 泰三(きじま たいぞう)法政大学 非常勤講師
2019年に博士(哲学)の学位取得(論文博士)。専門はスピノザおよびホッブズを中心にした西洋近世哲学。哲学者ダニエル・デネットの思想を中心にした現代の自然主義的人間観についても論じており、デネットの『思考の技法』、『心の進化を解明する』の翻訳を手がけた。
ウェブページ:http://edelmoedigheid.web.fc2.com/

谷村 省吾(たにむら しょうご)名古屋大学大学院情報学研究科 教授
1995年に博士(理学)学位取得。専門は理論物理、とくに量子力学の数学的基礎、圏論と微分幾何の応用。最近は意識の科学にも関心を持つ。AIの研究も開始。哲学に関しては素人であるにもかかわらず、哲学者に対してもの言う物理学者としても有名。主著に『トポロジー・圏論・微分幾何』、『幾何学から物理学へ』、『一物理学者が観た哲学』。
ウェブページ:http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/

【概要】
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

人間と機械を隔てている(と思われている)特徴として、意識の有無、とくにクオリア・自我・自由意志などの有無が取沙汰されることが多いと思います。一方で、世界で何が起こるかはすでに決まっているとする決定論は、強力な説得力があり、自由意志の存在を脅かすようにも思われます。しかし冷静かつ正確に考えるなら、決定論とはいかなるものなのでしょうか? 物理学は決定論なのでしょうか? 木島泰三氏の著書『自由意志の向こう側:決定論をめぐる哲学史』(講談社)を軸に哲学者と物理学者が討論します。

14:45 – 16:00 座談会 「『機械は自由意志を持てるか?』を哲学・物理学から議論する」

【登壇者】木島 泰三 氏×谷村 省吾 氏
 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン、JAPAN SKEPTICS (ジャパン スケプティクス)

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#46 渡辺 正峰「意識を科学のまな板にのせる - 20年後の意識のアップロードに向けて -」

詳細
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンの講師は、「シンギュラリティサロン#30(2018年7月21日、他)」「シンギュラリティサロン #33「意識をめぐる大冒険」(2019年3月10日)」に登壇いただいた、東京大学の渡辺 正峰さん。渡辺さんは、アカデミアで脳科学を研究する一方、「意識のアップロード」を目指すスタートアップ、MinD in a Device社を設立し、10年以上に渡る研究成果 をもとにした意識のアップロード構想の実現へむけて、精力的な活動を展開されています。

そんな「意識のアップロード」の最先端を切り拓いている渡辺さんに、意識を科学として捉えるためのアプローチと、マインドアップロード実現への道筋をお話いただきます。

■開催日時

【日時】2021年2月28日(日)13:30 – 16:00

【方法】ZOOMでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。
 ZOOMリンクは参加者本人のみご使用ください。リンクの転送はお控えくださいますようお願いします。

【参加費】 無料

【定員】300名

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「意識を科学のまな板にのせる - 20年後の意識のアップロードに向けて -」

【講師】渡辺 正峰(わたなべ まさたか)氏 
 東京大学大学院工学系研究科 准教授
 独 Max Planck Institute for Biological Cybernetics グループリーダー
 株)MinD in a Device 共同創業者 技術顧問

プロフィール
’93年東京大学工学部卒業、’98年東京大学大学院工学系研究 科博士課程修了。’99年博士研究員、’00年助手、’ 02年助教授、その間の米カリフォルニア工科大学留学などを経て 、現在は東京大学大学院准教授および独マックスプランク研究所客 員研究員。専門は脳科学で、特に意識に関し理論研究から実験的研 究まで幅広く従事。2017年に著書「脳の意識
機械の意識」を中央公論新社より刊行。10年以上に渡る研究成果 をもとに意識のアップロード構想を実現するべく、MinD in a
Device社技術顧問に就任。

【講演概要】
 研究対象としての意識は、長らく哲学と科学の間を彷徨ってきた。 意識の仮説を検証する術を我々が持たないためだ。素直に考えれば 、意識を有する脳を用いて仮説群を検証すべきところだが[1, 2]、生体である宿命から、仮説検証に必要な「意識の本質」の抽 出が許されない。無理に抽出しようとすれば、今度は脳が死んでし まう。

