シンギュラリティサロン #36 甘利 俊一「脳と人工知能:シンギュラリティは起こるのか?」

講演
2019/07/07
13:30-15:00 講演: 「脳と人工知能:シンギュラリティは起こるのか?」
15:00-15:30 自由討論

講師 
甘利俊一 (理化学研究所栄誉研究員、東京大学名誉教授)

定員 100名(先着順・入場料無料)

講演概要
 人工知能が素晴らしい発展を遂げ、 産業構造と文明を変えるかもしれないとまでいわれている。では、 どのような文明が待っているのだろうか。本講演では、 人工知能の研究の歴史から始め、人工知能、 深層学習の素晴らしい発展を見るとともに、今のAIの問題点を考 察する。今のままでは、これは人の知能にはるかに及ばない。 その克服の方向を探るには、脳の仕組みに学ぶ必要がある。

 脳は、永年の進化の歴史が生み出した傑作である。 その仕組みを垣間見るとともに、 人工知能がまだ汲み取っていない、脳の機能を調べよう。 脳は心を宿し、意識を作り出した。 人間の脳は神経回路網を用いて、 外部の入力からその先を素早く予測する。 プレディクションである。しかしそれだけではない。 重要なことは意識に上らせ、 他の多くの情報を統合しながらじっくりと吟味する。 これがポストディクションである。今の人工知能にはこれがない。

 ロボット(人工知能)は心を持つだろうか。人は、 社会生活を行う進化の過程で心を発展させ、共感を持つに至った。 しかし心は不条理である。ロボット(人工知能)は、 人の心の働きを理解し、それに合わせることはできる。しかし、 ロボットは合理的、論理的で、 それ自身が悲しんだり喜んだりする振りはできても、 そのような無駄はしない。

 これから、人工知能が人類の知能を超え、 人間を不要のものとするシンギュラリティが訪れるのか、 その前に人類の文明は何をしなければいけないのかを考えよう。

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル