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シンギュラリティサロン#34(東京第31回) 吉田 正俊「自由エネルギー原理と視覚的意識」

名称: シンギュラリティサロン @東京 第 31 回公開講演会
日時: 2019年6月8日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
会場: 大手町サンケイプラザ 3 階
主催: シンギュラリティサロン
共催: 株式会社ブロードバンドタワー
講師: 吉田 正俊 (生理学研究所 認知行動発達機構研究部門 助教)
演題: 『自由エネルギー原理と視覚的意識』

講演概要:
フリストンの自由エネルギー原理では、外界に関する生成モデルと現在の認識から計算される変分自由エネルギーを最小化するために、1) 脳状態を変えることによって正しい認識に至る過程 (perceptual inference) と 2) 行動によって感覚入力を変えることによって曖昧さの低い認識に至る過程 (active inference) の二つを組み合わせていると考える。
本講演の前半では自由エネルギー原理について、我々が視線を移動させながら視覚像を構築してゆく過程を例にとって、簡単な説明を試みる。本講演の後半では、このようにして理解した自由エネルギー原理を元にして「自由エネルギー原理と現象学に基づいた意識理論」を提唱する。この理論において意識とは、 自由エネルギー原理における推測と生成モデルとを照合するプロセスそのものであり、イマココでの外界についての推測と非明示的な前提条件の集合である生成モデルとが一体になって意識を作り上げている。この考えはフッサール現象学における意識の構造についての知見と整合的である。
定員: 100名
入場料: 無料
聴講者: 小林 秀章 (記)
https://peatix.com/event/676133
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シンギュラリティサロン#31 大泉 匡史「意識の統合情報理論から意識の理論の創り方を考える」

名称: シンギュラリティサロン #31
日時: 2018年9月15日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
場所: グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ
主催: シンギュラリティサロン
共催: 株式会社ブロードバンドタワー
   一般社団法人ナレッジキャピタル
講師: 大泉 匡史氏 (株式会社アラヤ マネージャー)
演題: 『意識の統合情報理論から意識の理論の創り方を考える』

講演概要:
意識の統合情報理論 (IIT) とは、意識の量 (意識レベル) と意識の質 (クオリア) を、ネットワークの中の情報と統合という観点から数学的に定量化しようとする試みである。IIT は、深い睡眠時に意識が失われるのはなぜか、視覚と聴覚のクオリアの違いは何によって決まるのか、複数の意識 (例えば二人の人間の脳) の間の境界はどのように決まるのか、脳の中の意識の座はどこかといった問題に関して、統一的な説明と予測を与える。IIT はまだ発展途上の理論であり、実験的な検証が十分に成されているわけではない。しかしながら、IIT を意識の理論の一つの雛形として考えることで、意識の理論とはどのように創るべきかを考えることができる。

本講演では IIT を通して、意識の数理的な理論はどう創るべきか、そしてそれをどのように検証していくべきかを議論する。また、IIT が人間の意識だけでなく、他の生物の意識、そして人工知能の意識を理解する上で、どのように役に立ち得るかを議論したい。
定員: 100名
入場料: 無料
聴講者: 小林 秀章 (記)
https://ss31.peatix.com/
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シンギュラリティサロン#30 渡辺正峰「『人工意識の脳接続主観テスト』が切り拓く意識の科学のこれから」

『シンギュラリティサロン #30』(7/21(土)) 聴講レポート

名称: シンギュラリティサロン 第 30 回公開講演会
日時: 2018年7月21日(土) 1:30pm ~ 4:00pm
場所: グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ
主催: シンギュラリティサロン
共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
   一般社団法人ナレッジキャピタル
講師: 渡辺 正峰氏 (東京大学大学院工学系研究科 准教授)
演題: 『「人工意識の脳接続主観テスト」が切り拓く意識の科学のこれから』
講演概要:

研究対象としての「意識」は、長らく哲学と科学の間を彷徨ってきた。意識の仮説を検証する術を我々が持たないためだ。素直に考えれば、意識を有する脳を用いて仮説群を検証すべきところだが、生体である宿命から、仮説検証に必要な「意識の本質」の抽出が許されない。無理に抽出しようとすれば、今度は脳が死んでしまう。ここで「意識の本質」の候補をあげるなら、哲学者のチャーマーズは、すべての情報が意識を生む (「情報の二相理論」) と主張し、神経科学者のトノーニは、統合された情報のみが意識を生む (「統合情報理論」) と主張している。