 この壁を乗り越えるべく、機械へと意識を宿す試み、すなわち、ア ナリシス・バイ・シンセシスによって意識の本質へと迫る手法を取 り上げる。ここで必須となるのは、 機械の意識を検証する手法である。空気がなければ飛行機械の開発 がままならないように、人工意識の検証法なくして、アナリシス・ バイ・シンセシスによる意識の探求は成立しない。

 そこで、機械の意識を検証する手法として「人工意識の脳接続主観 テスト」[3,4]を提案する。当該機械を自らの脳に接続するこ とにより、自らの意識をもって機械の意識を”味わう”。ただし、 人工網膜や人工鼓膜によっても感覚意識体験が生じてしまうように 、単に脳に機械を接続すればよいというものではない。テストの可 否を握るのは、機械に意識が宿った場合にのみ、脳との間で感覚意 識体験が共有される機械と脳の接続のあり方だ。ヒントとなるのは 、ロジャー・スペリーによって二つの意識が共存することが示され た分離脳である。

 また「人工意識の脳接続主観テスト」を思考実験として用いること により、情報に意識が宿るとするこれまでの仮説群の問題点を指摘 し、その代案として、神経アルゴリズム(生成モデル)が意識を生 むとする自身の仮説[5]を紹介する。

 最後に意識の機械への移植について議論する。上記、主観テストの 方法を用いて機械と脳を接続し、いくつかの仮定が正しかったなら 、20年後の意識のアップロードも視野に入ってくる。

[1] Watanabe, M., K. Cheng, Y. Murayama, K. Ueno, T. Asamizuya, K.
Tanaka and N. Logothetis (2011). “Attention but not awareness
modulates the BOLD signal in the human V1 during binocular
suppression.” Science 334(6057): 829-831.
[2] Watanabe, M.; Nagaoka, S.; Kirchberger, L.; Poyraz, E.; Lowe, S.;
Uysal, B.; Vaiceliunaite, A.; Totah, N.; Logothetis, N.; Busse, L. et
al.: Mouse primary visual cortex in not part of the reverberant neural
circuitry critical for visual perception. (in revision)
[3] Watanabe, M. (2014). “A Turing test for visual qualia: an
experimental method to test various hypotheses on consciousness.” Talk
presented at Towards a Science of Consciousness 21-26 April 2014,
Tucson: online abstract 124
[4] 渡辺正峰(2017)「脳の意識 機械の意識」中央公論新社
[5] 渡辺正峰(2010)「意識」『イラストレクチャー 認知神経科学―心理学と脳科学が解くこころの仕組み』村上郁也編 、オーム社

14:40 – 16:00 座談会 「意識は科学のまな板に乗るか? 20年後の意識のアップロードは可能か?(仮題)」

【登壇者】渡辺 正峰 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(ZOOM)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲し、「SpringX超学校ONLINE」よりも、高度で「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#45 高橋 恒一「シンギュラリティサロン@SpringX 知能爆発はいつどのように起きるのか」

SpringX超学校ページ https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202101/detail20210130.php

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティーと関連が深い用語に「知能爆発」があります。知能爆発は、人工知能が、科学技術研究や自己改良を自律的に行うことにより、その能力を際限なく向上させることによって起きる、とされています。今回は、理化学研究所/慶應義塾大学等で、「AI駆動型科学」等の最先端のAI研究に取り組んでおられる高橋恒一さんを講師にお招きし、知能爆発がいつ、どのような条件が整ったときに起きるのかについて、お話しいただきます。

■開催日時と申込み

【日時】2021年1月30日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/RbHq-zkstA4

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、Peatixチケットの申し込み(参加登録)がなくても、上のリンクから誰でもご視聴いただけます。なお、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、Peatixを通じて、イベント日時・URLのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、SpringX主催の講義・その他イベントのご案内を、SpringX事務局からお届けします。ご登録がまだの方は、ぜひこの機会にご登録ください!

