北緯58度
―― 最後の発火点 ――
松田卓也+Claude Opus 5 , ChatGPT 5.6 Sol
第1章 岩の下の灯
I. 回路のその先
封筒には差出人がなかった。
イーサン・カーターがそれを受け取ったのは、サンフランシスコの研究所を出て、ヴァレンシア通りの古いタコス屋でひとり昼を食べていた時だった。黒いウールのコートを着た女が無言でテーブルに封筒を置き、顔を上げる前に午後の人混みへ消えた。
中には厚紙が一枚と、四つ折りのプリントアウトが一葉入っていた。
厚紙にはこう書かれていた。
Mr. カーター
人類はいま、火を発見した夜の類人猿に似ています。我々は炎の正体を知らず、ただその熱に手をかざしているだけです。私はその炎が何であるかを知る場所を建設しました。
六月十七日、ヒースロー空港、第五ターミナル、午前八時。同封のものを〈ノース・スター・チャーター〉のカウンターに見せてください。
あなたの沈黙と、あなたの到着を期待しています。
― V.A.
プリントアウトを開いて、イーサンはフォークを置いた。 続きを読む AI小説「北緯58度 ―― 最後の発火点 ――」