拙書『脳の意識 機械の意識』(中公新書) ではこの壁を乗り越えるべく、機械へと意識を宿す試み、すなわち、アナリシス・バイ・シンセシスによって意識の本質へと迫る手法を取り上げた。ここで必須となるのは、機械の意識を検証する手法である。空気がなければ飛行機械の開発がままならないように、人工意識の検証法なくして、アナリシス・バイ・シンセシスによる意識の探求は成立しない。

私が提案するのは、「人工意識の脳接続主観テスト」[1]である。当該機械を自らの脳に接続することにより、自らの意識をもって機械の意識を“味わう”。ただし、人工網膜や人工鼓膜によっても感覚意識体験が生じてしまうように、単に脳に機械を接続すればよいというものではない。テストの可否を握るのは、機械に意識が宿った場合にのみ、脳との間で感覚意識体験が共有される機械と脳の接続のあり方だ。ヒントとなるのは、ロジャー・スペリーによって二つの意識が共存することが示された分離脳である。検証の原理が指し示されることにより、意識の科学が「真の科学」(仮説提案と仮説検証の繰り返しによる本質の追求) へと昇華することが期待される。

最後に「人工意識の脳接続主観テスト」を思考実験として用いることにより、情報に意識が宿るとするこれまでの仮説群の問題点を指摘し、その代案として、神経アルゴリズム (生成モデル) が意識を生むとする自身の仮説 [2] を紹介する。
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シンギュラリティサロン#29 津田一郎「創発インタラクション:ダイナミクスが生み出す知の可能性」

  名称: シンギュラリティサロン 第 29 回公開講演会
  日時: 2018年6月2日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
  場所: グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ
  主催: シンギュラリティサロン
  共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
     一般社団法人ナレッジキャピタル
  講師: 津田 一郎氏 (中部大学 創発学術院 教授)
  演題: 『創発インタラクション: ダイナミクスが生み出す知の可能性』
  講演概要:
     IoT 時代のヒトを取り巻く環境は熱浴的なものではなく複雑にネットワーク化されたものです。このような複雑系である環境に対して適応的に働きかけ情報を獲得するようなインタラクションとは何でしょうか。私たちは現在 JST の CREST プロジェクトにおいてこの問題に多角的に取り組んでいます。

     本講演では、プロジェクトの全体構成を概説し、特に私のグループで進行している研究について紹介します。鍵になる概念は典型的には脳の機能分化に見られるような拘束条件付き自己組織化で、これはプロジェクト全体の骨格をなします。
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シンギュラリティサロン@東京#25 松田 卓也「教育のシンギュラリティ」

  名称: シンギュラリティサロン@東京 第 25 回公開講演会
  日時: 2018年2月17日(土) 1:30pm ~ 4:00pm
  場所: リコー IT ソリューションズ株式会社本社
     晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワー X 42 階
  主催: シンギュラリティサロン
  共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
     リコー IT ソリューションズ株式会社
  講師: 松田 卓也氏 (神戸大学名誉教授)
  演題: 『教育のシンギュラリティ』
  講演概要:
 人工知能とロボットの発達により、今後 10 ~ 20 年で多くの仕事が失われていくだろう。それを技術的失業と呼ぶ。それに伴って新しい仕事も生まれてくる。技術的失業をした人々は、より高度な新しい創造的仕事に移るか、あるいはより低賃金の既存の仕事に移るかしなくてはならない。高度な仕事に移るには、そのための技術を習得しなければならないが、それがどんなものかは今は分からない。言えることは、学校で学んだ技術や知識が急速に陳腐化していくことである。それを防ぐには、我々は常に学ばなければならない。真の意味での生涯学習である。既存の学校システムがそれに適するかは分からないが、やはり独学が重要になってくる。ここでは独学の一手法としてのオンラインコースの利用について紹介する。また教育の人工知能化についても論じる。

  定員: 100名
  入場料: 無料
  https://peatix.com/event/348978
  聴講者: 小林 秀章 (記)

【タイムテーブル】
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シンギュラリティサロン@東京#23 金井 良太「人工意識の話」

『シンギュラリティサロン@東京 #23』(10/21(土)) 聴講レポート 報告:小林 秀章

  名称: シンギュラリティサロン@東京 第 23 回公開講演会
  日時: 2017年10月21日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
  場所: リコー IT ソリューションズ株式会社本社
     晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワー X 42 階
  主催: シンギュラリティサロン
  共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
     リコー IT ソリューションズ株式会社
  講師: 金井 良太氏 (株式会社アラヤ 代表取締役)
  演題: 『人工意識の実現』
  講演概要:
     意識という主観的な現象も自然現象の一部であるから、自然法則に従っているはずであり、それが生じる何らかのメカニズムが存在するはずである。また、その機能的条件を満たす物理システムであれば、脳以外の物質的基盤からでも生み出すことが可能であろうと予想される。つまり、原理的には人工意識の構築は可能であろう。しかしながら、その本質的な条件が何であるかは、現時点では分かっていない。

