シンギュラリティサロン#19(第19回公開講演会)を、次の通り開催します。
日時 2016年10月15日(土)13:30- 15:30
場所 グランフロント大阪・ナレッジサロン内プレゼンラウンジ(ナレッジキャピタルへのアクセスはこちらを、施設内のナレッジサロンへのアクセスはこちらをご参照ください)
講演題目
「ヒト全小脳リアルタイムシミュレーションを目指して」
山﨑 匡(電気通信大学大学院情報理工学研究科)
定員 100名(先着順。申し込み多数の場合は、悪しからずお断りする場合があります。)
※入場料無料 ご来場の際はナレッジサロン受付けでお名前を伝えてください。
講演概要
脳はニューロンと呼ばれる神経細胞が、シナプスと呼ばれる構造を介して結合した非常に複雑なネットワークであり、スパイクと呼ばれる電気パルスを交換して情報処理を行っていると考えられている。脳がシステムとして何をしているかは未だに解明されていないが、その構成要素である単一のニューロンが何をしているかはよく分かっており、数式で記述可能である。そのような数式をニューロンの数だけプログラムし、数値シミュレーションを行うことで、原理的には脳の神経回路の挙動を計算機上に再現することが可能である。
そのような試みとして、我々は小脳と呼ばれる部位に着目している。ヒトの脳は約1,000億個のニューロンからなるが、そのうちの約8割は小脳にあることが知られている。小脳は運動制御・運動学習において重要な役割を担っており、近年では高次脳機能への関与も示唆されている。小脳は分子から行動まで大量の実験データが存在する部位でもあるため、そのようなデータにもとづいて比較的忠実に小脳神経回路を計算機上に実装することができる。
今回我々は、PEZY Computing / Exascaler社が開発し、理化学研究所情報基盤センターに設置されているスパコン Shoubu を用いて、ネコの全小脳に相当する10億ニューロンからなる小脳神経回路のリアルタイムシミュレーションに成功した。数年後にはヒト全小脳に相当する1,000億ニューロンのリアルタイムシミュレーションを実現する計画である。
本講演では、小脳の構造と機能について紹介し、次いで神経回路シミュレーションの概要を説明する。さらにShoubu上への小脳回路の実装に関する詳細について説明し、最後に今後の展望について述べる。
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共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル
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