相談役
松田卓也+Claude Fable 5.1
序章 立入検査
二〇三三年九月十二日月曜日。午前七時五十八分。
御堂雅史は社長室の窓から中之島の川面を見ていた。手には朝の要約がある。A4一枚。今日の決裁事項が七つ。三行ごとに空きがある。彼はそれを二分で読み終え、最後の一行に目を止めた。
「本日午前に公正取引委員会の立入検査の可能性あり。対応方針は別紙」
別紙はなかった。要約はいつも別紙を約束して、別紙は必要になったときに現れる。彼はそれに慣れていた。
八時ちょうどに秘書が入ってきた。
「社長。公取委の方が一階に」
「何人だ」
「十四人です」
「通せ。会議室を開けろ。コーヒーは出すな。水でいい」
秘書が出て行った。御堂は上着を着た。鏡を見た。六十二歳。髪は白いが量は減っていない。彼はそれを誇りにしていた。
続きを読む AI小説「相談役」



