シンギュラリティサロン#14(第14回公開講演会)を、次の通り開催します。
日時 2016年3月26日(土)19:00- 21:00
場所 グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ(アクセスはこちら)
講演題目
「日本からシンギュラリティが起きる?」
松田卓也(神戸大学名誉教授 株式会社ブロードバンドタワー顧問 シンギュラリティサロン主宰)
定員 100名(先着順。申し込み多数の場合は、悪しからずお断りする場合があります。)
※入場料無料 ご来場の際はナレッジサロン受付けでお名前を伝えてください。
講演概要
シンギュラリティとは技術的特異点ともよばれ、人工知能の能力が飛躍的に発展し、人類全体の能力をこえる時とされています。アメリカの未来学者レイ・カーツワイルが盛んに喧伝している概念です。それは2045年頃に起きるとされています。シンギュラリティは当初、夢物語と思われていましたが、近年その実現性が増大しています。実際、アメリカではIT企業を中心として、膨大な研究投資が行われています。
シンギュラリティが起きると科学技術の爆発的な発展が予想され、それにともない経済、社会、軍事など人類のあらゆる側面に革命的な変化が起きることが予想されます。このシンギュラリティ革命に乗った国は21世紀の先進国になり、乗り遅れた国は発展途上国に転落することが予想されます。産業革命の時にもこの現象が起きて、それを大分岐と呼びますが、シンギュラリティ革命は第二の大分岐であるとされています。
日本は少子高齢化とともに生産年齢人口割合が減少して衰退の道をたどっています。しかしシンギュラリティが起きると、人間の労働は不要となり、ロボット、人工知能がそれを代替します。ですから日本の衰退を跳ね返すためには、シンギュラリティを起こして、生産性を抜本的に上昇させる必要があります。
日本では政府、企業の取り組みは非常に遅れていました。このままでは日本は21世紀の発展途上国に転落する可能性が高いと思います。2015年になり日本政府もついに覚醒し、対策を取り始めました。具体的には経産省は産総研に人工知能研究所を作り、文科省は理研に人工知能研究所を作る構想を進めています。しかしこれでは全く不十分です。アメリカIT企業の研究投資総額は5兆円を超えるのに対して、日本政府の予算総額は100億円以下だからです。
一方、日本ではPEZYコンピューティングの齊藤元章さんが、2020-2025年をターゲットに、1000億コアと100兆インターコネクトを備えた脳型コンピュータ(Neuro Synaptic Processin Unit=NSPU)を作ることを計画しています。これができると、全人類の知能が6リットルの体積に収まるとされています。つまりハード面だけでは2045年度どころか2025-2029年にもシンギュラリティが起こりうるのです。問題は大脳新皮質で働いているアルゴリズムの解明です。これをマスターアルゴリズムと呼ぶことにします。
私は個人的にはマスターアルゴリズムとして、Jeff Hawkinsの唱える階層的時間記憶理論(Hiererchical Temporal Memory=HTM)の拡張が有力と考えて、その研究を行っています。齊藤脳コンピュータができれば、それにマスターアルゴリズムを搭載して、機械超知能を作りたいと考えています。それは意識はもたないが極めて強力な機械知能であり、クラウド上にある超知能と人間をウエアラブル機器で結合して知能増強人間を作りたいと思います。
目的は科学研究の補助です。これを人工知能主導型科学(AI Driven Science)と命名します。これは理論、実験、シミュレーション、データ主導型科学に次ぐ、第5の科学ジャンルです。はじめは論文執筆補助から初めて、最終的には科学研究のオートメーション化を達成したいと思います。年間1万編の論文執筆がターゲットです。
本講演では、私の取り組みを含めて、シンギュラリティの意味、意義について概観します。
共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル
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