SpringXイベントページ:http://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202101/detail20210130.php

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:30 講演 「知能爆発はいつどのように起きるのか」

【講師】高橋 恒一(たかはし こういち)氏 [理化学研究所生命機能科学研究センターチームリーダー・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授]

【概要】
長期的な機械知性の行き着く先が、その能力レベルの発展の上限により上限シナリオ、生態系シナリオ、多極シナリオ、シングルトンシナリオの順に分岐してゆく可能性を議論する。また、能力レベルの上限を制約する重要な要因として、高度な自律性を持つ認知アーキテクチャーの実現や自己構造改良能力などのアーキテクチャーレベルの問題のほかに、マルチエージェント状況における相対的優位性確立の難しさ、また計算の熱力学的効率や光速の上限などの物理的制約などがあることを議論する。

14:30 – 15:30 座談会 「『知能爆発はいつどのように起きるのか』を議論する」

【登壇者】高橋 恒一 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#44 小林 秀章「「意識の謎に迫る」

SpringX超学校ページ https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202011/detail20201114.php

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに向かう専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、2015年よりナレッジサロンを 会場に講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEから、リアルとバーチャルを横断する、新たなシンギュラリティサロンとして再始動しました。

今回の講演では、「セーラー服おじさん」こと小林秀章氏が、これまでシンギュラリティサロンに登壇した「意識研究者」の論点を振り返りながら、意識がいかに不思議なものであるか、そして、科学的視点からの意識へのアプローチにはどのようなものがあるかを解説します。続く座談会では、松田先生、塚本先生を交え、「意識の謎」をテーマにさらに議論を深めます。

■開催日時と申込み

【日時】11月14日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※チケット申し込み後に、Peatixから、イベント視聴ページへのリンクが参加者に届きます。

【参加費】 無料

【定員】300名(暫定)

【参加申込み締切り】11月14日(土) 12:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:15 講演 「意識の謎に科学からどう迫るか」

【講師】小林 秀章 氏(「セーラー服おじさん」)

【概要】
朝、目が覚めると、あたりまえに意識がある。しかし、よくよく考えると、あたりまえどころではなく、とてつもなく不思議なことだと気づかされる。

我々の脳や身体といえども物質であることに違いはない。元をただせば、スーパーで売っている食材と、吸った空気とでできている。そこらにいくらでもある平凡な原子や分子がある特別な配置をもって構成されているのが我々ヒトである。

物質であってみれば、物理法則に厳密にしたがうはずである。いわば、機械のようにしか動作しえないはずである。そんなところに意識が宿り、昼飯に何を食おうかなどど思いめぐらしているとは、たいへん不思議ではないか。ならば、コンピュータのような人工物の上に意識が宿ってもおかしくないのではないか。そのあたりに根源的な問いが見え隠れする。

意識の謎は、本来、物理学や数学で解かれてしかるべきものだ。しかし、現時点の到達レベルからすると、科学と意識は、とてもじゃないが、整合しない。意識はまるで超常現象だ。

今回は、まず前半で、意識がいかに不思議なものであるかを整理して述べたい。後半では、現時点で、科学的視点からの意識へのアプローチにどのようなものがあるかを概観したい。

シンギュラリティサロンは設立から 5年半になるが、これまで数々の意識研究者が登壇されている。要点を振り返ってみたい。さらに、最近の話題を取り上げたい。

14:15 – 15:30 座談会 「意識の謎にさらに迫る」

【登壇者】小林 秀章氏(「セーラー服おじさん」)、松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)

【概要】
普段は意識しないのに、意識すればするほど、わからなくなる「意識」。意識は何に宿るのか?人工意識は実現できるか?意識なき超知能はあり得るか?意識をもった機械は人類と平和的に共存できるか?など、意識をめぐる議論を通じて、「意識の本質」に迫っていきます。

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#43 塚本 昌彦「ドラマ『アップロード』とマインドアップローディング」

SpringX超学校ページ  https://kc-i.jp/activity/feature/virtual-springx/cho_vol019/

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに向かう専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、2015年よりナレッジサロンを 会場に講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEから、リアルとバーチャルを横断する、新たなシンギュラリティサロンとして再始動しました。

今回は、Amazonプライムのドラマ『アップロード』を題材に、「マインド・アップローディング」技術について議論します。

■開催日時と申込み

【日時】10月11日(日)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※チケット申し込み後に、Peatixから、イベント視聴ページへのリンクが参加者に届きます。

【参加費】 無料

【定員】300名(暫定)

【参加申込み締切り】10月11日(日) 12:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:15 講演 「ドラマ『アップロード』とマインドアップローディング」

【講師】塚本 昌彦氏(神戸大学 教授、シンギュラリティサロン発起人)

【概要】
今年、 Amazon Primeビデオで配信され、話題になったドラマ『アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜』シーズン1。このドラマの舞台となっているのは、「マインドアップローディング」が可能になった近未来です。先日、イーロン・マスクのニューラリンク社による脳直接接続技術の発表もあり、この技術に夢と恐怖を同時に感じている人も多いのではないでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、ドラマ『アップロード』に登場する技術やストーリーを追いながら、マインドアップローディングにかかわる諸問題、シンギュラリティに至る技術と社会課題について考えていきます。

※講演および座談会はドラマ『アップロード』に関する***ネタバレアリ***で行いますので、未視聴の方はご注意ください。

14:15 – 15:30 座談会 「マインドアップローディング技術は人類をどう変えるか?」

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)、小林 秀章氏(「セーラー服おじさん」)

【概要】
人間の脳の情報と構造を、そのまますべてコンピュータ上に再現しようという「マインド・アップローディング」は、人類の夢である「不老不死」を実現する技術として、多くの人々の興味と関心を集めてきました。完全な「不老不死」の実現には、まだ時間がかかるかもしれませんが、最近、ニューラルリンクやFacebookなどからマインド・アップローディングのさきがけとなる技術も発表され、ドラマ『アップロード』の世界も、まったくの夢物語ではないかもしれません。

今回の座談会は、塚本氏の講演をうけて、ドラマ『アップロード』とマインド・アップローディング技術を取り上げ、この技術の可能性とそれが実現するもの、その結果として、マインド・アップローディングが人類をどう変えるかについて議論します。

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#42 松田 卓也「新型コロナウィルスとシンギュラリティ」

SpringX超学校ページ  https://kc-i.jp/activity/feature/virtual-springx/cho_vol014/

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに向かう専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、2015年よりナレッジサロンを 会場に講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEから、リアルとバーチャルを横断する、新たなシンギュラリティサロンとして再始動します。

復活第一弾のテーマは「新型コロナウィルスとシンギュラリティ」。最近、新型コロナウィルスの研究に没頭しているという松田先生の講演と、松田先生、塚本先生、小林秀章さん(セーラー服おじさん)による座談会の2部構成で、初のオンライン配信に挑みます!

■開催日時と申込み

【日時】8月22日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※チケット申し込み後に、Peatixから、イベント視聴ページへのリンクが参加者に届きます。

【参加費】 無料

【定員】300名(暫定)

【参加申込み締切り】8月22日(土) 12:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:15 特別講演 「新型コロナウィルスとシンギュラリティ」

【講師】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

【概要】
新型コロナウィルスは怖いか、怖くないか?

新型コロナウィルスは、病気自体で言えば、世界や日本の死者数は1918年に流行したスペイン風邪の1%にも満たない。その意味では怖さはスペイン風邪の1%以下である。しかしその社会的影響という観点で言えば、新型コロナウィルスはスペイン風邪よりもはるかに大きい。社会のありようが、産業構造も含めて、「コロナ以前」と「コロナ以後」では大きく変わるであろう。

具体的には、この講演会もそうだが、コミュニケーションがリアルで対面的なものから、バーチャルでリモートなものにシフトする。人間は基本的に社会的生物であり、個体間のコミュニケーションが大事であるとされてきた。それが、コロナ後のリモート社会においてどうなるのだろうか。それは今後の技術の方向性を決めるだろう。

シンギュラリティを、広義に解釈して「社会に『どでかい』変化が起きる時」としよう。シンギュラリティは2045年頃に起きるとされてきたが、現在、世界に大きな影響を与えている新型コロナウィルスは、まさにシンギュラリティの先駆けと言って良いのではないだろうか。

14:15 – 15:30 座談会 「新型コロナウィルスは人類をどう変えるか?」

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)、小林 秀章氏(「セーラー服おじさん」)

【概要】

この半年、世界中の人々の暮らしや考え方を文字通り一変させた新型コロナウィルス。それは、人類への影響という点で、「シンギュラリティ」と重なる、先駆的な出来事かもしれません。新型コロナウィルスは、人類にとってどんな意味を持つのか。それは人々の生き方をどのように変えるのか。ウィルスとの対峙を通して人類はどう進化し、それは、未来の「シンギュラリティ」とどうつながっていくのか。将来、生き残るのは、どのような人類なのか?

この数ヶ月の「強制的ひきこもり」によって、 ますます頭脳が冴えてきたシンギュラリティサロンの中心メンバー が、新型コロナウイルスを通して 、これから訪れる人類の未来を「予言」します!