     心理学や神経科学の研究から浮かび上がってきた意識の機能を分析することによって、意識の本質的な機能は「反実仮想的な状況の感覚表現を内的なモデルに基いて生成する能力」であるという仮説を構築した。これを「意識の情報生成理論」と呼ぶ。

     反実仮想の生成過程を現代的なニューラルネットワークによって実装することにより、人工意識のプロトタイプが構築できる可能性があると考えている。(要約: 小林)
  定員: 120名
  入場料: 無料
  http://peatix.com/event/309194
  聴講者: 小林 秀章 (記)

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シンギュラリティサロン#22 五十嵐 潤「京・ポスト京コンピュータによる脳の大規模シミュレーション:ペタスケールからエクサスケールへ」

さる2017年5月27日(土)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン#22(第22回公開講演会)を開催しました。

今回は、理化学研究所 情報基盤センター 上級センター研究員の五十嵐 潤さんに、「京・ポスト京コンピュータによる脳の大規模シミュレーション:ペタスケールからエクサスケールへ」と題してお話いただきました。

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本日はまず、シンギュラリティと脳のシミュレーションについて整理してお話をします。その後に脳とはどのようなものなのか。それをシミュレーションするスーパーコンピュータとはどの様なものなのかを説明します。次に、ペタスケールのコンピュータによる脳のシミュレーションの話、次世代の脳シミュレーションの話をします。

シンギュラリティと脳のシミュレーション

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シンギュラリティサロン#23 金井 良太「人工意識の実現」

サマリ1 報告者:松田卓也

2017/7/9にシンギュラリティサロンで人工意識についての金井良太さんの講演が行われました。それは人工知能に意識を持たせる研究です。意識と知能は別物です。例えばアルファGoは意識を持たない高度な知能です。精緻な人工知能を作っても自動的に意識が生まれるわけではありません。現状の深層学習では意識は生まれないと金井さんは見ます。

人工知能に意識を持たせることは、人工知能の判断、決定の説明可能性を保証するために重要と金井さんは見ます。人工知能に意識を持たせるためには、意識とは何かを解明する必要があります。無意識の行動と意識的な行動の差は時間的な記憶にあることを実験的に示します。
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第2回シンギュラリティシンポジウム ①「シンギュラリティへの道」松田卓也

今からちょうど2年前に、ナレッジサロンで「シンギュラリティサロン」を始めた。シンポジウムは今回が第二回。第一回は昨年7月に開催し、PEZY computing社の齊藤元章さんに来て頂いた。今回はWBAI(全脳アーキテクチャイニシアチブ)の山川さん、高橋さん、そして駒澤大学の井上講師、経済産業省産業再生課課長の井上さんと、豪華な顔ぶれ。井上講師は昨年末、「100人」(註:『日経ビジネス』(日経BP社/2016年12月19日号)の連載特集「次代を創る100人」)の1人に選出された。「100人」の顔ぶれは他にトランプ大統領、プーチン大統領、メルケル首相、安倍首相だ(会場笑)。

【超知能の定義】
私のシンギュラリティの定義は「超知能のできるとき」だ。そこにおられる(註:神戸大学大学院工学研究科教授でシンギュラリティサロン共同発起人の1人)塚本先生が私の一冊目の人工知能についての著書の中にある、「人工知能が人間の能力を超えるとき」という定義は間違いだとおっしゃる。私はそれに同意している。では超知能とは何か?「人間ひとりよりも圧倒的に高知能な存在」だ。ではこれは機械なのか?知能増強された超人間なのか?私は後者だと考えている。(塚本先生を指さし)ヘッドマウントディスプレイを装着されたあの姿(会場拍手、笑)。あのスマートウォッチ、7本も付けてはるんですよ(会場笑)、まさに超人間です(笑)。人工知能が科学をやるというよりも人間と人工知能が融合して科学をやる、これがAI駆動科学だ。高橋さんがこの先駆者ですでに会社を作っている。これから世界が変わる。科学技術が圧倒的に進歩し生産性も圧倒的に向上する。ユートピアが訪れ人間は働かなくてよくなる。

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