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局 admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#41「5周年特別企画」

2015年2月にナレッジキャピタルで産声をあげた「シンギュラリティサロン」。まだ「AI」や「シンギュラリティ」といった言葉がまだ一般人に耳慣れない時期に、いち早く「AI社会の到来」を啓蒙し、人工知能・脳科学研究の最前線にいる講師を招いて、各分野の基礎知識やユニークな知見、最新情報を紹介してきた同サロンは、日本のシンギュラリティ・コミュニティの草分けであり、現在も多方面に刺激を与え続けています。

この度、シンギュラリティサロンの活動が5周年を迎えることを記念して、主要メンバーによる鼎談と、松田卓也先生による記念講演を企画しました。皆様のご参加をお待ちしております。

■第1部 特別鼎談

13:30-14:30 特別鼎談「シンギュラリティサロンの5年間を振り返る」

登壇者
松田卓也、塚本昌彦、小林秀章 (セーラー服おじさん)

司会

根本茂、保田充彦

概要
過去5年間にシンギュラリティサロンで紹介・議論された40以上の講演を振り返りながら、 それぞれのテーマの意義や論点、登壇者が関心のある領域についてコメントします。

■第2部 記念講演

14:30-15:30 記念講演「脳腸相関と汎用人工知能」 

講師 

松田卓也 (シンギュラリティサロン主宰、神戸大学名誉教授)

講演概要

日本語には「腹黒い」とか「腹蔵なく話す」とか、心は腹にあるような表現が多い。昔の日本人はそう考えていた。
英語でもガット・フィーリング(腸の感覚)という言葉があり、直観を意味する。しかし近代医学は心は腹ではなく頭にあることを明らかにした。

しかしここ10年ほどの研究によると頭は腹に大きく影響されていることがわかってきた。これを脳腸相関という。
さらに腸は腸内細菌により大きく影響されていることも明らかになった。それを合わせて脳腸マイクロバイオーム相関という。
マイクロバイオームとは人体と共生している微生物のことである。
腸には膨大な数の神経細胞があり、腸は第二の脳とまで呼ばれることがある。この第二の脳はマイクロバイオームの影響を受けている。
ネズミや人間の感情、気分、意思決定などは腸内細菌により大きく規定されているのである。さらにうつ病、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病などの脳の病気も腸内細菌により大きく影響されている。だから脳のことを考える場合、腸の存在を無視することはできない。

汎用人工知能が人間のように考える人工知能であるとすれば、論理的思考の部分は大脳新皮質の動作を真似れば作ることができると考えられる。
しかし感情の部分まで作り込もうと思えば、腸を含む体全体を与えなければならないのだろうか?

本講演では脳腸相関と心、感情について述べる。

定員 
120名(先着順・入場料無料 ※会場のナレッジサロンの規約により、18最未満の方は参加できません。また18歳でも高校生は参加できません。ご了承ください。)

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#40 山川 宏「人間社会を支えるエコシステムとしての自律AI社会 – 存在論的リスクを克服するために -」

講演

13:30-15:00 講演: 「人間社会を支えるエコシステムとしての自律AI社会 – 存在論的リスクを克服するために -」

15:00-15:30 自由討論

講師 
山川 宏 (特定非営利活動法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ 代表)

定員 100名(先着順・入場料無料 ※会場のナレッジサロンの規約により、18最未満の方は参加できません。また18歳でも高校生は参加できません。ご了承ください。)

講演概要
 深層学習の台頭を契機に、高度AIがもたらすシンギュラリ ティに関する議論が活性化した2014年から、 約5年が経過しました。当時における長期的な議論は、人を超える AIに対する脅威や不安を起点とする論点が主であった。 しかしながら、その後において議論が深まるにつれて、AIに限ら ず様々なEmergent Technologyを、誰かが誤用・悪用することによる Agential Riskの急増から生じる危険性のほうが現実的な問題であると認 識されつつある。人類の存続にも影響を与えかねないこうしたリス クを制御するには、むしろAIを積極的に利用したグローバル監視 の可能性も真剣に検討され始めている。もしそうであれば、 私たちは存続のために、一定の範囲で、自由やプライバシーを手放 すことに同意せざるを得ないかもしれないし、それを許容する新た な共通認識を構築する必要があるかもしれない。同時に、 そうした、共通の価値にそって人々を支え、包括的にリスクを低減 するエコシステムを構築するためにロバストなAI社会を開発する 必要も生じるとおもわれる。

講演資料: