シンギュラリティサロン#82「意識のアップロード後の<わたし>は<わたし>であり続けるか? > - デジタル不老不死の技術比較と今後の課題について -」

本編:

アフターサロン

私たちの脳から「意識」をコンピューターに移すことはできるのか? その時<わたし>はどうなるのか?

今回のシンギュラリティサロンは「意識のアップローディング」の実現に精力的に取り組み、6月に『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』(講談社)を上梓された、東京大学の渡辺 正峰准教授にお越しいただき、意識のアップロードの最前線とその課題についてお話いただきます。「意識の謎」から「デジタル不老不死」にまでせまる特別編です!

■開催日時と申込み

【日時】2024年8月3日(土)

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 「いつもの雑談」

13:40 – 14:40 講演「意識のアップロード後の<わたし>は<わたし>であり続けるか? – デジタル不老不死の技術比較と今後の課題について -」 
  渡辺 正峰(東京大学大学院工学系研究科准教授)

【講演概要】
ヒトの意識をアップロードする手法として、いくつかのものがこれまで提案されてきた。ただし、技術的な実現可能性や、果たして、アップロードされるのは自分自身であるかとの問題に対して、及第点を与えられるものは存在しない。
本発表では、本年6月に刊行された『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』をもとに、私の提案する手法を説明し、上記の二つの課題について、従来手法と比較検討したい。

【講演者プロフィール】
1970年、千葉県生まれ。東京大学大学院工学系研究科准教授。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。
専門は神経科学。著書にFrom Biological to Artificial Consciousness (Springer)、『脳の意識 機械の意識』(中公新書)、『理工学系からの脳科学入門』(共著、東京大学出版会)など。

14:40 – 15:25 討論「意識のアップロード・デジタル不老不死・シンギュラリティ」

【登壇者】渡辺 正峰氏、松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)、塚本 昌彦(神戸大学教授)
【進行】保田充彦 (ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信しています。シンギュラリティサロンの「別版」として、より自由なテーマでよりコアな内容を、タイムリーにお届けしています。

【YouTube シンギュラリティサロン・オンライン】
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#81「2024年上半期AIニュース・ベスト10」

本編:

アフターサロン

シンギュラリティサロン恒例の「AIニュース・ベスト10」、2024年上半期版をお届けします!

生成AIをはじめとするAI技術の「加速度的発展」が、私たちの社会にますます大きな影響を及ぼしつつある中、
2024年上半期のAIに関する様々な話題の中から、特に重要だと思うものを選び、メンバーそれぞれの視点で分析・解説・考察しようという企画です。シンギュラリティサロンの叡智を集めて今年前半を振り返ります。ぜひご視聴ください。

■開催日時と申込み

【日時】右欄を御覧ください

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://www.youtube.com/live/iMbux4uAZbI?si=Ktcfffot_Nu6-AWo

※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202406/detail20240630.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、上のリンクから誰でもご視聴いただけますが、Peatixチケットの申込みをいただいた方には本イベントのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けします。よろしければご登録をお願いします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、SpringX主催の講義・イベントのご案内をSpringX事務局からお届けします。こちらもこの機会にぜひご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

【開催日時】6月30日(日)13:30~15:30

【参加費】無料

【講師】松田 卓也 氏(神戸大学 名誉教授)
    塚本 昌彦 氏(神戸大学大学院 工学研究科 教授)
    保田 充彦 氏(ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表 )

13:30 – 13:40 冒頭の雑談(全員)

13:40 – 15:25 「2024年上半期AIニュース・ベスト10」

 今年上半期のAI関連の出来事の「ベスト10」をあげて、ひとつづつ議論します。視聴者のみなさんからのコメントも大関係です!

15:25 – 15:30 まとめと次回予告

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

一般社団法人ナレッジキャピタル・超学校SpringX、シンギュラリティサロン

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■「超学校ONLINE」とは■

科学、芸術、文化、ビジネスなど、 さまざまな分野の第一線で活躍するスペシャリストから「 本物の知」を学び、ともに考え、対話するプログラムで、 これから何か行動を起こしていきたいと考えるすべての世代の方に 向けて、感性を磨く学びをご提供します。

「超学校ONLINE」 は実践的な学びとスタートアップ支援のための施設「Spring X」のプログラムです。受講の際は「SpringX」 のメンバー登録が必要です。ぜひご登録ください。

↓↓↓■「SpringX」メンバー登録(無料)募集中!■↓↓ ↓

URL: https://kc-i.jp/springxform

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「SpringX」について

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2020年6月29日、 実践的な学びとスタートアップサポートの場「SpringX( スプリングエックス)」 がナレッジキャピタルの新施設としてオープンしました。

「SpringX」は、開業7周年を迎えたナレッジキャピタルが 開設した新施設であり、「超学校」や「対流ポット」など、 未就学児童から大人まで幅広い年齢の方が「 社会を動かす新たなアイデア」を生み出す力を養うことができる、 さまざまなプログラムを実施いたします。

プログラム開催時以外は、カフェ&バーとしてご利用いただけます 。

SpringXをご利用いただくには、メンバー登録(無料)が必要となります。

ぜひご登録ください。

▼メンバー登録(無料)はこちら▼

https://kc-i.jp/springxform

▼「SpringX」の詳細はこちら▼

https://kc-i.jp/facilities/springx/

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シンギュラリティサロン#80「健康に関連する食の情報とフードファディズム」

本編:

健康に関連する食情報があふれていますがウソも混じるので注意が必要です。食物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に評価・信奉することをフードファディズム(Food Faddism)といいます。フードファディズムは場合によっては食生活を混乱させ、健康被害をもたらし、詐欺的商法に悪用されます。手軽に「健康」を手に入れたい消費者、飽和状態の市場において売り上げを増加させたい食関連産業、「食の情報」を売るマスメディア。「食」の周辺にはフードファディズムがあふれています。フードファディズムをキーワードに、一見科学的な食情報に混じるウソや誇張を再確認していただけると幸いです。

■開催日時と申込み

【日時】2024年3月10日(日) 13:30〜15:30

【方法】ナレッジキャピタル「超学校SpringX」 YouTubeLiveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■講師紹介

高橋 久仁子 氏

食品の広告問題研究会 主宰 / 群馬大学教育学部 名誉教授

1972年日本女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業、1982年東北大学大学院農学研究科食糧化学専攻博士課程修了(農学博士)。1988年群馬大学教育学部助教授、1996年教授、2014年定年退職、名誉教授。
現在は「食品の広告問題研究会」主宰。

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 「いつもの雑談」

13:40 – 14:40 講演 (高橋 久仁子 氏)

14:40 – 15:25 質疑応答

【登壇者】高橋 久仁子氏、松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)、塚本 昌彦(神戸大学教授)、小林 秀章 (セーラー服おじさん)
【進行】保田充彦 (ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信しています。シンギュラリティサロンの「別版」として、より自由なテーマでよりコアな内容を、タイムリーにお届けしています。

【YouTube シンギュラリティサロン・オンライン】
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#79「2024年、シンギュラリティは近い!〜 AI発展の近未来予測・『シンギュラリティへの道』をアップデートする」

本編:

アフターサロン

「生成AI」が流行語のひとつとなった昨年は、「ChatGPT」や「Stable Diffusion」をはじめとするAI技術が社会に広く認知され、法的な面など懸念はある一方では本格的な利用も始まった分野もあります。「シンギュラリティの到来と人類社会への影響」をメインテーマに議論を続けてきたシンギュラリティサロンとしても、今、人類とAIの関係は大きな節目に来ていると感じています。

そのような大きな変化の中、これまでのAIの発展を振り返り、それらを踏まえて近未来のAI技術の発展を予想してみたいと思います。そして、私たち人類は今、「シンギュラリティへの道」をどこまで来ているのか、これからどこへ向かって進むのか、についてあらためて考えてみたいと思います。

■開催日時と申込み

【日時】2024年1月28日(日)

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 「いつもの雑談」

13:40 – 14:10 講演1「2024年のAI予測。専門家の予測は期待外れ?(仮題)」 
          松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

14:10 – 14:40 講演2「カーツワイルのシンギュラリティ未来予測を再考する(仮題)」 
          塚本 昌彦(神戸大学教授)

14:40 – 15:25 討論「2024年、私たちはシンギュラリティにどれくらい近づくのか?」

【登壇者】松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)、塚本 昌彦(神戸大学教授)、小林 秀章 (セーラー服おじさん)
【進行】保田充彦 (ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信しています。シンギュラリティサロンの「別版」として、より自由なテーマでよりコアな内容を、タイムリーにお届けしています。

【YouTube シンギュラリティサロン・オンライン】
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

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シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#78「2023年下半期 AIニュース・ベスト5+α」

本編:

アフターサロン

「生成AI」が流行語のひとつに選ばれた2023年は、文字通り「AIイヤー」でした。OpenAI、Google、Metaなど主要なAIデベロッパーが次々とAI技術・AIサービスを公開し、対話型AIや画像生成AIが広く普及する一方で、生成AIへの懸念が各国で議論されるなど、社会全体がAIに影響された1年だったと言えるでしょう。

今回のシンギュラリティサロンは、7月に配信した「上半期ベスト5+α」に引き続き、今年後半のAIに関するニュースの中からシンギュラリティサロンのメンバーが特に重要だと思うものを取り上げ、その意味と意義、今後のAI開発と人類社会への影響を議論します。

■開催日時と申込み

【日時】2023年12月30日(土)

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 冒頭挨拶と「雑談」

13:35 – 15:25 2023年下半期AIニュース・ベスト5(+α)

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)・保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信しています。シンギュラリティサロンの「別版」として、より自由なテーマでよりコアな内容を、タイムリーにお届けしています。

【YouTube シンギュラリティサロン・オンライン】
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#77「『帰ってきたアルトマン』〜サム・アルトマン解任劇と今後のLLM/AGI開発」

本編:

アフターサロン

11月17日、突如飛び込んできた「OpenAI・CEO、サム・アルトマン氏解任」のニュースは、AI界隈のみならず、世間の多くの人を驚かせました。その後、解任の理由や首謀者についてさまざまな情報が飛び交う中、アルトマン氏のCEO復帰により、「5日間の乱」は一応の解決を迎えました。しかし、この事件の余波はいまだに収まることなく、今後のAI開発の方向性とAI普及のシナリオに、大きな影響を与えることになりそうです。

今回のシンギュラリティサロンでは、この「サム・アルトマン解任劇」を、あらたな事実を加えながら振り返り、その意味と意義を考えようと思います。そして、今後のLLM/AGI開発への影響を議論したいと思います。

■開催日時と申込み

【日時】2022年12月3日(日) 13:30 – 15:30

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 「いつもの雑談」とテーマ紹介

13:40 – 14:40 講演

■「『アルトマン解任事件』の顛末と真相、その意味すること」(仮題) 松田卓也(神戸大学名誉教授・シンギュラリティサロン主宰)

14:40 – 15:25 討論「『アルトマン解任事件』は今後のLLM/AGI開発にどんな影響を及ぼすか」

【登壇者】松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)、塚本 昌彦(神戸大学教授)、小林 秀章 (セーラー服おじさん)
【進行】保田充彦 (ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告など

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

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【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

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■主催
シンギュラリティサロン

■共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#76「巨大深層学習モデルは科学を変え得るか?」

本編:

アフターサロン

イベント告知ページ
https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202310/detail20231022.php

■ 開催日時
2023年10月22日(日) 13:30〜15:30

■ 開催形式
YouTube Liveによるオンライン開催

■ 参加費
無料

■ 申し込み
不要

深層学習におけるこの10年の進展は、シンプルなパターン認識モデルであったニューラルネットワークを、複雑な知的タスクが解決可能な巨大言語モデル(LLM)にまで進化させました。未だできる事に制約はあるものの、LLMの能力はデータ駆動アプローチのAIで実現可能だと思われていた範囲を大きく逸脱しています。LLMによりAI研究が次のステージへ進み始めるであろうこのタイミングに、知的タスクの極限形である科学への影響を考えることは有意義なことだと思います。

そこで今回のシンギュラリティサロンでは、オッカムの倹約原理を一つの原動力として発展してきた従来の科学的手法を振り返るとともに、現在試み始められている深層学習アプローチの持つ特異性について議論したいと思います。特に深層学習の持つ不思議な性質であるoverparametrization、benign overfitting、in-context learningなどをキーワードにみなさんと議論したいと思います。また深層学習の科学応用を、説明モデリングから予測モデリングへの移行として、従来の統計学モデリングの文脈で整理したいと思います。

第1部:講演 瀧 雅人 氏
第2部:座談会 瀧 雅人 氏・松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏 / 質疑応答

■ 講師紹介
瀧 雅人 氏

立教大学 大学院人工知能科学研究科 准教授 / 理化学研究所 数理創造プログラム (iTHEMS) 客員研究員

深層学習が高い学習能力を発揮するメカニズムを明らかにし、より良い手法へ改善することを目指し、より説明性の高い深層学習アーキテクチャの開発や、敵対的事例など深層学習における未解明な部分の研究を行う。 深層学習を使った医療や神経科学などのサイエンスにおけるデータ分析、機械学習・深層学習を産業へ応用する社会実装に取り組む。
【略歴】2004年東京大学理学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。
2009年から2012年まで京都大学基礎物理学研究所博士研究員。その後、理化学研究所 基礎科学特別研究員、数理創造プログラム(iTHEMS)上級研究員を経て現職。

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

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主催

シンギュラリティサロン

共催

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シンギュラリティサロン#75「『理系を5割に』の衝撃。『文理融合の時代』は来るのか?」

本編:

アフターサロン

昨今のAIの発展は、私たちの社会に大きな影響を与えつつあります。近い将来、いわゆる「知的労働」を含む、人間の仕事の大部分がAIに取って代わられるという予測もあります。そのような社会変革を見据えて、これからの人間にはどのような能力が求められるのか、そのために、子どもや若者への教育、特にプログラミングを含む理系教育をどのように行うのか、一方で旧来の人文系の学問はどうあるべきか、という議論も活発になっています。

今回のシンギュラリティサロンでは、物理学の研究者であり、長らく大学での理系教育に携わってこられた水野義之さんを講師にお迎えし、これからの『文理融合の時代』について、議論したいと思います。

■開催日時と申込み

【日時】右参照

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 「いつもの雑談」とテーマ紹介

13:40 – 14:40 講演

■講演:「『理系を5割に』の衝撃。『文理融合の時代』は来るのか?」 水野義之 (関西外国語大学 外国語学部 教授 英語・デジタル
コミュニケーション学科長、京都女子大学名誉教授)

「シンギュラリティサロン」で当初から問題にされてきたことの一つは、この「技術化」が進む世界の中で、「日本」の「科学技術」は戦って行けるのかという問題だったと思います。その背景としては、様々な指摘が可能ですが、ここでは過去30年ほどの文教政策(特に大学政策)の推移を俯瞰的に把握することで、一定の流れが見えるという問題提起をしたいと思います。こういう把握ができますと、2022年5月に岸田首相が「教育未来創造会議」で提起した理系を5割にするという方針についても、よく理解できると思われます。一言で言うと、文系と理系のバランス点の最適化を、今後は見直そうということだと思います。そこでこの講演では「『理系を5割に』の衝撃。『文理融合の時代』は来るのか?」と題して、まず『理系を5割に』の背景理解から始め、文系・理系問題(≒高校教育と大学入試の問題)にも言及しつつ、今後の社会にありうる『文理融合の時代』への展望についても、考えてみたいと思います。

14:40 – 15:25 討論「AI時代に求められる『理系』『文理融合』とは?」

【登壇者】松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)、塚本 昌彦(神戸大学教授)、小林 秀章 (セーラー服おじさん)
【進行】保田充彦 (ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告など

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信しています。シンギュラリティサロンの「別版」として、より自由なテーマでよりコアな内容を、タイムリーにお届けしています。

【YouTube シンギュラリティサロン・オンライン】
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

■主催
シンギュラリティサロン

■共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#74「大規模言語モデルは言葉の意味を理解しているのか?」

本編:

アフターサロン

「ChatGPT」は、2022年11年に OpenAI がリリースしたテキスト生成 AI で、あたかも人間を相手にしているかのような自然な会話ができること で注目を集めました。膨大なパラメータ数からなる深層ニューラルネットワ ークに巨大なコーパス (文例集) をデータとして与え、膨大な計算を実行することで、この AI は自然言語を取り扱う能力を獲得しました。このような仕組みを「大規模言語モデル (Large Language Model; LLM)」といいます。

実際にLLMと会話してみると、「おっ、この相手は言葉の意味をちゃんと理解しておるな 」と思わされます。「木の葉が揺れているけど、なぜでしょう?」と聞 けば、「風が吹いているからでしょう」と答えてくれます。だけど、ほん とうのところはどうなのでしょう? われわれが頭で考えるのと同じように、LLM も言葉の意味を理解し、思考することによって答えをひねり出している のでしょうか?

正解は今のところ誰にもわかっていません。なぜ言葉の意味を理解したかのように振る舞えるのかは、AI 研究者たちの間でも意見が別れています。

今回は、シンギュラリティサロンのレギュラーメンバーの間でも意見がわかれているこの謎を取り上げ、「今わかっていること」をふまえながら議論します。

■開催日時と申込み

【日時】2023年8月27日(日)

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 「いつもの雑談」と今回のテーマの紹介

13:40 – 14:40 講演

■講演1:「LLMは言葉の意味を理解していない」 小林秀章 a.k.a. ”セーラー服おじさん”
今回の全体テーマは「大規模言語モデル (LLM) は言葉の意味を理解しているか」である。まず、この問い自体について、掘り下げて整理し、いったい何を問うているのか、本質を明確化したい。この問いは、「LLM は内部に「世界モデル」の機能を備えたか」と言い換えてもよかろう。
われわれ人間は、言語習得以前から、内部に世界モデルを備えているので、それに慣れすぎていて、学習前には世界モデルを備えていない LLM の身になって考えるには、反実仮想的な発想の転換が必要であることを注意喚起する。LLM に課せられたタスクは、人間にはとうていこなせるものではなく、想像が及びづらい。それを踏まえた上で、「LLM は言葉の意味を理解していないと考えるのが自然であろう」と主張する私の立場について説明したい。正解が判明していない以上、逆の立場を完全に否定することはできないが、理解しているとするのは、かなり特殊な主張のようにみえる。「開けた覚えもない扉が勝手に開いとるぞ」。AI はもはや囲いの中でおとなしくしてはいない、と言いたいのか?

■講演2:「LLMは言葉の意味を理解している」  松田 卓也(神戸大学 名誉教授)

普段からChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を頻繁に使っている身からの体験的な印象では、これらは極めて頭がよく、言葉の意味をよく理解していると考えざるを得ない。並の人間より圧倒的に優れている。しかしLLMが言葉の意味を理解しているかどうかに関しては、学会のコンセンサスは取れていない。なぜならLLMの基礎理論が分かっていないからだ。欧米の人工知能関係者の意見を見ると、ヒントン、ベンジオ、サスケバー、ウルフラム、チャーマーズのような大物は、理解している派である。ひとりヤン・ルカンのみが、大物としては理解していない派である。というわけで、真の専門家では理解している派が多いと感じる。理解していない派は、どちらかというと周辺部分の研究者と素人である。私はLLMの動きの理解には物理学の知識が必要であると感じる。単語の羅列である文章に意味が創発するのは、第二種の相転移である。これはカオスの縁とも呼ばれる現象と関連しており、生物の本質でもある。

■講演3:「LLMが言葉の意味を理解しているかは理解の定義による」 塚本 昌彦 (神戸大学大学院 工学研究科 教授)

「理解」とは何か。人間の理解に関しては、哲学、脳科学、 心理学、生理学、 教育学などの様々な分野で長年にわたり研究されており、 多岐にわたる現象と機能の解明がなされてきた。 この人間に対する「理解」をAIに適用する場合、 どの側面を捉えるかによってその有無に対する答えが変わる。 すなわち、否定派はより人間的、 肯定派はより機械的な側面を捉える。 その場合両者は異なる側面において否定及び肯定しているもので、 内容的に矛盾しないのに表層的に対立するという愚かな状況となり がちである。まずはAIに適用しうる「理解」 のさまざまな定義を列挙し、 次にそれぞれについて人間とAIを比較していくことこそ、 両者の「理解」の「理解」にとって有用なのではないか。

14:40 – 15:25 議論「大規模言語モデルは言葉の意味を理解しているのか?」

【登壇者】松田卓也、塚本 昌彦、小林 秀章 (セーラー服おじさん)
【進行】保田充彦 ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告など

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信しています。シンギュラリティサロンの「別版」として、より自由なテーマでよりコアな内容を、タイムリーにお届けしています。

【YouTube シンギュラリティサロン・オンライン】
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#73  「2023年上半期 AIニュース・ベスト5+α」

本編:

アフターサロン

今回は、恒例となりました「AIニュース・ベスト5+α」の2023年上半期版をお届けします!

AIの発展はますます加速し、メディアでもAIに関する話題が伝えられない日はありません。とりわけ最近は、ChatGPTに代表される「生成AI」が大きな注目を集め、テクノロジーの進歩だけでなく、私たちの社会に大きな影響を及ぼしつつあります。

そんなAIの加速度的な発展の中で、2023年上半期で特に重要だと思うAIニュースを選び、シンギュラリティサロン・コアメンバーの視点から解説を加えます。今年前半を振り返るシンギュラリティサロンをぜひご視聴ください。

 
■開催日時と申込み

【日時】
2023年7月23日(日) 13:30-15:30

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と「いつもの雑談」

13:40 – 15:25  2023年 上半期AIニュース ベスト5+α

【登壇者】松田卓也、塚本 昌彦、小林 秀章 (セーラー服おじさん)、保田充彦

15:25 –  15:30 まとめ・次回予告など

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

過去のイベントはこちらのウェブサイトに掲載しておりますので、ぜひ御覧ください。

【シンギュラリティサロン・ウェブサイト】

「シンギュラリティサロン」について

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信を開始しました。「シンギュラリティサロン・オンライン」では、シンギュラリティサロンの「オルターナティブ」な場として、より「コア」で「自由」なテーマ・内容をお届けしています。従来のイベント形式のほか、さまざまな話題をとりあげた短いクリップも配信しています。ぜひご覧ください。

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シンギュラリティサロン#72@SpringX  「生成AIは私たちの社会をどう変えるか? ~生成AIの近未来風景」

本編:
https://www.youtube.com/live/cUdcGrmXpWw

SpringXイベントページ:
https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202306/detail20230618.php

アフターサロン

「生成AI(ジェネレーティブAI)」が今、急速に発展していま す。ChatGPTに代表される対話型AIや、Midjourn ey・Stable Diffusionなどの画像生成AIなどの生成AIアプリケー ションが一般人でも使えるようになり、さまざまな分野でAIへの 「期待と脅威」が論じられながら、一部の領域ではこれまでのやり 方に実際に変化が現れ始めています。

今回のシンギュラリティサロンでは、昨今急速に拡大しつつある生 成AI技術とその可能性について、具体的な事例を交えて紹介し、 それぞれの分野の近未来の姿を予想します。そして、これまで議論 してきた「シンギュラリティへの道」の未来予測を、さらにアップ デートしてみたいと思います。

■開催日時と申込み

【日時】 2023年6月18日(日)

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://www.youtube.com/live/cUdcGrmXpWw

※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202306/detail20230618.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、上のリンクから誰でもご視聴いただけますが、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、本イベントのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けしますので、できればご登録をお願いします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、シンギュラリティサロン以外に、SpringX主催の講義・イベントのご案内をSpringX事務局からお届けします。こちらもこの機会にぜひご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

【開催日時】6月18日(日)13:30~15:30

【参加費】無料

【講師】松田 卓也 氏(神戸大学 名誉教授)
塚本 昌彦 氏(神戸大学大学院 工学研究科 教授)
小林 秀章 氏(「セーラー服おじさん」)
保田 充彦 氏(ナレッジキャピタル・リサーチャー/株式会社XOOMS代表 )

13:30 – 13:40 ご挨拶と雑談(全員)

13:40 – 14:40 第1部:講演

「LLM(大規模言語モデル)による科学研究の爆発的進歩の予感 」 松田卓也

「ChatGPTのモバイル・スマートグラスでの利用」 塚本昌彦

「生成 AI の根本原理とは? ~ 高次元ワールドは呪われているか?」 小林秀章

「画像生成AIと『クリエイティブ革命』」 保田充彦

14:40 – 15:25 第2部:ディスカッション
「生成AIは私たちの社会をどう変えるか?~生成AIからシンギ ュラリティへ」

 松田卓也 ・塚本昌彦 ・小林秀章 ・保田充彦

(座談会では視聴者からのご質問にもできるだけお答えしようと思います。質問・コメントはYouTubeLiveのチャット欄へお願いします)

15:25 – 15:30 まとめと次回予告

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#71「『ChatGPT社会』の到来〜これからの生成AIとのつきあい方」

本編
https://www.youtube.com/live/Y6bJQZkkUX8?feature=share

アフターサロン

今回のシンギュラリティサロンは、前回に引き続き、「ChatGPT/GPT-4」をはじめとする生成AIについて議論したいと思います。

今、急速に発展・普及している「対話型AI」。その代表であるChatGPT(GPT-4)にフォーカスし、対話型生成AI技術の発展の経緯と現在までの成果と「近未来に実現できそうなこと」について、シンギュラリティサロンのコアメンバーがそれぞれの視点で論じます。そして、生成AIがさらに発展した先にある、近未来の社会の姿を議論したいと思います。

■開催日時と申込み

【日時】2023/05/21 (日)
13:30 – 15:30 JST

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と「いつもの雑談」

13:40 – 14:40 講演(X3)

□ 講演1(30分) 「ChatGPTが開く新世界」松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

ChatGPTが2022年11月30日に発表され、 2023年3月にはChatGPTのエンジンがGPT- 4にバージョンアップされた。 これはシンギュラリティ革命の始まりを告げる事件である。 本講演ではまずChatGPTに至るAIの歴史、 現状のChatGPTやBing, BardなどのLLMの能力と有効な使い方を述べる。 使ってみての経験では、 これらの言語モデルは現状でもすでに並みの人間の知的能力を遥か に凌駕する一種の超知能であると感じる。つまりプレ・ シンギュラリティは突破した。 しかし一方では幻覚のような問題点もあり、 まだ完全なものとは言えない。 しかし最近のAIの爆発的な進歩を見ると、 これらの欠点は早晩改善されるであろう。 今後の大きな問題はAIが自律性を備えるか、 自己改良ができるかという点であろう。 自律性に関しては既にAutoGPTやBabyAGIのような試 みがある。自己改良ができると知能爆発が起きて、 真のシンギュラリティに突入する。 自己改良に関しては今後の問題であるが、 現状のLLMのコーディング能力を見るとあなどれない。 1年後の世界がどのようになるかすら全く予想できない時代に我々 は住んでいる。

□ 講演2(15分) 「ChatGPT vs メタバース・スマートグラス」塚本昌彦 (神戸大学大学院工学研究科 教授)

□ 講演3(15分) 「ChatGPT の背後にある高次元意味空間とは?」小林 秀章(セーラー服おじさん)

生成系 AI がうまく機能している要因のひとつとして、言葉や画像の意味を高次元のベクトルで表現している点が挙げられる。意味空間におい ては、意味の近い 2 つの文章や画像が空間上でもご近所に配置されている。
高次元である点がミソで、いろいろな部分空間、つまりは切り口へ投影すれば、近くなったり遠くなったりする。この部分空間が「観点」を表す。しかし一方、3 次元空間に暮らしているわれわれ人間にとって、高次元空間は感覚的に把握するのが困難である。高次元空間は、意 外なほどスカスカだ。そのスカスカ感を間接的にでも垣間見たい。

14:40 – 15:25 討論 「『ChatGPT社会』の到来 〜 私たちは生成AIとどうつきあうのか」

【登壇者】松田卓也、塚本 昌彦、小林 秀章 (セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信を開始しました。「シンギュラリティサロン・オンライン」では、シンギュラリティサロンの「オルターナティブ」な場として、より「コア」で「自由」なテーマ・内容をお届けしています。従来のイベント形式のほか、さまざまな話題をとりあげた短いクリップも配信しています。ぜひご覧ください。
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シンギュラリティサロン#70「GTP-4の衝撃 〜 生成AIは私たちに何をもたらすのか」

本編

https://www.youtube.com/live/hYAsaV3LqFw

アフターサロン

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回は、今、巷で話題の「GPT-4」について様々な角度から議論したいと思います。シンギュラリティサロンのコア・メンバーである、松田・塚本・小林(セーラー服おじさん)・保田それぞれが、GPT-4を中心に、昨今の生成AIやそれらの共通基盤である大規模言語モデルについて「気になる点」「注目すべきこと」を述べ、メンバー全員で多面的に議論する予定です。

文字通り「日々」進化するAIについて最新の話題や情報をふまえながら、この革新的な技術がこの先どう発展していくのか、そして、それらが私たちの社会にどんな影響をおよぼすのかを、みなさんとともに探っていきたいと思います。

■開催日時と申込み

【日時】右参照

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と「いつもの雑談」

13:40 – 14:20 ミニ講演(X4)

□ ミニ講演1 「GPT-4がもたらす産業革命」松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

□ ミニ講演2 「GPT-4がもたらす生活変革」塚本昌彦 (神戸大学大学院工学研究科 教授)

□ ミニ講演3 「GPT-4 の『笑』劇 ― API 呼び出しは超簡単! ―」小林 秀章(セーラー服おじさん)

□ ミニ講演4 「GPT-4と生成AIで変わる『クリエイティブ』」 保田 充彦(株式会社ズームス代表)

14:20 – 15:25 討論 「GPT-4の衝撃〜生成AIは私たちに何をもたらすのか」

【登壇者】松田卓也、塚本 昌彦、小林 秀章 (セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、グランフロント大阪・ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信を開始しました。「シンギュラリティサロン・オンライン」では、シンギュラリティサロンの「オルターナティブ」な場として、より「コア」で「自由」なテーマ・内容をお届けしています。従来のイベント形式のほか、さまざまな話題をとりあげた短いクリップも配信しています。ぜひご覧ください。
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シンギュラリティサロン#69 「ニセ科学問題を考える」

SpringX超学校オンライン
https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202303/detail20230312.php

YouTube
https://www.youtube.com/live/iGlUFRuV3ys

アフターサロン

今回のシンギュラリティサロンのテーマは「ニセ科学問題」です。

疑似科学、いわゆる「ニセ科学」は古くから存在しましたが、近年のインターネット・SNSの発展によって、誰もが大量の人に情報を届けられるようになったことで、より大きな問題となっています。さらに昨今のAIの進展は「本物のような偽情報」を作り出すことも可能にし、「ニセ科学問題」にあらたな問題を提起しています。

そのような状況の中、「ニセ科学問題」の第一人者である菊池誠氏を講師にお招きし、「ニセ科学とは何か?」、そして「AI時代の『ニセ科学問題』」について議論したいと思います。

第1部:講演 菊池 誠 氏
第2部:座談会 菊池 誠 氏・松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏 / 質疑応答

■開催日時と申込み

【日時】 2023/03/12 (日)13:30 – 15:30 JST

【方法】 YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://www.youtube.com/live/iGlUFRuV3ys

※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202303/detail20230312.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、上のリンクから誰でもご視聴いただけますが、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、本イベントのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けしますので、できればご登録をお願いします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、シンギュラリティサロン以外に、SpringX主催の講義・イベントのご案内をSpringX事務局からお届けします。こちらもこの機会にぜひご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 ご挨拶と雑談(全員)

13:40 – 14:40 講演 「ニセ科学問題を考える」 
   【講師】菊池 誠 氏 (大阪大学サイバーメディアセンター 教授)

ニセ科学とは「科学を装っているが、科学ではないもの」を大雑把に総称する言葉です。ニセ科学は身の回りに多くあり、それらとどのようにつきあっていくかは、一般市民にとっても科学者にとっても重要な問題でしょう。今回はニセ科学問題をどう考えていくかの一部なりとも議論してみます。

講師プロフィール
菊池 誠 氏
大阪大学サイバーメディアセンター 教授

東北大学大学院理学研究科物理学専攻修了(理学博士)。大阪大学理学部助手などを経て、現在は大阪大学サイバーメディアセンター教授。専門は統計物理学・生物物理学・計算物理学。著書に『科学と神秘のあいだ』『いちから聞きたい放射線のほんとう』(共著)

14:40 – 15:25 座談会 「AIは『ニセ科学問題』にとってプラスかマイナスか?(仮)」

【登壇者】菊地 誠氏、松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本昌彦氏(神戸大学教授)・小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会では視聴者からのご質問にもできるだけお答えしようと思います。質問・コメントはYouTubeLiveのチャット欄へお願いします)

15:25 – 15:30 まとめと次回予告

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

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株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

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■「超学校ONLINE」とは■

科学、芸術、文化、ビジネスなど、 さまざまな分野の第一線で活躍するスペシャリストから「 本物の知」を学び、ともに考え、対話するプログラムで、 これから何か行動を起こしていきたいと考えるすべての世代の方に 向けて、感性を磨く学びをご提供します。

「超学校ONLINE」 は実践的な学びとスタートアップ支援のための施設「Spring X」のプログラムです。受講の際は「SpringX」 のメンバー登録が必要です。ぜひご登録ください。

↓↓↓■「SpringX」メンバー登録(無料)募集中!■↓↓ ↓

URL: https://kc-i.jp/springxform

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「SpringX」について

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2020年6月29日、 実践的な学びとスタートアップサポートの場「SpringX( スプリングエックス)」 がナレッジキャピタルの新施設としてオープンしました。

「SpringX」は、開業7周年を迎えたナレッジキャピタルが 開設した新施設であり、「超学校」や「対流ポット」など、 未就学児童から大人まで幅広い年齢の方が「 社会を動かす新たなアイデア」を生み出す力を養うことができる、 さまざまなプログラムを実施いたします。

プログラム開催時以外は、カフェ&バーとしてご利用いただけます 。

SpringXをご利用いただくには、メンバー登録(無料)が必要となります。

ぜひご登録ください。

▼メンバー登録(無料)はこちら▼

https://kc-i.jp/springxform

▼「SpringX」の詳細はこちら▼

https://kc-i.jp/facilities/springx/

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シンギュラリティサロン#68「AIは人類社会に革命をおこすのか 〜 OpenAI CEO サム・アルトマン氏の未来予測について考える」

本編

アフターサロン

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回は、昨年9月、”The Intelligent Future”でおこなわれた、OpenAI CEO、サム・アルトマン氏へのインタビュー(*1)をとりあげ、アルトマン氏が語っているAIの未来予測について議論します。DALL-E2やGPT-3/ChatGPTなど、世界に衝撃を与え続けてきたOpenAIのトップは、近未来のAIの発展をどう見ているのでしょうか。それは私たちの社会にどんな影響をおよぼすのでしょうか。

ゲストに水野義之氏をお迎えし、シンギュラリティサロンのコアメンバーと、これからのAI社会について考えます。

(*1) “OpenAI CEO Sam Altman | AI for the Next Era” https://youtu.be/WHoWGNQRXb0

■開催日時と申込み

【日時】右参照

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 冒頭挨拶と「いつもの雑談」

13:35 – 14:35 講演

□ 講演1 「5年後、知能のコストがほぼゼロに― Sam Altman 氏 (OpenAI CEO) の予想について ―」小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

37歳の若さで OpenAI の CEO を務める Sam Altman 氏は、大規模自然言語モデルを活用して医療サービスや教育サービスを展開するスタートアップが、今後、百兆円規模にまで急成長すると予想している。つまり、AI の手法を研究開発して API 提供するプレイヤーと、それを呼び出す上位の プログラムを書いてビジネスに活用するプレイヤーとがタッグを組むことで 知能のコストがほぼゼロになり、産業・ビジネスのあり方に劇的な変化を もたらし、社会や生活にも影響を及ぼす可能性がある。

※参考動画:
– シンギュラリティサロン「OpenAI CEO Sam Altman氏のインタビュー動画について」
– “OpenAI CEO Sam Altman | AI for the Next Era”

□ 講演2 「AIは人類社会に革命を起こすと思うが故に〜「人間知能」とは何だろうか」
      水野義之氏 (関西外国語大学 外国語学部 教授、京都女子大学名誉教授)

「人工知能」(AI) について考える時、そもそも「人間知能」とは何だったのか、という問いを考えざるを得ない。「AIは人類社会に革命を起こす」と私も思うが、これは「人間知能」の謎がますます深まることを意味する。Google/DeepMind社のデミス・ハサビス氏は講演 “Human AI is Decades Away,But We Need to Start the Debate Now”(2015年)の中で 、AI研究の究極の目的の、さらに先、についても言及している。彼は「宇宙で最も深淵な謎」と題したスライドの中で、こう述べる:”By building AI and comparing it to the mind we may unlock its mysteries. To truly find the Theory of Everything we may have to Solve Intelligence first.” そこでこの講演では、「人間知能」の謎を前提に、文系的なヒューマニズム(人間中心主義)を横目で見ながら、「AIは人類社会に革命を起こすと思うが故に」、「人間知能」とは何かという古典的な問題について、再考を試みたい。

水野義之氏プロフィール
1953年 岐阜県生まれ
1977年 京都大学理学部物理系学科卒業
1982年 東北大学大学院理学研究科博士課程修了
1982-1990年 海外ポスドク4か所7年半(主な職歴は以下の通り)
 1982-1984:フランス、サックレー原子力研究所、基礎科 学研究所、
 1984-1986:西ドイツ、ハイデルベルグ、マックスプラン ク原子核研究所、
 1986-1989:西ドイツ、ハイデルベルグ大学、物理学研究 所
1990年 大阪大学核物理研究センター助教授
1999年 京都女子大学教授(2000年より現代社会学部教授)
2019年 京都女子大学名誉教授
2021年 関西外国語大学客員教授
2022年 関西外国語大学外国語学部教授
2023年度より関西外国語大学「英語・デジタルコミュニケーシ ョン学科」学科長(就任予定)

専門は物理学(核物理学、素粒子物理学、放射線計測学など)
ならびに情報学(情報教育、社会情報学など)。

□ 講演3 「我々はAI神の出現をみつつあるのか?」 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)

ChatGPTをはじめとする巨大言語モデルの進歩は爆発的である。ChatGPTに対しては批判も多いが、その頭の回転の速さと知識量において、現在でもいかなる人間をも超えている。ほとんど半分、神のごとき存在、つまり半神である。これが真のAI神に成長するかは、今後の展開を待たねばならない。良くも悪くも社会に巨大な変化をもたらすであろう。

14:35 – 15:25 討論 「AIは人類社会に革命をおこすのか 〜 OpenAI CEO サム・アルトマン氏の未来予測について考える」

【登壇者】松田卓也氏、水野義之氏、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)、小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を行っています。

また、シンギュラリティサロン独自のYouTubeチャンネル「シンギュラリティサロン・オンライン」でも配信を開始しました。「シンギュラリティサロン・オンライン」では、これまでのシンギュラリティサロンの方向性を踏襲しつつ、さらに「コア」で「自由」なテーマ・内容でお届けしています。従来のイベント形式のほか、様々な話題を短いクリップでも配信しています。ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/@user-cf7md9zf9s/

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#67「2022年下半期AIニュース・ベスト5(+α)」

本編

アフターサロン

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回は、今年7月に行いました「2022年上半期AIニュース・ベスト5(+α)!」に引き続き、2022年下半期のAIニュースを選りすぐってお届けします。

「+α」と加えたのは、最近のAI技術の動向を見るに、どうも「5大ニュース」では収まらない予感がするため。上半期も活気と熱気に溢れていますが、下半期はさらにヒートアップ。まさに「収穫加速の法則」を体感する日々です。

特別ゲストに、意識のアップロードなどの研究に取り組んでいる渡邉正峰(わたなべまさたか)東京大学工学研究科准教授をお迎えし、ホットでディープな、最新情報満載のシンギュラリティサロンになると思いますので、ぜひライブでご参加ください!

■開催日時と申込み

【日時】2022年12月25日(日)

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 冒頭挨拶と「雑談」

13:35 – 15:25 2022年下半期AIニュース・ベスト5(+α)

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【特別ゲスト】渡邉 正峰(わたなべ まさたか)(東京大学大学院工学系研究科 准教授、独 Max Planck Institute for Biological Cybernetics グループリーダー、株式会社 MinD in a Device 共同創業者 技術顧問)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(ZOOM)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲し、「SpringX超学校ONLINE」よりも、高度で「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#66「2045年問題」再考 〜AIは人類を超えるのか?〜

SpringX超学校オンライン
https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202212/detail20221210.php

YouTube

予告編

シンギュラリティサロン主宰・松田卓也神戸大学名教授の「2045年問題」が発刊されたのは2012年の末。松田氏はこの本で、当時、一般にはほとんど知られていなかった「シンギュラリティ」という言葉に光をあて、コンピュータ(AI)の知能が全人類の知能を上回るという大胆な未来予測を世に問いました。

それから10年が経ち、「シンギュラリティ」は単なる「絵空事」や「SF」から、現実的な未来予測へと変わりつつあります。特にここ数年(今年?)のAI技術の進歩はすさまじく、日々、新しい技術が発表され、「AIにできること」は加速度的に増加し、「人間にしかできないこと」が加速度的に減少しているように見えます。

今回のシンギュラリティサロンは、「シンギュラリティ」の啓蒙書とも言える松田氏の「2045年問題」を、現時点の知見をもとに再考し、これから人類が進むべき「シンギュラリティへの道」についての未来予測をアップデートします。

■開催日時と申込み

【日時】 2022年12月10日(土) 13:30-15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/c5ve_Uuh_wY

※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202212/detail20221210.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、上のリンクから誰でもご視聴いただけますが、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、本イベントのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けしますので、できればご登録をお願いします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、シンギュラリティサロン以外に、SpringX主催の講義・イベントのご案内をSpringX事務局からお届けします。こちらもこの機会にぜひご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 主旨と概要(全員)

13:40 – 14:10 講演1 「『2045年問題』の功罪」 塚本 昌彦 (神戸大学教授、シンギュラリティサロン副主宰)

10年前に出版された『2045年問題』は、当時国内ではまだあまり知られていなかった「シンギュラリティ」の概念を一気に広めた。発刊からちょうど10年たった今、この本を改めて読み返し、内容の妥当性と功罪について論じる。

14:10 – 14:40 講演2 「『2045年問題』を振り返る」 松田 卓也 氏(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

私が「2045年問題」 を執筆した当時はシンギュラリティはまだ夢物語、 SFみたいなものであった。 だからいろんな想像を逞しくすることができた。 しかしあれから10年、2022年になり、 巨大言語モデルと画像生成AIという人工知能が爆発的進歩を遂げ ている。 指数関数的に技術が進歩するというシンギュラリティの定義に鑑み れば、 今はまさにシンギュラリティ時代の幕開けであるということもでき る。今後、世界がどのように変貌していくかを妄想したい。

14:40 – 15:25 座談会 「『2045年問題』をアップデートする:人類が進むべき「シンギュラリティへの道」はどうなるのか?」

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本昌彦氏(神戸大学教授)・小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会では視聴者からのご質問にもできるだけお答えしようと思います。質問・コメントはYouTubeLiveのチャット欄へお願いします)

15:25 – 15:30 まとめと次回予告

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#65「マルチモーダルな予測に基づく発達的な統合認知システムに向けて ~世界モデルから記号創発システムまで~」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、立命館大学情報理工学部情報理工学科教授の谷口忠大氏をお迎えし、谷口さんが研究されてきた「マルチモーダルな発達的な統合認知システム」と、自律的で発達的な知能を生み出す研究についてお話いただきます。

■開催日時と申込み

【日時】 2022年11月12日(土) 13:30 – 15:30

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「マルチモーダルな予測に基づく発達的な統合認知システムに向けて ~世界モデルから記号創発システムまで~」 

【概要】
人間は予測を通して世界をモデル化し、予測を通して行動を生み出す。近年、人工知能分野において深層生成モデルに基づく世界モデルが注目されているが、それは講演者らが記号創発ロボティクスの研究で行ってきた確率的生成モデルに基づくマルチモーダルな認知システム構築とある意味で連続的な側面がある。本講演ではこの考え方に基づきつつ、発達的な統合認知システムを生み出していくためのアプローチに関して紹介する。これには自由エネルギー原理や予測符号化といった概念が関係する。加えてその延長線上に社会における記号系の創発を議論する、記号創発システムの考え方に関して紹介する。具体的に講演者らが近年提案しているメトロポリスヘイスティングス名付けゲームに基づく記号創発の集合的予測符号化としての解釈に関して紹介する。さらに講演者が出版した「僕とアリスの夏物語 人工知能のその先へ」(2022/1)の内容について触れ、自律的で発達的な知能を生み出す研究における論点などを紹介する。

【講師】谷口 忠大(たにぐち ただひろ)氏 
 立命館大学情報理工学部情報理工学科 教授

プロフィール
1978年6月24日京都生まれ。1997年私立ヴィアトール学園洛星高等学校卒業。2006年京都大学工学研究科博士課程修了。博士(工学・京都大学)。2005年より日本学術振興会特別研究員(DC2)、2006年より同(PD)。2008年より立命館大学情報理工学部助教、2010年より同准教授。2015年より2016年までImperial College London客員准教授。2017年より立命館大学情報理工学部教授、また、パナソニック客員総括主幹技師としてAI研究開発に携わる(国内初の大学から企業へのクロスアポイントメント事例)。専門は人工知能、創発システム、認知発達ロボティクス、コミュニケーション場のメカニズムデザイン。記号創発システムという概念を提唱し、また記号創発ロボティクスと呼ばれるAIやロボットを作ることにより人間のコミュニケーションの本質的理解につなげる研究領域を創成している。様々なプロジェクトや産学連携を通して機械学習技術の応用に関する研究に従事。また全国に広まる書評を通じたコミュニケーションの場作り手法であるビブリオバトルの考案者でもある。
計測自動制御学会学術奨励賞、システム制御情報学会学会賞奨励賞、論文賞、砂原賞など受賞。

主著に「心を知るための人工知能:認知科学としての記号創発ロボティクス」共立出版、「賀茂川コミュニケーション塾」世界思想社、「僕とアリスの夏物語人工知能のその先へ」岩波書店、「コミュニケーションするロボットは創れるか」NTT出版、「ビブリオバトル」文藝春秋、「記号創発ロボティクス」講談社、「イラストで学ぶ人工知能概論」講談社など。一般社団法人ビブリオバトル協会代表理事。計測自動制御学会,日本認知科学会,日本人工知能学会,IEEEなどの会員。

14:40 – 15:25 座談会 「『人工知能のその先』に到達するには(仮題)」

【登壇者】谷口 忠大 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(ZOOM)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲し、「SpringX超学校ONLINE」よりも、高度で「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン

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株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#64「意識の謎: 量子脳仮説はありえるのか?」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

 2022年6月24日(金)、鎌倉の和室にて、スチュワート・ハメロフ氏 (アリゾナ大学教授) が意識の謎をテーマに講演し、細胞内小器官のひとつである「微小管 (microtubule)」内で起きる量子現象が意識を生み出すとする「量子脳仮説」について解説しました。渡辺 正峰氏 (東京大学 准教授) と小林 秀章 (セーラー服おじさん) も聴講、3 時間の講演後、2 時間の質疑応答の時間にハメロフ氏と渡辺氏の間で熱い議論が交わされました。

後日、その内容をシンギュラティサロン・オンラインで報告したところ、松田 卓也氏 (神戸大学 名誉教授) は、ハメロフ氏の量子脳仮説に対して強い不支持を表明しました。

そこで、今回のシンギュラリティサロンでは、ハメロフ氏の講演を聴講した渡辺 正峰氏と「セーラー服おじさん」こと小林秀章氏に、ハメロフ氏の講演を振り返ってもらい、この仮説をどうみるべきかについて、シンギュラリティサロンのメンバーを交えて議論します。

■開催日時と申込み

【日時】 2022年10月23日(日) 13:30-15:30

【方法】YouTubeLiveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:10 「ハメロフの量子脳仮説とは何か」 小林秀章(セーラー服おじさん)
  (1) ハメロフ氏の来日講演の内容紹介 ― マイクロチューブル説
(2) 小林はどう受け止めたか
(3) 松田火山、大噴火 !

14:10 – 14:50 講演 「意識の謎と量子脳仮説(仮題)」 

【講師】渡辺 正峰(わたなべ まさたか)氏 
 東京大学大学院工学系研究科 准教授
 独 Max Planck Institute for Biological Cybernetics グループリーダー
 株)MinD in a Device 共同創業者 技術顧問

プロフィール
’93年東京大学工学部卒業、’98年東京大学大学院工学系研究 科博士課程修了。’99年博士研究員、’00年助手、’ 02年助教授、その間の米カリフォルニア工科大学留学などを経て 、現在は東京大学大学院准教授および独マックスプランク研究所客 員研究員。専門は脳科学で、特に意識に関し理論研究から実験的研 究まで幅広く従事。2017年に著書「脳の意識機械の意識」を中央公論新社より刊行。10年以上に渡る研究成果 をもとに意識のアップロード構想を実現するべく、MinD in aDevice社技術顧問に就任。

シンギュラリティサロンでは、「シンギュラリティサロン#30(2018年7月21日、他)」「シンギュラリティサロン #33「意識をめぐる大冒険」(2019年3月10日)」「シンギュラリティサロン#46・意識を科学のまな板にのせる(2021年2月28日)」に登壇。

14:50 – 15:25 座談会 「意識の謎: 量子脳仮説はありえるのか?」

【登壇者】渡辺 正峰 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25 – 15:30 まとめ・次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(ZOOM)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲し、「SpringX超学校ONLINE」よりも、高度で「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#63「体の外で培養した神経細胞や脳オルガノイドに機能を持たせることは可能なのか?」

アフターサロン(前編)

アフターサロン(後編)

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、東京大学 生産技術研究所/Beyond AI研究推進機構の池内 与志穂さんをお招きし、昨今話題になっている「脳オルガノイド」に関連する先進的な研究についてお話いただきます。

■開催日時

2022年9月11日(日)
13:30 – 15:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭雑談と講師紹介

13:40 – 14:40頃 講演 「体の外で培養した神経細胞や脳オルガノイドに機能を持たせることは可能なのか?」

【講師】池内 与志穂 (いけうち よしほ)氏 
    東京大学 生産技術研究所、東京大学 Beyond AI研究推進機構 准教授

プロフィール
東京大学生産技術研究所 准教授。2007年に東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻にて博士号を取得後、アメリカに渡りハーバード大学医学部とワシントン大学(セントルイス)医学部で神経の発生や疾患を司る分子機構を研究した。2014年から現所属にて研究室を主催し、神経や脳ができる仕組みを調べ、体の外で脳のパーツを作って組み立てる研究を行っている。

関連リンク:

・研究室ウェブサイト: http://www.bmce.iis.u-tokyo.ac.jp/

【講演概要】

神経細胞が集まって脳が成り立ち、機能するのであれば、人工的に神経細胞を適切に配置した回路を作ることができれば脳のように機能させることができるはずである。しかし、神経細胞を培養できるようになってから数十年経つが、機能する神経回路の作製は困難である。一方で近年、幹細胞研究の発展などにより、ヒトの神経細胞を培養し、脳オルガノイドと呼ばれる脳の発生を真似した三次元組織を作ることができるようになり、複雑な神経回路を構築するためのさまざまな方法が開発されている。また、数理・理論解析などにより、神経回路や神経活動パターンの解析手法が飛躍的に発展している。技術的な発展によって培養神経細胞に機能を持たせることが現実的になりつつある現状と、今後の課題について議論する。

14:40頃 – 15:30 座談会

【登壇者 池内 与志穂 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

シンギュラリティサロン特別企画「松田語録:夏休みQ&Aコーナー・2022年版」

昨年たいへん好評だった「シンギュラリティサロン特別企画『夏休みQ&Aコーナー』」、今年も開催します!

宇宙物理学者の松田卓也先生が、 皆さんからいただいた質問 〜宇宙の謎、生命の謎、時間の謎から社会、 生活のことまでさまざまな疑問〜 から、 松田先生が「選択」して答えます。

質問によっては、塚本教授(ITのこと)、セーラー服おじさん( 意識のこと)が答えるかもしれません。

今回の質問は、本企画の予告編動画(下)にコメントとして皆さんからいただいたものをベ ースにしたいと思います。

「松田語録:夏休み質問コーナー質問募集します!」 https://youtu.be/Mp02fRgUybg

夏休みのひと時、 普段は考えないような、様々ななことを一緒に考えて過ごせたいと思いますので、ぜひライブでご視聴ください!

#開催時間は最大2時間で、 答えられる質問がなくなり次第終了します。

■開催日時と申込み

【日時】右欄をご覧ください

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。
 配信時のご意見・ご質問は、YouTubeLiveのチャット欄へお願いします。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 冒頭挨拶(雑談)

13:35 – 15:25ごろ 夏休みQ&Aコーナー

【回答者】 松田 卓也(神戸大学名誉教授)・塚本 昌彦(神戸大学大学院教授)・小林 秀章(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

 質問はこちらの動画にコメントでお寄せください。おもしろい質問・ユニークな質問、お待ちしております!

 「松田語録:夏休み質問コーナー質問募集します!」 https://youtu.be/Mp02fRgUybg

参考:2021年の「夏休み質問コーナー」

松田語録:夏休み質問コーナー①宇宙人はいるのか?~独自の「 新説」披露 (2021.8.8公開)
https://www.youtube.com/watch? v=SHP7faDGwSc

松田語録:夏休み質問コーナー①宇宙人はいるのか?おまけ編 (2021.8.9公開)
https://www.youtube.com/watch? v=z9c80nNtgik

松田語録:夏休み質問コーナー②夏休みにおすすめの映画・ ドラマは?(その1)NUMBERS(アメリカドラマ)(②ー1 )(2021.8.10公開)
https://www.youtube.com/watch? v=rRKeey8yPbw

15:25- 15:30(ごろ) まとめと次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンの方向性を踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#62「予測符号化原理に基づく実ロボットの知能化と事例」

https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202207/detail20220713.php

開催日時
2022年7月30日(土) 13:30〜15:30

開催形式
YouTube Liveによるオンライン開催

参加費
無料

申し込み
不要

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

一般に機械学習はデータから「最適」な性能を持つモデル を作成することを最終目的とする。しかし実世界で活動する実ロボットにおいて、最適なモデルは定義不可能である。ここで、予測符号化の原理では、モデルの予測誤差を最小化するために、モデルの学習だけでなく、知覚と運動を実時間で適応させる方法論をとり、身体の存在が極めて重要となる。

本講義では、我々がScience Robotics (2022) 等で提案している「深層予測学習」の枠組みについて紹介する。この枠組みでは、実ロボット内の予測モデルが、過去の感覚と運動の経験をアトラクターとして内包し、外部の感覚と運動を「引き込む」ことで予測誤差を最小化する枠組みである。この深層予測学習を用いたロボット研究の成果と、複数企業との共同研究事例を紹介する。

講師

尾形 哲也 氏

早稲田大学理工学術院 基幹理工学部 教授

1993年早稲田大学理工学部卒業。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員、京都大学大学院情報学研究科講師、同准教授を経て、2012年より早稲田大学基幹理工学部表現工学科教授。博士(工学)。2009年-2015年JSTさきがけ領域研究員、2017年より産業技術総合研究所人工知能研究センター特定フェロー。同年より日本ディープラーニング協会理事。2020年より早稲田大学次世代ロボット研究機構AIロボット研究所所長。IEEE ICRA2021 Best Paper Award In Cognitive Scienceなど受賞。

シンギュラリティサロン#61「2022年上半期AIニュース・ベスト5(+α)!」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

GPT-3, DALL-E, Flamingo, GATO, Imagen, LaMDA … など、画期的なAI技術が最近次々と発表されています。そのペースはますます加速し、まさにカーツワイルの言う「収穫加速の法則」を体感するような毎日です。

そんな中、シンギュラリティサロンでは今年上半期に話題となったAI技術やAI周辺の出来事を、「2022年度上半期AIニュース・ベスト5(+α)」と題してお届けします。「+α」と加えたのは、最近のAI技術の動向を見ると、どうも「5大ニュース」では収まらない予感がするため。それほどAI開発の最前線は活気と熱気にあふれています。

他では聴けない、ホットでディープな情報満載のシンギュラリティサロンになると思いますので、ぜひライブでご参加ください!

■開催日時と申込み

【日時】 2022年7月9日(土) 13:30-15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。
 配信時のご意見・ご質問は、YouTubeLiveのチャット欄へお願いします。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 冒頭挨拶(雑談)

13:35 – 15:25 2022年度AIニュース・ベスト5(+α)

【選定者・コメンテーター】 松田 卓也(神戸大学名誉教授)・塚本 昌彦(神戸大学大学院教授)・小林 秀章(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25- 15:30 まとめと次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンの方向性を踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#60「意識と創造力」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンのテーマは「意識と創造力」。講師には、物理学から脳科学へと研究のテリトリーを広げ、両者の知見をもとに人間の「創造力」について長年研究されてきた、武田 暁 氏をお迎えします。武田さんは今年なんと98歳!生誕一世紀を間近にして、ますます冴え渡る脳細胞(神経?)から生み出される、深く斬新な知見をお届けできればと思います。

■開催日時と申込み

【日時】2022年6月4日(土) 13:30-15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/QhH3obqk7lA

※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202206/detail20220604.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、上のリンクから誰でもご視聴いただけますが、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、本イベントのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けしますので、できればご登録をお願いします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、シンギュラリティサロン以外に、SpringX主催の講義・イベントのご案内をSpringX事務局からお届けします。こちらもこの機会にぜひご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 13:40 講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「意識と創造力」

【講師】
武田 暁 氏  東京大学・東北大学名誉教授
1924年東京生まれ。専門は理論物理学(素粒子論)。1946年東京帝国大学理学部物理学科卒業。1950年同大学院中退。神戸大学助教授、東京大学原子核研究所教授・同所長、東北大学理学部教授・同理学部長などを歴任。現在、東京大学・東北大学名誉教授。主な著書に、「素粒子と物理学」、「場の理論」、「物理科学への招待」、「形の科学」、「脳と物理学」(裳華房)、「脳と力学系」(講談社)、「脳は物理学をいかに創るのか」(岩波書店)、「脳はいかにして数学を生みだすのか」(丸善出版)など。

【講演概要】
誰でも意識という言葉を気軽に使っていますが、意識とは何かと問われると答えるのは困難です。意識状態を覚醒、気づき、注意、自意識の4段階に分けて、それぞれの状態を脳の異なる活性化の様子に対応させて論じます。

また抽象的な思考が創造力の源と思われますが、新たなことを創造する際の脳の働きについても論じます。脳は極めて複雑な組織ですが、誰でも自分の脳の働きを感じることができるので、脳の働きを理解することは人生の楽しみと考えます。

14:40 – 15:30 座談会 「『意識と創造力・脳と物理学』(仮題)」

【登壇者】武田 暁 氏
 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#59「GW特別企画・連休最後の一日を未来を妄想して過ごそう!」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、GW特別企画。シンギュラリティサロンおなじみのメンバー、松田・塚本・小林の3名が、それぞれの視点からシンギュラリティへの「妄想」を語りながら、来たるべき未来社会の姿を予測します。

■開催日時と申込み

【日時】2022年5月8日(日)13:30-15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶(雑談)

13:40 – 14:40 ミニ講演(3人の妄想)

  「汎用人工知能とシンギュラリティの夢」 松田卓也(シンギュラリティサロン主宰、神戸大学 名誉教授)

  「サイボーグとアップロードの夢」 塚本昌彦 (神戸大学大学院工学研究科 教授)

  「意識解明の夢」 小林秀章(セーラー服おじさん) 

14:40 – 15:25 座談会 「妄想から未来予測へ:私たちはシンギュラリティへの準備ができているのか」

【登壇者】 松田 卓也・塚本 昌彦・小林 秀章

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

15:25- 15:30 まとめと次回予告

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンの方向性を踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#58「我々の意識やクオリアはどこから来るのか? 統合情報理論の先、クオリア構造プロジェクト」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、オーストラリア・モナシュ大学の土谷尚嗣さんをお招きし、「意識とクオリア」の謎を解明する、先進的な研究プロジェクトについてお話いただきます。

■開催日時と申込み

【日時】 2022年4月2日(土) 13:30-15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:00 – 13:10 冒頭挨拶と講師紹介

13:10 – 14:10 講演 「我々の意識やクオリアはどこから来るのか? 統合情報理論の先、クオリア構造プロジェクト」

【講師】土谷 尚嗣 (つちや なおつぐ)氏 
    豪・モナシュ大学 School of Psychological Sciences教授、株式会社国際電気通信基礎技術研究所 客員研究員

プロフィール
2006年カリフォルニア工科大学(Caltech)で博士号を取得、Caltechでポスドク研修を受けた後、科学技術振興機構(JST)からPRESTO助成金を受け、2010年に日本に帰国。2012年1月 、モナッシュ大学の心理学部・准教授に就任。 2013年からARCフューチャーフェロー。 研究対象は、意識の神経基盤を解明すること。 具体的には、1)無意識による処理の範囲と限界、2)注意と意識の関係、3)動物・人間の多チャンネル神経記録の分析による意識と相関する神経活動、4)意識の実験理論、特に意識の統合情報理論。

著書:「クオリアはどこからくるのか?: 統合情報理論のその先へ (岩波科学ライブラリー 308)」

関連リンク:

・研究室ホームページ: https://sites.google.com/monash.edu/tlab/home
・研究室 Twitter: https://twitter.com/conscious_tlab
・個人Twitter: https://twitter.com/NaoTsuchiya
・Youtubeチャンネル “Neural basis of consciousness” :https://www.youtube.com/ channel/UCvRuQWqbKbHJFCC4xabOI4g

Profile (from ‘https://researchmap.jp/usotech’)

Dr Tsuchiya was awarded a PhD at California Institute of Technology (Caltech) in 2006 and underwent postdoctoral training at Caltech until 2010. Receiving a PRESTO grant from Japan Science and Technology (JST) agency, Dr Tsuchiya returned to Japan in 2010. In Jan 2012, he joined the School of Psychological Sciences at Monash University as an Associate Professor. Since 2013, he is an ARC Future Fellow. His main research interest is to uncover the neuronal basis of consciousness. Specifically, he focuses on 1) the scope and limit of non-conscious processing, 2) the relationship between attention and consciousness, and 3) the neuronal correlates of consciousness by analysing the multi-channel neuronal recording obtained in animals and humans and 4) testing a theory of consciousness, in particular, integrated information theory of consciousness.

【講演概要】
主観的意識(=クオリア)が脳からどのように生じるかという問いは、現代科学に残された大きな謎である。本講演では、まず、大まかな意識の定義と、過去の哲学的な枠組みと、現代の脳科学をベースにした意識研究の流れについて論じる。

その中で、「意識そのもの」が、言語に尽くしがたく定義も難しいため、従来の意識研究では、何らかの視覚刺激に対する経験を「見えた・見えない」といったの二値的な判断に還元し、その神経相関を探す手法が取られてきたことを指摘する。

その上で、従来手法では難しいと考えられてきた、ある瞬間の視覚意識クオリアの特徴づけの問題に対して、そのクオリアと様々なクオリアとの関係性を大規模に特徴づけるという新しいパラダイムを提案する。

このパラダイムは、数学の圏論(特に米田の補題と呼ばれる定理)に裏付けられたものであることを紹介し、またこの考えがどのように我々の実生活におけるクオリアや、他の分野での研究活動(言語学における言葉の意味など)に関連するかを概観する。

最後に、この新しいパラダイムに基づいた視覚意識実験と、脳活動計測・薬理不可操作を組み合わせ、さらに脳活動の情報構造解析(統合情報理論など)を持ち込むことで、視覚クオリアと脳の情報構造の関係性を明らかにすることを目指す、科研費学術変革領域B「クオリア構造」における研究内容を紹介する。

時間があればアフターサロンでは、人間の発達過程でどのように意識が変化していくのか、進化の過程でどのように意識は変化してきたのか、人工知能に意識は宿るか、仏教における空の概念と現代的な意識の考えはどのようにつながるか、死をどのように捉えるか、などの様々な問いについて議論し、新しい科学の潮流をみなさんと共有したい。

14:10 – 15:00 座談会 

【登壇者 土谷 尚嗣 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンの方向性を踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#57「意識・時間・AIの哲学と物理学者」

https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202203/detail20220312.php

開催日
2022年3月12日(土)

開催時間
13:30〜15:30

開催形式
YouTube Liveによるオンライン開催

参加費
無料
申し込み
不要
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

人間の意識は物理的・化学的現象にすぎないのか?それとも別の何かなのか?機械が人間のような意識を持つことは可能か?と思い悩むことは、哲学者も物理学者もそうでない人も昔からあったでしょう。近年、AIの発展に伴って、「意識とは何ぞや」という問いを科学の問題として論じてもよさそうな雰囲気が漂ってきました。この問題に切り込む勇気ある物理学者もいますが、ときには懐疑の目で見られています。今回のサロンでは、科学の領域から踏み出しているかも?と見られる物理学者たちの意識論や時間論を比較検討してみましょう。

第1部:講演 谷村 省吾 氏
第2部:座談会 谷村 省吾 氏+松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏 / 質疑応答

シンギュラリティサロン#56「いよいよやってくるスマートグラス革命~超人類時代の幕開け~」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンの登壇者は、我が塚本昌彦教授。「ウェアラブルの伝道師」という異名を持つ塚本氏が、ウァラブル界隈の国内外の最新情報をアップデート。昨今、魅力的なウェアラブル機器が次々と発表され、アップルなど大手の参入も噂される状況は、「スマートグラス革命」の幕開けを感じさせます。ウァラブル機器の発展はシンギュラリティへの道をさらに加速するのか。「人類サイボーグ化計画」を目指す塚本氏の、リアルでユニークな未来予測をお届けします。

■開催日時と申込み

【日時】2022/02/19 (土)
13:30 – 15:30 JST

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:45 冒頭挨拶と講師紹介

13:35 – 14:35 講演 「いよいよやってくるスマートグラス革命~超人類時代の幕開け~」

【講師】塚本昌彦(つかもとまさひこ)氏 
神戸大学大学院工学研究科教授、シンギュラリティサロン副代表

プロフィール
工学博士。シンギュラリティサロン副代表。1989 京大・工・修士了、シャープ入社、1995 阪大・工・情報システム講師、1996 同助教授、2004より現職 NPOウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長、NPO日本ウェアラブルデバイスユーザー会会長。
ヒューマンインタフェースの研究を進める一方、「ウェアラブルの伝道師」として、全国各地のイベント・メディアで、ウェアラブルデバイスの普及活動を精力的に続けている。

【講演概要】
昨年あたりから米中のIT大手を中心にスマートグラスに対する顕著なアプローチがみられている。ベンチャーも含めて今年は数多くのスマートグラスが出てくる見込みだ。そしていよいよAppleもこの分野に乗り込んでくるという噂もある。本講演では世界のこのような動きをサーベイしながら、古くから多くの取り組みをしている日本の現状を説明する。さらにそれが今後どのように展開していくか、特に10年後にスマホに「取って代わる」ARグラスの作り出す巨大なビジネスポテンシャルについて述べる。さらに、その先の世界としてサイボーグ、超人類へと発展していく道を予想する。

14:35 – 15:30 座談会 

【登壇者 塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりもややコアなテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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共催

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シンギュラリティサロン#55「汎用人工知能のアルゴリズム」

開催日
2022年1月30日(日)
開催時間
15:00〜17:00
開催形式
YouTube Liveによるオンライン開催
参加費
無料
申し込み
不要

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

「汎用人工知能」とは人間のように知的な仕事を何でもこなせる人工知能のことです。それができるとシンギュラリティへの道が開かれます。
本講義では、「汎用人工知能」のアルゴリズムとして動物的知能を実現する”予測符号化モデル”と人間的知能を実現する”トランスフォーマー的人工知能” の二種類を考察します。とくに近年、”トランスフォーマー的人工知能”の進歩が著しく、たとえばGPT-3やその応用形のDALL-Eは、人間に固有と思われていた創造性や常識を備え始めています。GPT-3的人工知能のパラメーター数を人間の大脳のシナプス数である100兆個にすることは、もはや技術的に可能であるとも考えられています。
技術の進歩や米中の激しい競争、またシンギュラリティはどこまで現実的なものになっているのかなどを議論します。

第1部:講演 松田 卓也 氏
第2部:座談会 松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏 / 質疑応答

松田 卓也 氏

神戸大学 名誉教授

理学博士(天体核物理学)。シンギュラリティサロン主宰。研究のかたわら、ニセ科学批判にも力をそそいできた。近年は京都某所の「秘密研究所」にて人工知能の研究を進めながら、迫りくるAI社会とシンギュラリティの啓蒙活動に取り組んでいる。

シンギュラリティサロン番外編「2021・年忘れシンギュラリティ祭り」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回は、「2021・年忘れシンギュラリティ祭り」と題し、シンギュラリティサロンのコアメンバーによる年末特別企画をお届けします。

■開催日時と申込み

【日時】 2021年12月25日(土)  13:30-15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 14:30  特別企画1「発表!シンギュラリティ10大ニュース2021」

今年もシンギュラリティに関わる分野では、さまざまなニュースがありました。この中から、シンギュラリティサロン・コアメンバー、松田・塚本・セーラー服おじさん、それぞれが気になったニュースを発表!3人は今、何に注目しているのでしょうか?年末ならではの企画です。

14: 30 – 15:30 特別企画2「知能と意識とサイボーグをめぐる大討論会」

松田、塚本、セーラー服おじさんが、シンギュラリティとAI・脳科学について激論! シンギュラリティサロンの未来予測をアップデートする大討論会をお届けします。

【出演】松田 卓也、塚本 昌彦、小林 秀章 (セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマと自由な雰囲気でお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン#54「意識研究の地図をつくる」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、哲学者・新川拓哉をお招きし、「意識」をテーマにお話いただきます。さまざまな意識の理論を整理することで、「意識研究の地図」を明らかにする試みです。乞うご期待!

■開催日時と申込み

【日時】2021年11月20日(土) 13:30〜15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「意識研究の地図をつくる」

【講師】新川 拓哉 (にいかわ たくや)氏 
    神戸大学 人文学研究科 講師

プロフィール
1986年生。2015年北海道大学文学研究科思想文化学専攻博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員PD(千葉大学)、日本学術振興会海外特別研究員(パリ高等師範学校)を経て、2020年より神戸大学文学部講師。

専門分野:心の哲学(特に意識の哲学、知覚の哲学)
意識をめぐる哲学的諸問題を専門にしています。特に、意識の価値論と知覚的意識の形而上学に分析哲学的なアプローチで取り組んでいます。その他にも、科学者と共同で実験現象学や心理学の研究も行っています。さらに最近では、ヒト脳オルガノイドをめぐる倫理問題にも取り組んでいます。演習では、意識の哲学や知覚の哲学の文献の読解を通じて、心や意識の謎を解きほぐす楽しさを味わってほしいと思っています。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/faculty/takuya-niikawa.html

【講演概要】
ここ30年ほどで意識研究は急速に進展したが、研究全体の見通しはきわめて悪い。その理由の一つは、意識研究の学際化が進み、異なる学問領域でさまざまな意識の理論が提案されてきたため、それらの理論間の関係が不明瞭であり、比較検討が難しいところにある。この問題を解決するため、この講演では「問いとアプローチ」を中心に意識研究の整理を試みる。具体的には、意識についての問いを定義論、現象論、認識論、存在論、価値論の五つに区分し、それぞれの問いに対する研究手法を列挙することで、意識研究全体の地図を描き出す。この地図に意識の理論を位置づけることで―つまり、それぞれの意識の理論がどの種の問いにどの手法を用いて答えているかを明らかにすることで―、意識理論の体系的な分類が可能になると期待できる。

14:40 – 15:30 座談会 

【登壇者 新川 拓哉 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンの方向性を踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

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シンギュラリティサロン#53「意識の考え方」を考える──北大CHAINの挑戦

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

「意識」というテーマは長く哲学のなかで論じられてきましたが、1990年代頃からは科学的なアプローチが盛んになり、21世紀に至って百家争鳴の状況が続いています。そのなかで、「意識」の問題そのものの難しさが浮き彫りになり、アプローチの方法自体をあらためて問い直さなければならないという現状があります。

本講義では、「意識」という問題をまず解きほぐした上で、現状見られる様々なアプローチから、どのような展望が描けるのかについて議論します。講演者2名が所属する北海道大学人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)では、多様な学問と多様なアプローチが組み合わさり、互いに切磋琢磨しながら、刺激的な議論が行われており、その成果の一部も紹介します。

■開催日時と申込み

【日時】2021年10月30日(土)

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演

【講演概要】
第1部:内部と外部の捻れたループ──意識のイメージを変える 田口 茂氏

最初に「意識」という当たり前すぎて通常は気づかれないものが、どのように明示的に概念化されるのかを考えます。次に、意識を「閉じた内面」と考える強固なイメージを相対化します。意識はカプセルか箱のようなものではなく、「自分を包むもの=外を自分の内に含む」という構造をもちます。F. ヴァレラらはこれを「主体と環境の根源的循環性」と呼びました。「意識」について気づき、それについて語れるようになるというのは、こうした循環構造や捻れたループ構造そのものを見ることができるようになる、ということなのではないでしょうか? ここではこのようなアイデアを追究してみます。

第2部:「意識を教える」からエナクティブ・アプローチへ 吉田 正俊氏

今年度、北海道大学の大学院全学共通の講義として「意識の科学入門」を開講しました。そこでは意識の研究を「知覚としての意識」「自己としての意識」「生命・情動としての意識」というアプローチに分けて整理したうえで、それぞれの重要な知見を紹介しながら、受講生に意識研究のこれからあるべき姿を模索してもらうことを目指しました。この北海道大学で開講した講義の概要を紹介し、意識の様々な側面がエナクティブ・アプローチによってつなぎ合わせられること、そしてそれを記述するためにフリストンの自由エネルギー原理が有望であることについて議論します。

第3部:座談会 田口茂氏・吉田 正俊氏+松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏/ 質疑応答

【講師】田口 茂 氏

北海道大学大学院文学研究院教授、人間知・脳・AI研究教育センター長

2003年ドイツ・ヴッパータール大学で博士号(Dr. phil.)取得。山形大学准教授等を経て現職。専門は哲学、特に現象学。近年は数学者・神経科学者・認知科学者・ロボット研究者などとの共同研究により、意識・自己・自他関係などのテーマに取り組んでいる。著書に『現象学という思考』(筑摩書房)、『〈現実〉とは何か』(数学者・西郷甲矢人氏との共著、筑摩書房)などがある。

吉田 正俊 氏

北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター 特任准教授

2003年に博士(医学)を取得。生理学研究所助教を経て2020年より現職。専門はシステム神経生理学。霊長類における眼球運動を対象として注意や視覚的気づきの脳内メカニズムの解明を行ってきた。生理研在籍時から意識研究のシンポジウムを開催するなどの活動を行ってきたが、CHAINに異動してからは、現象学者や神経計算論の研究者と共同研究を行いながら意識を科学的に研究する方策を模索している。

14:40 – 15:30 座談会 

【登壇者  田口茂氏・吉田 正俊氏+松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏/ 質疑応答

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

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シンギュラリティサロン#52「ウェアラブルがやってきた!次はサイボーグ化に備えよ」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、シンギュラリティサロン副主宰・塚本昌彦教授による、ウェアラブルとサイボーグのお話です! 最近「進化」が激しいウェアラブルデバイスの動向から、その先に来る、サイボーグ、そして、シンギュラリティへまで、塚本先生の予測と予想のアップデート。「人類サイボーグ化計画」を夢見る「ウェアラブルのエヴァンジェリスト」の予言にご期待ください!

■開催日時と申込み

【日時】2021年9月26日(日)

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「超ウェアラブルがやってきた!次はサイボーグ化に備えよ」

【講師】塚本昌彦(つかもとまさひこ)氏 
神戸大学大学院工学研究科教授、シンギュラリティサロン副代表

プロフィール
工学博士。シンギュラリティサロン副代表。1989 京大・工・修士了、シャープ入社、1995 阪大・工・情報システム講師、1996 同助教授、2004より現職 NPOウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長、NPO日本ウェアラブルデバイスユーザー会会長。
ヒューマンインタフェースの研究を進める一方、「ウェアラブルの伝道師」として、全国各地のイベント・メディアで、ウェアラブルデバイスの普及活動を精力的に続けている。

【講演概要】
20年にわたりウェアラブルの研究・実践を行ってきたがようやく広まりつつある。数年後は皆がスマートグラスとスマートウォッチ、その他のウェアラブルデバイスを平均5~10個ぐらいつけているようになるだろう。本講演ではまず最近のウェアラブルデバイスの展開の状況について述べる。講演者は、次のステップはサイボーグであり、その先にはマインドアップローディングや不老不死を、100年先ではなく20年先の未来と見据えている。 人間がサイボーグに進化することでAIと対等になり、サイボーグがAIとともにシンギュラリティを起こすという話をこれまでに何度か
している。今回は10年後というサイボーグ化への備えに焦点を当てる。広がる架空の空間の拡大を食い止め、人間の実世界の活動をより重視することが肝心だ。また、人権や人間中心主義も大幅な拡張・更新が必要である。そのような世界で人間の幸せとは何か、人生の目的とは何か。これらを見据えながら、「今できること」をテーマに提言を行いたい。

14:40 – 15:30 座談会 

【登壇者 塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#51 渡辺 英治「ヒト型視覚AIが心理学に出会う」

https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202108/detail20210828.php

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロン#51のテーマは「AIと知覚心理学」。講師には、大脳の数理モデルを組み込んだニューラルネットを使用して人の視覚をシミュレートするAI開発に取り組んでおられる、渡辺英治氏をお迎えします。

■開催日時と申込み

【日時】2021年8月28日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/XOkpR5QzG-I

※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202108/detail20210828.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、上のリンクから誰でもご視聴いただけますが、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、本イベントのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けしますので、できればご登録をお願いします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、シンギュラリティサロン以外に、SpringX主催の講義・イベントのご案内をSpringX事務局からお届けします。こちらもこの機会にぜひご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 13:40 講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「ヒト型視覚AIが心理学に出会う」

【講師】
渡辺 英治 氏 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 准教授
大阪大学理学部生物学科卒業後、同基礎工学部生物工学研究科にて学位を取得(工学博士)。自然科学研究機構・基礎生物学研究所の助教を経て准教授。研究テーマは、知覚の神経アルゴリズムの解明。分子生物学から人工知能まで数々の手法を駆使して脳の秘密に挑んでいます。新作錯視の作成にも力を入れており、錯視錯聴コンテスト入賞3回あり。趣味が高じて推理系ロマン派古代史本の出版をしたことも。
ウェブページ:https://www.nibb.ac.jp/sections/neurobiology/watanabe_e/

【講演概要】
本講演では、興味深い錯視の数々をご紹介すると共に、ヒト型視覚AIで数多くの錯視が再現されること、ヒトの心理実験と組み合わせることで科学的発見が加速されること、さらにはヒト型視覚AIと遺伝的アルゴリズムを組み合わせることで錯視の創作がおこなえることなどをご紹介する。もし主観的な視覚世界を意識の一部として認めるのであれば、本研究は意識研究の一里塚として貴重な知見を人類にもたらすのではないかと期待して話題提供をおこなう。

14:40 – 15:30 座談会 「ヒト型視覚AI・錯視・心理学とシンギュラリティ(仮題)」

【登壇者】渡辺 英治 氏
 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

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シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#50 松田卓也「超知能の作り方と人類の未来」

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、シンギュラリティサロン主宰・松田卓也神戸大学名誉教授が、「超知能の作り方と人類の未来」と題して講演します。

超知能とは何か?それはどのような形態になるのか?超知能を司る「マスターアルゴリズム」とはどのようなものなのかーーーーー?

超知能をもつ超人類への道のりとその課題について議論します。

■開催日時と申込み

【日時】 2021年7月24日(土)

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。

【参加費】 無料

【定員】なし

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「超知能の作り方と人類の未来」

【講師】松田 卓也(まつだ たくや)氏 
 シンギュラリティサロン主宰、神戸大学名誉教授

プロフィール
理学博士(天体核物理学)。シンギュラリティサロン主宰。研究のかたわら、ニセ科学批判にも力をそそいできた。近年は京都某所の「秘密研究所」にて人工知能の研究を進めながら、迫りくるAI社会とシンギュラリティの啓蒙活動に取り組んでいる。

【講演概要】
知的な仕事を人間のように一応何でもこなすことができる人工知能を汎用人工知能とよぶ.人類全部を集めた程度の知的能力を持つ汎用人工知能を超知能とよぶ.超知能を独占的に開発することに成功した国は今後の世界覇権を握るであろう.その意味で超知能開発は核開発に似ている.汎用人工知能の作り方の一つの方法として人間の大脳新皮質を模倣する行き方がある.大脳新皮質で働いているアルゴリズムをマスターアルゴリズムと呼ぶとすると,その解明が超知能開発のカギである.それは21世紀の科学の最大の課題と思う.マスターアルゴリズムの一つの可能性としてベイズ脳理論をあげる.マスターアルゴリズムはベイズ脳理論と深層学習を組み合わせたようなものになるだろうと予想する.超知能を意識と感情と自律性をもった機械知能としてではなく,人間の脳と純粋知性機械を脳機械インターフェイスで接続したサイボーグ人間を生み出すことが有力な解であることを論じる.そのような超人類への道についての技術的課題に関して論じる.

14:40 – 15:30 座談会 

【登壇者 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(YouTube Live)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲しつつ、「SpringX超学校ONLINE」よりも「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#49 @ SpringX 中ザワ ヒデキ「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら (シンギュラリティ編)

https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202106/detail20210627.php

開催日 2021年6月27日(日)
開催時間 13:30〜15:30
開催形式 YouTube Liveによるオンライン開催
参加費 無料
申し込み 不要

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロン#49のテーマは「芸術とAI」。人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)を主宰する美術家 中ザワヒデキ氏をゲストに迎えます。

第1部:講演 中ザワヒデキ氏
「「芸術とAI」というテーマは広いが、今回は私が美術家の草刈ミカとともに主宰している人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)でここ数年注力している、「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら」という問いについて、シンギュラリティ方面から考えてみたい。S氏とは2014年のゴーストライター事件で世間を騒がせた佐村河内守のことだが、とすると、N氏(新垣隆)の作曲技術をAIで代替した場合には、「S氏が作曲した」と称しても問題は無いということに(恐らく)なる。ということは、作曲という芸術活動の本質は、AIにではなくS氏に帰するということだ。つまりこの場合のAIは作曲も芸術もしていない。では反対に、真の意味で、作曲も芸術もするAIが登場するとはどういうことを指すのだろうか。N氏を代替するAIではなく、S氏を代替するAIが実現することだとしたら、それがシンギュラリティではないだろうか。」

第2部:座談会 中ザワヒデキ氏+松田 卓也 氏・塚本 昌彦 氏・小林 秀章 氏/ 質疑応答

シンギュラリティサロン#48 山川 宏「比較可能性から考える知能」(ZOOM開催)

■講演中の質問(一部)と講師回答

Q.整列構造とは,「帰納バイアスを成立させうるデータ関係性」という意味でしょうか?

山川> おそらく帰納推論を成立させうるための、帰納バイアスというのが正確そうです。

Q.外界と等価比較するためには、きっかけとして、生得性の整列構造も必要ではないでしょうか?

山川> そのとおりかと思います、それを実現しているのがセンサであり。特に動物は、目や耳といったアレイセンサを発明したことでそこに含まれる整列構造を利用できるようになりました。

Q.値集合1と値集合2から入力を受けているPは、P1(), P2(), … は値集合Xの型の組み合わせごとに定義されるのでしょうか?

山川> 異なる値集合を利用するというのは、視覚と聴覚のような対比となるため大きくPk()の形はことなります。これに対して同じモダリティ内でのPk()の違いは参照する画素が違う程度で同じものを使うことが多くなります。

Q.「高次の客体化 = 後天的な概念の獲得」と理解していますが、これを後から読み出す(概念を使って思考する)は何か考えられていますでしょうか?後から思考で参照できれば、シンボルのみで「猫とは何たるか」を真に理解していなくても、知能として成立しているという見方はできないでしょうか。

山川> 今回、高次の客体化で得られる概念は、おっしゃるとおり、原則的には後天的です。ただしそれはまだシンボルとは接続されていなくても良いものです。つまり、シンボルを用いない動物であってもかなり高度な判断を行えますが、それは、こうした高次の客体化で得た概念を利用するからだと考えています。
逆に、大量の記号の世界に生きている現在の我々やAIは、猫について辞書やインターネットの言語情報をつかって答えることができることは既知かと思います。

Q.CNN -> FC でClassifyだと、普通の画像分類の説明ではないでしょうか?比較可能性はFC層で放棄するのであれば、なぜ途中までは大事にするのでしょうか?

山川> 視覚情報には、階層的な局所性がありそれが画素間の指定関係で表現されます。この声質によりDivide and Conqureに処理をすることに有効となります。視野内においてその性質を使い切るまではCNNで処理し、その先はFCという分業がなされていると、私は考えています。

Q.比較可能性というのは、どれでも、どのレイヤでも、同じか、というと、そんなことはありませんよね。それぞれに、異なる比較可能性があるのでしょうか?

山川>比較可能性は、一般的にはレイヤ毎に異なるものと考えるのが自然であると考えています。ただし、視覚情報処理では拡大縮小の不変性をあつかう必要があるという事情があり、隣接する層間で比較できるようにしておく必要がありそうです。

Q.視覚刺激の場合は「比較可能性の維持 = 回転や倍率の対称性維持」で分かるのですが、先ほどの「ピカと光ってドンと鳴ったら~」のような、型の異なる刺激にも「値読み取り手続き(P)」で得られた比較可能性はどのような意味を持つのでしょうか?

山川> 基本的に、異なるモダリティ間では比較ができません。雷という概念は、光と音を含んでおり、一方のモダリティから他方を推測できます。しかしそうした連想ができたからと言って、光と音を比べているわけではないというところが私の強調したい点です。

Q.ピカとゴロが比較できないというのは素人ながら直感的には理解できました。ゴロのでかさで雷の大きさを認識するのはあくまでゴロ同士の比較になるかと思いました。

山川> はい、それが述べたいことです。

Q.共感覚はどうでしょうか?匂いから色をイメージするなど。

山川> それは雷の例と同じかと思います、複数のモダリティ情報の共起を、結合によって連想する処理により実現可能かと思います。

Q.光刺激の中の大きさと音刺激の中の大きさは比較できますよね……雷も

山川> はいそのとおりかと思います。

Q.センサーからの情報に対して特徴抽出を繰り返すことで、「ゲージ不変な実態」を抽出するメカニズムを明確化しようとしているのでしょうか?その「実態抽出」に「記号」を付け、知性にするとの事でしょうか?

山川>本発表では、アレイセンサの信号に対して、Self-supervised学習などを行うことで、不変性の高い表現空間を取り出す働きをメトリック形成と読んでいます。これは、物理学の「ゲージ不変」を取り出すこととにた雰囲気かもしれません。人間の視覚の例でのべるなら、中心/周辺視野や、視野の歪みがあっても、外界を観察するデータに基づいて、視野内でとらえたある棒の長さは一定であるように認識できるようチューニングするということです。

Q.ネオコグニトロンで,初段は隣の画素ですが,後段になるとかなり遠方の関係を見ていることになりますが,それをどう解釈するのでしょうか?

山川> 画素が遠方であっても指定関係を特定すること自体は機構的には問題ないでしょう。その解釈については、画像空間中のより大局的な関係であるということかと思います。

Q.比較可能性は写像が存在する、というような意味かな、と思うと、整列構造は同型写像なのかな、と思いながら聞いていましたが、ちょっと違うでしょうか。

山川> 同型写像はそこに含まれる値に関わるものです。これに対して整列構造それ自体は値については述べていません。ただし有益な整列構造を選択する段階では、外界にをモデル化するのに適した整列構造が優先的に選択されるために、同型写像と関わりが生じます。

Q.例えば,TRANSFORMERは,客体化の一形態という解釈になるでしょうか?それともメトリック生成?

山川>  Transformerを自然言語処理に用いた場合、典型的には文法を反映したモデルに基づいて単語にアテンションを向けます。これは、典型的な客体化であると思います。ただしこのレベルでは画像のように境界を細かく変化させるのではなく、単語という要素をポインティングしています。ですからそのポインティング、時間シークエンス上で飛び飛びのポジションを選ぶことができます。

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■講演概要

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、全脳アーキテクチャ・イニシアティブの山川 宏さんをお迎えし、「比較可能性と知能」をテーマにお話いただきます。「比較可能性をどのように流用/転用するからが知的システムの能力拡大において重要なテーマとなる」という山川さんに、人工知能研究の最先端から、興味深いトピックを届けていただきます。

* 山川 宏さんの過去の講演

シンギュラリティサロン#6 山川 宏「全脳アーキテクチャ実現への長き道のりをいかに支えるか」
第2回シンギュラリティシンポジウム ・パネルディスカッション「日本からシンギュラリティを起こすには〜その具体的な方策」 
シンギュラリティサロン#40 山川 宏「人間社会を支えるエコシステムとしての自律AI社会 – 存在論的リスクを克服するために -」

■開催日時と申込み

【日時】2021年5月30日(日)

【方法】ZOOMでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。
 ZOOMリンクは参加者本人のみご使用ください。リンクの転送はお控えくださいますようお願いします。

【参加費】 無料

【参加者】約110名

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「比較可能性から考える知能」

【講師】山川 宏(やまかわ ひろし)氏 
 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ代表 https://wba-initiative.org/

プロフィール
1992年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。工学博士。同年(株)富士通研究所入社。1994年から2000年まで通産省RWCプロジェクトに従事、2014年から2019年3月まで(株)ドワンゴ
ドワンゴ人工知能研究所所長。現在、特定非営利活動法人全脳アーキテクチャイニシアティブ代表、東京大学大学院
工学系研究科特任研究員。人工知能学会(汎用人工知能研究会主査)、電子情報通信学会、日本認知科学会、日本神経回路学会などの各学会員。専門は人工知能、特に、汎用人工知能、全脳アーキテクチャ、概念獲得、意見集約技術など。産総研人工知能研究センター客員研究員、電気通信大学大学院客員教授、近畿大学情報学研究所知能システム部門長(客員教授)、理化学研究所生命システムセンター主管客員研究員、東京大学医学部客員研究員。共訳書に、「パターン認識と機械学習」、共著書に「人工知能とは」、「宗教と生命」、「AI時代の憲法論」などがある。

【講演概要】
四項類推では、4つの要素「A:B=A’。B’」と表されます。これを構成する関係は、Aに対してBを指定する関係(指定関係)と、同様にA’に対してB’を指定する関係、さらにその2つの指定関係が同じであること(指定関係等価性)です。こうした類推は、AかBのどちらかに、すでに多くの知識がある場合に有効です。

対して、世界から規則性(知識)を獲得できる帰納的推論を行うには、もう一つの関係が必要です。AとA’およびBとB’が比較可能ということです(比較可能性)。比較可能ということは、物理学では、単位系によって明示されます(例えば、重さと長さを比較することはありません。)。さらにAとBだけでなく、C、D、E、F…と大量のデータが必要になります。結局、帰納的推論には、指定関係、指定関係等価性、比較可能性の3つが必要であり、これを私は整列構造と呼んでいます。ですから、世界から知識を獲得する範囲を拡大するには、より柔軟に整列構造を作り出すことがキーとなるわけです。

これまでの研究から、指定関係やその等価性は比較的自由に設計できることが明らかになっています。一方、比較可能性は、基本的には物理的なセンサーの特性に帰着します。そう考えると、我々が抽象的な思考を行う場合であっても、その概念が実世界に接地しているなら、それはセンサにおける比較可能性に根を持つものであるはずです。つまり観測される要素の間に存在する比較可能性をどのように流用/転用するからが知的システムの能力拡大において重要なテーマとなるはずです。

そこで今回は、比較可能性の観点から、知能について議論します。ひとつには、近年発展している、Transformer等のアテンションを用いたニューラルネットワークと比較可能性についての議論を行います。さらに、カントの述べていた悟性や、C.S.パースがが述べていたhypoiconといった、哲学的観点からも触れたいと思います。

参考資料:https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2020/0/JSAI2020_2D6OS18c04/_article/-char/ja/

14:40 – 15:30 座談会 

【登壇者】山川 宏 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

シンギュラリティサロン#47@SpringX 哲学の決定論 vs. 物理学の決定論:機械は自由意志を持てるか?

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティーに向かう中で、機械(コンピュータ)はより人に近づいていくと考えられます。言い換えれば、機械は、これまで「人間だけの問題」であった領域に入り込んでいくでしょう。その中でも「機械は自由意志を持てるのか」という問題は、誰もが関心を持つ基本的な問いでありながら、科学技術の知見だけでなく、人文科学・哲学の知見も必要とする、もっとも難しい問題ではないでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、「自由意志と決定論」をテーマに、哲学と物理学、その双方の視点から議論を深めます。

■開催日時と申込み

【日時】2021年3月6日(土)13:30 – 16:00

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/2ADDqH9xpc4
※SpringXイベントページ:https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202103/detail20210306.php

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、Peatixチケットの申し込み(参加登録)がなくても、上のリンクから誰でもご視聴いただけます。なお、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、Peatixを通じて、イベント日時・URLのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、SpringX主催の講義・その他イベントのご案内を、SpringX事務局からお届けします。ご登録がまだの方は、ぜひこの機会にご登録ください!

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 13:45 講師紹介

13:45 – 14:45 対談 「哲学の決定論 vs. 物理学の決定論:機械は自由意志を持てるか?」

【登壇者】
木島 泰三(きじま たいぞう)法政大学 非常勤講師
2019年に博士(哲学)の学位取得(論文博士)。専門はスピノザおよびホッブズを中心にした西洋近世哲学。哲学者ダニエル・デネットの思想を中心にした現代の自然主義的人間観についても論じており、デネットの『思考の技法』、『心の進化を解明する』の翻訳を手がけた。
ウェブページ:http://edelmoedigheid.web.fc2.com/

谷村 省吾(たにむら しょうご)名古屋大学大学院情報学研究科 教授
1995年に博士(理学)学位取得。専門は理論物理、とくに量子力学の数学的基礎、圏論と微分幾何の応用。最近は意識の科学にも関心を持つ。AIの研究も開始。哲学に関しては素人であるにもかかわらず、哲学者に対してもの言う物理学者としても有名。主著に『トポロジー・圏論・微分幾何』、『幾何学から物理学へ』、『一物理学者が観た哲学』。
ウェブページ:http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/

【概要】
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人類がついてゆけないほどのスピードで科学技術が猛烈な発展をはじめるときのことを言います。その結果として人間を超越する「超知能」が生まれたとき、人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

人間と機械を隔てている(と思われている)特徴として、意識の有無、とくにクオリア・自我・自由意志などの有無が取沙汰されることが多いと思います。一方で、世界で何が起こるかはすでに決まっているとする決定論は、強力な説得力があり、自由意志の存在を脅かすようにも思われます。しかし冷静かつ正確に考えるなら、決定論とはいかなるものなのでしょうか? 物理学は決定論なのでしょうか? 木島泰三氏の著書『自由意志の向こう側:決定論をめぐる哲学史』(講談社)を軸に哲学者と物理学者が討論します。

14:45 – 16:00 座談会 「『機械は自由意志を持てるか?』を哲学・物理学から議論する」

【登壇者】木島 泰三 氏×谷村 省吾 氏
 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン、JAPAN SKEPTICS (ジャパン スケプティクス)

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#46 渡辺 正峰「意識を科学のまな板にのせる - 20年後の意識のアップロードに向けて -」

詳細
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンの講師は、「シンギュラリティサロン#30(2018年7月21日、他)」「シンギュラリティサロン #33「意識をめぐる大冒険」(2019年3月10日)」に登壇いただいた、東京大学の渡辺 正峰さん。渡辺さんは、アカデミアで脳科学を研究する一方、「意識のアップロード」を目指すスタートアップ、MinD in a Device社を設立し、10年以上に渡る研究成果 をもとにした意識のアップロード構想の実現へむけて、精力的な活動を展開されています。

そんな「意識のアップロード」の最先端を切り拓いている渡辺さんに、意識を科学として捉えるためのアプローチと、マインドアップロード実現への道筋をお話いただきます。

■開催日時

【日時】2021年2月28日(日)13:30 – 16:00

【方法】ZOOMでのオンライン配信
※視聴URLは、申し込みいただいた方に返信メールにてご連絡します。
 ZOOMリンクは参加者本人のみご使用ください。リンクの転送はお控えくださいますようお願いします。

【参加費】 無料

【定員】300名

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:40 冒頭挨拶と講師紹介

13:40 – 14:40 講演 「意識を科学のまな板にのせる - 20年後の意識のアップロードに向けて -」

【講師】渡辺 正峰(わたなべ まさたか)氏 
 東京大学大学院工学系研究科 准教授
 独 Max Planck Institute for Biological Cybernetics グループリーダー
 株)MinD in a Device 共同創業者 技術顧問

プロフィール
’93年東京大学工学部卒業、’98年東京大学大学院工学系研究 科博士課程修了。’99年博士研究員、’00年助手、’ 02年助教授、その間の米カリフォルニア工科大学留学などを経て 、現在は東京大学大学院准教授および独マックスプランク研究所客 員研究員。専門は脳科学で、特に意識に関し理論研究から実験的研 究まで幅広く従事。2017年に著書「脳の意識
機械の意識」を中央公論新社より刊行。10年以上に渡る研究成果 をもとに意識のアップロード構想を実現するべく、MinD in a
Device社技術顧問に就任。

【講演概要】
 研究対象としての意識は、長らく哲学と科学の間を彷徨ってきた。 意識の仮説を検証する術を我々が持たないためだ。素直に考えれば 、意識を有する脳を用いて仮説群を検証すべきところだが[1, 2]、生体である宿命から、仮説検証に必要な「意識の本質」の抽 出が許されない。無理に抽出しようとすれば、今度は脳が死んでし まう。

 この壁を乗り越えるべく、機械へと意識を宿す試み、すなわち、ア ナリシス・バイ・シンセシスによって意識の本質へと迫る手法を取 り上げる。ここで必須となるのは、 機械の意識を検証する手法である。空気がなければ飛行機械の開発 がままならないように、人工意識の検証法なくして、アナリシス・ バイ・シンセシスによる意識の探求は成立しない。

 そこで、機械の意識を検証する手法として「人工意識の脳接続主観 テスト」[3,4]を提案する。当該機械を自らの脳に接続するこ とにより、自らの意識をもって機械の意識を”味わう”。ただし、 人工網膜や人工鼓膜によっても感覚意識体験が生じてしまうように 、単に脳に機械を接続すればよいというものではない。テストの可 否を握るのは、機械に意識が宿った場合にのみ、脳との間で感覚意 識体験が共有される機械と脳の接続のあり方だ。ヒントとなるのは 、ロジャー・スペリーによって二つの意識が共存することが示され た分離脳である。

 また「人工意識の脳接続主観テスト」を思考実験として用いること により、情報に意識が宿るとするこれまでの仮説群の問題点を指摘 し、その代案として、神経アルゴリズム(生成モデル)が意識を生 むとする自身の仮説[5]を紹介する。

 最後に意識の機械への移植について議論する。上記、主観テストの 方法を用いて機械と脳を接続し、いくつかの仮定が正しかったなら 、20年後の意識のアップロードも視野に入ってくる。

[1] Watanabe, M., K. Cheng, Y. Murayama, K. Ueno, T. Asamizuya, K.
Tanaka and N. Logothetis (2011). “Attention but not awareness
modulates the BOLD signal in the human V1 during binocular
suppression.” Science 334(6057): 829-831.
[2] Watanabe, M.; Nagaoka, S.; Kirchberger, L.; Poyraz, E.; Lowe, S.;
Uysal, B.; Vaiceliunaite, A.; Totah, N.; Logothetis, N.; Busse, L. et
al.: Mouse primary visual cortex in not part of the reverberant neural
circuitry critical for visual perception. (in revision)
[3] Watanabe, M. (2014). “A Turing test for visual qualia: an
experimental method to test various hypotheses on consciousness.” Talk
presented at Towards a Science of Consciousness 21-26 April 2014,
Tucson: online abstract 124
[4] 渡辺正峰(2017)「脳の意識 機械の意識」中央公論新社
[5] 渡辺正峰(2010)「意識」『イラストレクチャー 認知神経科学―心理学と脳科学が解くこころの仕組み』村上郁也編 、オーム社

14:40 – 16:00 座談会 「意識は科学のまな板に乗るか? 20年後の意識のアップロードは可能か?(仮題)」

【登壇者】渡辺 正峰 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、2020年秋から、ナレッジキャピタル・SpringX超学校ONLINEでリアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。こちらの「シンギュラリティサロン・オンライン(ZOOM)」は、従来のシンギュラリティサロンのテイストを踏襲し、「SpringX超学校ONLINE」よりも、高度で「コア」なテーマの講演と座談会をお届けします。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#45 高橋 恒一「シンギュラリティサロン@SpringX 知能爆発はいつどのように起きるのか」

SpringX超学校ページ https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202101/detail20210130.php

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティーと関連が深い用語に「知能爆発」があります。知能爆発は、人工知能が、科学技術研究や自己改良を自律的に行うことにより、その能力を際限なく向上させることによって起きる、とされています。今回は、理化学研究所/慶應義塾大学等で、「AI駆動型科学」等の最先端のAI研究に取り組んでおられる高橋恒一さんを講師にお招きし、知能爆発がいつ、どのような条件が整ったときに起きるのかについて、お話しいただきます。

■開催日時と申込み

【日時】2021年1月30日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※視聴URL:https://youtu.be/RbHq-zkstA4

【参加費】 無料

【定員】なし

※本イベントは、Peatixチケットの申し込み(参加登録)がなくても、上のリンクから誰でもご視聴いただけます。なお、Peatixチケットの申込みをいただいた方には、Peatixを通じて、イベント日時・URLのリマインダーや今後のシンギュラリティサロンのご案内をお届けします。

また、SpreingXメンバーに登録(https://kc-i.jp/springxform  無料)いただければ、SpringX主催の講義・その他イベントのご案内を、SpringX事務局からお届けします。ご登録がまだの方は、ぜひこの機会にご登録ください!

SpringXイベントページ:http://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202101/detail20210130.php

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:30 講演 「知能爆発はいつどのように起きるのか」

【講師】高橋 恒一(たかはし こういち)氏 [理化学研究所生命機能科学研究センターチームリーダー・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授]

【概要】
長期的な機械知性の行き着く先が、その能力レベルの発展の上限により上限シナリオ、生態系シナリオ、多極シナリオ、シングルトンシナリオの順に分岐してゆく可能性を議論する。また、能力レベルの上限を制約する重要な要因として、高度な自律性を持つ認知アーキテクチャーの実現や自己構造改良能力などのアーキテクチャーレベルの問題のほかに、マルチエージェント状況における相対的優位性確立の難しさ、また計算の熱力学的効率や光速の上限などの物理的制約などがあることを議論する。

14:30 – 15:30 座談会 「『知能爆発はいつどのように起きるのか』を議論する」

【登壇者】高橋 恒一 氏 + 松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)・塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)・ 小林 秀章 氏(セーラー服おじさん)

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■シンギュラリティサロンとは

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに対する専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、ナレッジサロンを 会場に2015年より講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEで、リアルとバーチャルを横断する新たなシンギュラリティサロンの活動を開始しました。

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

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株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#44 小林 秀章「「意識の謎に迫る」

SpringX超学校ページ https://kc-i.jp/activity/chogakko/singularity/202011/detail20201114.php

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに向かう専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、2015年よりナレッジサロンを 会場に講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEから、リアルとバーチャルを横断する、新たなシンギュラリティサロンとして再始動しました。

今回の講演では、「セーラー服おじさん」こと小林秀章氏が、これまでシンギュラリティサロンに登壇した「意識研究者」の論点を振り返りながら、意識がいかに不思議なものであるか、そして、科学的視点からの意識へのアプローチにはどのようなものがあるかを解説します。続く座談会では、松田先生、塚本先生を交え、「意識の謎」をテーマにさらに議論を深めます。

■開催日時と申込み

【日時】11月14日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※チケット申し込み後に、Peatixから、イベント視聴ページへのリンクが参加者に届きます。

【参加費】 無料

【定員】300名(暫定)

【参加申込み締切り】11月14日(土) 12:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:15 講演 「意識の謎に科学からどう迫るか」

【講師】小林 秀章 氏(「セーラー服おじさん」)

【概要】
朝、目が覚めると、あたりまえに意識がある。しかし、よくよく考えると、あたりまえどころではなく、とてつもなく不思議なことだと気づかされる。

我々の脳や身体といえども物質であることに違いはない。元をただせば、スーパーで売っている食材と、吸った空気とでできている。そこらにいくらでもある平凡な原子や分子がある特別な配置をもって構成されているのが我々ヒトである。

物質であってみれば、物理法則に厳密にしたがうはずである。いわば、機械のようにしか動作しえないはずである。そんなところに意識が宿り、昼飯に何を食おうかなどど思いめぐらしているとは、たいへん不思議ではないか。ならば、コンピュータのような人工物の上に意識が宿ってもおかしくないのではないか。そのあたりに根源的な問いが見え隠れする。

意識の謎は、本来、物理学や数学で解かれてしかるべきものだ。しかし、現時点の到達レベルからすると、科学と意識は、とてもじゃないが、整合しない。意識はまるで超常現象だ。

今回は、まず前半で、意識がいかに不思議なものであるかを整理して述べたい。後半では、現時点で、科学的視点からの意識へのアプローチにどのようなものがあるかを概観したい。

シンギュラリティサロンは設立から 5年半になるが、これまで数々の意識研究者が登壇されている。要点を振り返ってみたい。さらに、最近の話題を取り上げたい。

14:15 – 15:30 座談会 「意識の謎にさらに迫る」

【登壇者】小林 秀章氏(「セーラー服おじさん」)、松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)

【概要】
普段は意識しないのに、意識すればするほど、わからなくなる「意識」。意識は何に宿るのか?人工意識は実現できるか?意識なき超知能はあり得るか?意識をもった機械は人類と平和的に共存できるか?など、意識をめぐる議論を通じて、「意識の本質」に迫っていきます。

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#43 塚本 昌彦「ドラマ『アップロード』とマインドアップローディング」

SpringX超学校ページ  https://kc-i.jp/activity/feature/virtual-springx/cho_vol019/

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに向かう専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、2015年よりナレッジサロンを 会場に講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEから、リアルとバーチャルを横断する、新たなシンギュラリティサロンとして再始動しました。

今回は、Amazonプライムのドラマ『アップロード』を題材に、「マインド・アップローディング」技術について議論します。

■開催日時と申込み

【日時】10月11日(日)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※チケット申し込み後に、Peatixから、イベント視聴ページへのリンクが参加者に届きます。

【参加費】 無料

【定員】300名(暫定)

【参加申込み締切り】10月11日(日) 12:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:15 講演 「ドラマ『アップロード』とマインドアップローディング」

【講師】塚本 昌彦氏(神戸大学 教授、シンギュラリティサロン発起人)

【概要】
今年、 Amazon Primeビデオで配信され、話題になったドラマ『アップロード〜デジタルなあの世へようこそ〜』シーズン1。このドラマの舞台となっているのは、「マインドアップローディング」が可能になった近未来です。先日、イーロン・マスクのニューラリンク社による脳直接接続技術の発表もあり、この技術に夢と恐怖を同時に感じている人も多いのではないでしょうか。

今回のシンギュラリティサロンは、ドラマ『アップロード』に登場する技術やストーリーを追いながら、マインドアップローディングにかかわる諸問題、シンギュラリティに至る技術と社会課題について考えていきます。

※講演および座談会はドラマ『アップロード』に関する***ネタバレアリ***で行いますので、未視聴の方はご注意ください。

14:15 – 15:30 座談会 「マインドアップローディング技術は人類をどう変えるか?」

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)、小林 秀章氏(「セーラー服おじさん」)

【概要】
人間の脳の情報と構造を、そのまますべてコンピュータ上に再現しようという「マインド・アップローディング」は、人類の夢である「不老不死」を実現する技術として、多くの人々の興味と関心を集めてきました。完全な「不老不死」の実現には、まだ時間がかかるかもしれませんが、最近、ニューラルリンクやFacebookなどからマインド・アップローディングのさきがけとなる技術も発表され、ドラマ『アップロード』の世界も、まったくの夢物語ではないかもしれません。

今回の座談会は、塚本氏の講演をうけて、ドラマ『アップロード』とマインド・アップローディング技術を取り上げ、この技術の可能性とそれが実現するもの、その結果として、マインド・アップローディングが人類をどう変えるかについて議論します。

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局  admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#42 松田 卓也「新型コロナウィルスとシンギュラリティ」

SpringX超学校ページ  https://kc-i.jp/activity/feature/virtual-springx/cho_vol014/

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、将来、 人工知能の能力が人類のそれをはるかに超え、 その結果として科学技術が猛烈なスピードで発展しはじめるときのこと。人間を超越する「超知能」が生まれたとき、 人類の歴史はどこへ向かっていくのでしょうか。

シンギュラリティサロンは、シンギュラリティに向かう専門家、 一般市民の意識改革を促すべく、2015年よりナレッジサロンを 会場に講演や勉強会を重ねてきました。新型コロナウイルス「 自粛」後、SpringX超学校ONLINEから、リアルとバーチャルを横断する、新たなシンギュラリティサロンとして再始動します。

復活第一弾のテーマは「新型コロナウィルスとシンギュラリティ」。最近、新型コロナウィルスの研究に没頭しているという松田先生の講演と、松田先生、塚本先生、小林秀章さん(セーラー服おじさん)による座談会の2部構成で、初のオンライン配信に挑みます!

■開催日時と申込み

【日時】8月22日(土)13:30 – 15:30

【方法】YouTube Liveでのオンライン配信
※チケット申し込み後に、Peatixから、イベント視聴ページへのリンクが参加者に届きます。

【参加費】 無料

【定員】300名(暫定)

【参加申込み締切り】8月22日(土) 12:30

■タイムスケジュールと概要

13:30 – 13:35 ご挨拶(一般社団法人ナレッジキャピタル 松川泰氏)

13:35 – 14:15 特別講演 「新型コロナウィルスとシンギュラリティ」

【講師】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

【概要】
新型コロナウィルスは怖いか、怖くないか?

新型コロナウィルスは、病気自体で言えば、世界や日本の死者数は1918年に流行したスペイン風邪の1%にも満たない。その意味では怖さはスペイン風邪の1%以下である。しかしその社会的影響という観点で言えば、新型コロナウィルスはスペイン風邪よりもはるかに大きい。社会のありようが、産業構造も含めて、「コロナ以前」と「コロナ以後」では大きく変わるであろう。

具体的には、この講演会もそうだが、コミュニケーションがリアルで対面的なものから、バーチャルでリモートなものにシフトする。人間は基本的に社会的生物であり、個体間のコミュニケーションが大事であるとされてきた。それが、コロナ後のリモート社会においてどうなるのだろうか。それは今後の技術の方向性を決めるだろう。

シンギュラリティを、広義に解釈して「社会に『どでかい』変化が起きる時」としよう。シンギュラリティは2045年頃に起きるとされてきたが、現在、世界に大きな影響を与えている新型コロナウィルスは、まさにシンギュラリティの先駆けと言って良いのではないだろうか。

14:15 – 15:30 座談会 「新型コロナウィルスは人類をどう変えるか?」

【登壇者】松田 卓也氏(神戸大学 名誉教授)、塚本 昌彦氏(神戸大学大学院工学研究科 教授)、小林 秀章氏(「セーラー服おじさん」)

【概要】

この半年、世界中の人々の暮らしや考え方を文字通り一変させた新型コロナウィルス。それは、人類への影響という点で、「シンギュラリティ」と重なる、先駆的な出来事かもしれません。新型コロナウィルスは、人類にとってどんな意味を持つのか。それは人々の生き方をどのように変えるのか。ウィルスとの対峙を通して人類はどう進化し、それは、未来の「シンギュラリティ」とどうつながっていくのか。将来、生き残るのは、どのような人類なのか?

この数ヶ月の「強制的ひきこもり」によって、 ますます頭脳が冴えてきたシンギュラリティサロンの中心メンバー が、新型コロナウイルスを通して 、これから訪れる人類の未来を「予言」します!

(座談会の最後には視聴者からの質問に答える、Q&Aコーナーも設ける予定です。)

【司会】保田充彦(株式会社XOOMS代表、ナレッジキャピタル・リサーチャー)

■お問い合わせ:シンギュラリティサロン事務局 admin@singularity.jp

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#41「5周年特別企画」

2015年2月にナレッジキャピタルで産声をあげた「シンギュラリティサロン」。まだ「AI」や「シンギュラリティ」といった言葉がまだ一般人に耳慣れない時期に、いち早く「AI社会の到来」を啓蒙し、人工知能・脳科学研究の最前線にいる講師を招いて、各分野の基礎知識やユニークな知見、最新情報を紹介してきた同サロンは、日本のシンギュラリティ・コミュニティの草分けであり、現在も多方面に刺激を与え続けています。

この度、シンギュラリティサロンの活動が5周年を迎えることを記念して、主要メンバーによる鼎談と、松田卓也先生による記念講演を企画しました。皆様のご参加をお待ちしております。

■第1部 特別鼎談

13:30-14:30 特別鼎談「シンギュラリティサロンの5年間を振り返る」

登壇者
松田卓也、塚本昌彦、小林秀章 (セーラー服おじさん)

司会

根本茂、保田充彦

概要
過去5年間にシンギュラリティサロンで紹介・議論された40以上の講演を振り返りながら、 それぞれのテーマの意義や論点、登壇者が関心のある領域についてコメントします。

■第2部 記念講演

14:30-15:30 記念講演「脳腸相関と汎用人工知能」 

講師 

松田卓也 (シンギュラリティサロン主宰、神戸大学名誉教授)

講演概要

日本語には「腹黒い」とか「腹蔵なく話す」とか、心は腹にあるような表現が多い。昔の日本人はそう考えていた。
英語でもガット・フィーリング(腸の感覚)という言葉があり、直観を意味する。しかし近代医学は心は腹ではなく頭にあることを明らかにした。

しかしここ10年ほどの研究によると頭は腹に大きく影響されていることがわかってきた。これを脳腸相関という。
さらに腸は腸内細菌により大きく影響されていることも明らかになった。それを合わせて脳腸マイクロバイオーム相関という。
マイクロバイオームとは人体と共生している微生物のことである。
腸には膨大な数の神経細胞があり、腸は第二の脳とまで呼ばれることがある。この第二の脳はマイクロバイオームの影響を受けている。
ネズミや人間の感情、気分、意思決定などは腸内細菌により大きく規定されているのである。さらにうつ病、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病などの脳の病気も腸内細菌により大きく影響されている。だから脳のことを考える場合、腸の存在を無視することはできない。

汎用人工知能が人間のように考える人工知能であるとすれば、論理的思考の部分は大脳新皮質の動作を真似れば作ることができると考えられる。
しかし感情の部分まで作り込もうと思えば、腸を含む体全体を与えなければならないのだろうか?

本講演では脳腸相関と心、感情について述べる。

定員 
120名(先着順・入場料無料 ※会場のナレッジサロンの規約により、18最未満の方は参加できません。また18歳でも高校生は参加できません。ご了承ください。)

主催

シンギュラリティサロン

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#40 山川 宏「人間社会を支えるエコシステムとしての自律AI社会 – 存在論的リスクを克服するために -」

講演

13:30-15:00 講演: 「人間社会を支えるエコシステムとしての自律AI社会 – 存在論的リスクを克服するために -」

15:00-15:30 自由討論

講師 
山川 宏 (特定非営利活動法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ 代表)

定員 100名(先着順・入場料無料 ※会場のナレッジサロンの規約により、18最未満の方は参加できません。また18歳でも高校生は参加できません。ご了承ください。)

講演概要
 深層学習の台頭を契機に、高度AIがもたらすシンギュラリ ティに関する議論が活性化した2014年から、 約5年が経過しました。当時における長期的な議論は、人を超える AIに対する脅威や不安を起点とする論点が主であった。 しかしながら、その後において議論が深まるにつれて、AIに限ら ず様々なEmergent Technologyを、誰かが誤用・悪用することによる Agential Riskの急増から生じる危険性のほうが現実的な問題であると認 識されつつある。人類の存続にも影響を与えかねないこうしたリス クを制御するには、むしろAIを積極的に利用したグローバル監視 の可能性も真剣に検討され始めている。もしそうであれば、 私たちは存続のために、一定の範囲で、自由やプライバシーを手放 すことに同意せざるを得ないかもしれないし、それを許容する新た な共通認識を構築する必要があるかもしれない。同時に、 そうした、共通の価値にそって人々を支え、包括的にリスクを低減 するエコシステムを構築するためにロバストなAI社会を開発する 必要も生じるとおもわれる。

講演資料:

シンギュラリティサロン #39 島崎 秀昭「脳の理論の過去・未来:ベイズ脳仮説からニューラルエンジンへ」

講演
13:30-15:00 講演: 「脳の理論の過去・未来:ベイズ脳仮説からニューラルエンジンへ」
15:00-15:30 自由討論

講師 
島崎 秀昭 (京都大学大学院情報学研究科 特定准教授)

定員 100名(先着順・入場料無料 ※会場のナレッジサロンの規約により、18最未満の方は参加できません。また18歳でも高校生は参加できません。ご了承ください。)

講演概要
本講演では脳の理論的理解を目指してきた計算論的神経科学・理論神経科学の発展の歴史を,それを支える主要な実験結果や他分野との関わりとともに紹介する.自然刺激への適応に基づく古典的な認識の理論から,外界のモデルを脳の中に持つとするベイズ脳仮説,そして環境に対する働きかけを推論の枠組みに取り入れ認識と行動の統一的理解を目指す自由エネルギー原理.これらがどのような実験事実に基づき(あるいは基づかず)構築され,情報理論・機械学習・統計物理といった他分野とどのような関わりのなかで発展してきたかを解説し,今後の展望を述べる.発展的試みのひとつとして動的にベイズ推論を実現する脳を情報論的なエンジンとして扱い,注意・意識的体験を含む脳の高次機能の説明を試みる新しいパラダイム「ニューラルエンジン仮説」を紹介したい.

参考文献
島崎秀昭. 認識と行動の適応原理. 日本神経回路学会誌 (2018) 25(3) 86-102
島崎秀昭. ベイズ統計と熱力学から見る 生物の学習と認識のダイナミクス 日本神経回路学会誌 (2019) 26(3) 72-98

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #37 浅川 伸一「自然言語処理と画像処理における最近の注意モデル」

講演
2019/09/22 (日)
13:30-15:00 講演: 「自然言語処理と画像処理における最近の注意モデル」
15:00-15:30 自由討論

講師 
浅川伸一 (東京女子大学 情報処理センター)

定員 100名(先着順・入場料無料)

講演概要
 昨年, 自然言語処理分野では人間を凌駕する性能のモデルが複数提案され た。これらに関するおびただしい数の解説論文や記事が書かれている。 これは 2014 年に画像処理分野で畳み込みニューラルネットワークが人間を超える 性能を示し,アルファ碁が人間の世界チャンピオンを破った事件と比肩しうる出来 事であろう。本発表では, これら自然言語処理分野で注目を集めている注意モデルについて展 望を与えることを試みる。注意は,認知心理学,神経心理学, 生理学などの分野で知見が蓄積されてきた。 たとえば注意にはボトムアップ型とトップダウン型の注意が存在し,神経対応物も見いだされている。 これらの知識と最近の自然言語処理分野で提案された注意モデルとを比較し整理することは意味があると考え る。

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #36 甘利 俊一「脳と人工知能:シンギュラリティは起こるのか?」

講演
2019/07/07
13:30-15:00 講演: 「脳と人工知能:シンギュラリティは起こるのか?」
15:00-15:30 自由討論

講師 
甘利俊一 (理化学研究所栄誉研究員、東京大学名誉教授)

定員 100名(先着順・入場料無料)

講演概要
 人工知能が素晴らしい発展を遂げ、 産業構造と文明を変えるかもしれないとまでいわれている。では、 どのような文明が待っているのだろうか。本講演では、 人工知能の研究の歴史から始め、人工知能、 深層学習の素晴らしい発展を見るとともに、今のAIの問題点を考 察する。今のままでは、これは人の知能にはるかに及ばない。 その克服の方向を探るには、脳の仕組みに学ぶ必要がある。

 脳は、永年の進化の歴史が生み出した傑作である。 その仕組みを垣間見るとともに、 人工知能がまだ汲み取っていない、脳の機能を調べよう。 脳は心を宿し、意識を作り出した。 人間の脳は神経回路網を用いて、 外部の入力からその先を素早く予測する。 プレディクションである。しかしそれだけではない。 重要なことは意識に上らせ、 他の多くの情報を統合しながらじっくりと吟味する。 これがポストディクションである。今の人工知能にはこれがない。

 ロボット(人工知能)は心を持つだろうか。人は、 社会生活を行う進化の過程で心を発展させ、共感を持つに至った。 しかし心は不条理である。ロボット(人工知能)は、 人の心の働きを理解し、それに合わせることはできる。しかし、 ロボットは合理的、論理的で、 それ自身が悲しんだり喜んだりする振りはできても、 そのような無駄はしない。

 これから、人工知能が人類の知能を超え、 人間を不要のものとするシンギュラリティが訪れるのか、 その前に人類の文明は何をしなければいけないのかを考えよう。

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #35 乾 敏郎「感情生成の設計図:自由エネルギー原理を基礎に」

講演
2019/06/22 (土)
13:30-15:00 講演: 「感情生成の設計図:自由エネルギー原理を基礎に」
15:00-15:30 自由討論

講師 
乾 敏郎(追手門学院大学)

定員 100名(先着順・入場料無料)

講演概要
自由エネルギー原理(Free Energy Principle)は、知覚・認知・運動・注意・感情・意思決定・思考をつなぐ大統一理論である(Friston, 2010; 乾, 2018, 2019)。自由エネルギー最小化は、Helmholtzの無意識的推論とFristonの能動的推論によって実現される。前者は知覚の、後者は運動の原理である。
本講演では、まず感情が生まれる脳-身体アーキテクチャーについて説明する。ついで自由エネルギー原理によっていかに感情という機能が説明できるかを考察する。

文献
Friston, K. (2010) The free-energy principle: a unified brain theory? Nature Reviews Neuroscience, 11, 127-138.
乾 敏郎(2018)感情とはそもそも何なのか-現代科学で読み解く感情のしくみと障害-,ミネルヴァ書房
乾 敏郎(2019)自由エネルギー原理 -環境との相即不離の主観理論- 認知科学(執筆中)

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#34(東京第31回) 吉田 正俊「自由エネルギー原理と視覚的意識」

名称: シンギュラリティサロン @東京 第 31 回公開講演会
日時: 2019年6月8日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
会場: 大手町サンケイプラザ 3 階
主催: シンギュラリティサロン
共催: 株式会社ブロードバンドタワー
講師: 吉田 正俊 (生理学研究所 認知行動発達機構研究部門 助教)
演題: 『自由エネルギー原理と視覚的意識』

講演概要:
フリストンの自由エネルギー原理では、外界に関する生成モデルと現在の認識から計算される変分自由エネルギーを最小化するために、1) 脳状態を変えることによって正しい認識に至る過程 (perceptual inference) と 2) 行動によって感覚入力を変えることによって曖昧さの低い認識に至る過程 (active inference) の二つを組み合わせていると考える。
本講演の前半では自由エネルギー原理について、我々が視線を移動させながら視覚像を構築してゆく過程を例にとって、簡単な説明を試みる。本講演の後半では、このようにして理解した自由エネルギー原理を元にして「自由エネルギー原理と現象学に基づいた意識理論」を提唱する。この理論において意識とは、 自由エネルギー原理における推測と生成モデルとを照合するプロセスそのものであり、イマココでの外界についての推測と非明示的な前提条件の集合である生成モデルとが一体になって意識を作り上げている。この考えはフッサール現象学における意識の構造についての知見と整合的である。
定員: 100名
入場料: 無料
聴講者: 小林 秀章 (記)
https://peatix.com/event/676133
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シンギュラリティサロン #33「意識をめぐる大冒険」(ジャパンスケプティクス共同開催)

概要
2019/03/10
13:30 – 14:10 講演1「意識は情報かアルゴリズムか? -20年後の意識のアップロードに向けて-」
渡辺 正峰氏 (東京大学大学院工学系研究科 准教授)

14:10 – 14:50 講演2「意識の理論を構築するための共通のフレームワーク」
大泉匡史 (株式会社アラヤ 基礎研究グループ マネージャー)

14:50 – 15:00 休憩
15: 00-15:40 パネルディスカッション「意識をめぐる大冒険(仮題)」

 登壇者
  渡辺正峰
  大泉匡史
  小林秀章 (セーラー服おじさん)

 モデレータ
  松田卓也(神戸大学名誉教授、シンギュラリティサロン主宰)

15:40 – 16:00 交流会

定員 100名(先着順・入場料無料)

講演概要

講演1「意識は情報かアルゴリズムか? -20年後の意識のアップロードに向けて-」
渡辺 正峰氏 (東京大学大学院工学系研究科 准教授)

 意識は一体何から生まれるのか。哲学者のチャーマーズは、すべての情報が意識を生む(「情報の二相理論」)と主張し、神経科学者のトノーニは、統合された情報にのみが意識を生む(「統合情報理論」)と主張している。最大の問題は、これら「意識の本質」にまつわる仮説を検証する術を我々が持たないことだ。素直に考えれば、意識を有する脳を用いて仮説群を検証すべきところだが[1,2]、生体である宿命から、仮説検証に必要な「意識の本質」の抽出が許されない。無理に抽出しようとすれば、今度は脳が死んでしまう。

 この壁を乗り越えるべく、機械へと意識を宿す試み、すなわち、アナリシス・バイ・シンセシスによって意識の本質へと迫る手法を取り上げる。ここで必須となるのは、機械の意識を検証する手法である。空気がなければ飛行機械の開発がままならないように、人工意識の検証法なくして、アナリシス・バイ・シンセシスによる意識の探求は成立しない。

 そこで、機械の意識を検証する手法として「人工意識の脳接続主観テスト」[3,4]を提案する。当該機械を自らの脳に接続することにより、自らの意識をもって機械の意識を”味わう”。ただし、人工網膜や人工鼓膜によっても感覚意識体験が生じてしまうように、単に脳に機械を接続すればよいというものではない。テストの可否を握るのは、機械に意識が宿った場合にのみ、脳との間で感覚意識体験が共有される機械と脳の接続のあり方だ。ヒントとなるのは、ロジャー・スペリーによって二つの意識が共存することが示された分離脳である。

 また「人工意識の脳接続主観テスト」を思考実験として用いることにより、情報に意識が宿るとするこれまでの仮説群の問題点を指摘し、その代案として、神経アルゴリズム(生成モデル)が意識を生むとする自身の仮説[5]を紹介する。

 最後に意識の機械への移植について議論する。上記、主観テストの方法を用いて機械と脳を接続し、いくつかの仮定が正しかったなら、20年後の意識のアップロードも視野に入ってくる。

[1] Watanabe, M., K. Cheng, Y. Murayama, K. Ueno, T. Asamizuya, K.
Tanaka and N. Logothetis (2011). “Attention but not awareness
modulates the BOLD signal in the human V1 during binocular
suppression.” Science 334(6057): 829-831.
[2] Watanabe, M.; Nagaoka, S.; Kirchberger, L.; Poyraz, E.; Lowe, S.;
Uysal, B.; Vaiceliunaite, A.; Totah, N.; Logothetis, N.; Busse, L. et
al.: Mouse primary visual cortex in not part of the reverberant neural
circuitry critical for visual perception. (in revision)
[3] Watanabe, M. (2014). “A Turing test for visual qualia: an
experimental method to test various hypotheses on consciousness.” Talk
presented at Towards a Science of Consciousness 21-26 April 2014,
Tucson: online abstract 124
[4] 渡辺正峰(2017)「脳の意識 機械の意識」中央公論新社
[5] 渡辺正峰(2010)「意識」『イラストレクチャー 認知神経科学―心理学と脳科学が解くこころの仕組み』村上郁也編、オーム社

講演2「意識の理論を構築するための共通のフレームワーク」
大泉匡史 (株式会社アラヤ 基礎研究グループ マネージャー)

意識の科学的研究が本格的に始まったのは1990年代頃からで、 神経科学者を中心に様々な実験的知見が集められ、意識研究は大き く前進した。しかしながら、未だに意識の本質的な理解には程遠い 状況である。この状況を打破するためには、 実験事実の蓄積だけではなく、実験事実を統一的に説明し、さらに 新しい現象を予測する力のある理論が必要である。現在、様々な意 識の理論が提唱されているが、そもそも意識の理論とはどのように 構築されるべきかに関して、共通のフレームワークが不足している と思われる。本講演では、意識の統合情報理論を一つの雛形として 考え、意識の理論を構築するための共通のフレームワークを提案す る。このフレームワークを元にして、意識の理論は今後どのように 構築され、検証されるべきか、そして理論の果たすべき役割とは何 かを議論する。最後に、意識の理論を元にして、 人間以外の動物の意識、あるいは機械の意識はどう評価されるべき かを検討する。

主催
シンギュラリティサロン
ジャパンスケプティクス

共催

株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #32 浅田 稔「人工痛覚回路はシンギュラリティか?」

講演
2018/12/01
13:30-15:00 講演: 「人工痛覚回路はシンギュラリティか?」
15:00-15:30 自由討論

講師 
浅田 稔 (大阪大学大学院工学研究科 教授)

定員 100名(先着順・入場料無料)

講演概要
近年の深層学習に代表される人工知能の興隆はめざましく, 人間のあらゆる能力を超えていく勢いである.しかしながら, BigData, GPGPUに代表される巨大なデータ量と莫大な計算資源の支援が必要で, 量で圧倒する力づくの感がある.これに対し,人間は,エネルギー効率( これは他の種と共有)がよいばかりでなく,量と異なる質の問題,すなわち「心」 の課題をもっており,身体性や社会性が大きなカギであり. 現状の深層学習が不得意な部分である.本講演では,人工システムに痛覚回路を埋め込むことで, 痛みの感覚,他者の痛みへの共感,さらにモラル, 倫理感へと発展する思考実験を検討し,来るべき共生社会のありかたを議論する.

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン#31 大泉 匡史「意識の統合情報理論から意識の理論の創り方を考える」

名称: シンギュラリティサロン #31
日時: 2018年9月15日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
場所: グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ
主催: シンギュラリティサロン
共催: 株式会社ブロードバンドタワー
   一般社団法人ナレッジキャピタル
講師: 大泉 匡史氏 (株式会社アラヤ マネージャー)
演題: 『意識の統合情報理論から意識の理論の創り方を考える』

講演概要:
意識の統合情報理論 (IIT) とは、意識の量 (意識レベル) と意識の質 (クオリア) を、ネットワークの中の情報と統合という観点から数学的に定量化しようとする試みである。IIT は、深い睡眠時に意識が失われるのはなぜか、視覚と聴覚のクオリアの違いは何によって決まるのか、複数の意識 (例えば二人の人間の脳) の間の境界はどのように決まるのか、脳の中の意識の座はどこかといった問題に関して、統一的な説明と予測を与える。IIT はまだ発展途上の理論であり、実験的な検証が十分に成されているわけではない。しかしながら、IIT を意識の理論の一つの雛形として考えることで、意識の理論とはどのように創るべきかを考えることができる。

本講演では IIT を通して、意識の数理的な理論はどう創るべきか、そしてそれをどのように検証していくべきかを議論する。また、IIT が人間の意識だけでなく、他の生物の意識、そして人工知能の意識を理解する上で、どのように役に立ち得るかを議論したい。
定員: 100名
入場料: 無料
聴講者: 小林 秀章 (記)
https://ss31.peatix.com/
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シンギュラリティサロン#30 渡辺正峰「『人工意識の脳接続主観テスト』が切り拓く意識の科学のこれから」

『シンギュラリティサロン #30』(7/21(土)) 聴講レポート

名称: シンギュラリティサロン 第 30 回公開講演会
日時: 2018年7月21日(土) 1:30pm ~ 4:00pm
場所: グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ
主催: シンギュラリティサロン
共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
   一般社団法人ナレッジキャピタル
講師: 渡辺 正峰氏 (東京大学大学院工学系研究科 准教授)
演題: 『「人工意識の脳接続主観テスト」が切り拓く意識の科学のこれから』
講演概要:

研究対象としての「意識」は、長らく哲学と科学の間を彷徨ってきた。意識の仮説を検証する術を我々が持たないためだ。素直に考えれば、意識を有する脳を用いて仮説群を検証すべきところだが、生体である宿命から、仮説検証に必要な「意識の本質」の抽出が許されない。無理に抽出しようとすれば、今度は脳が死んでしまう。ここで「意識の本質」の候補をあげるなら、哲学者のチャーマーズは、すべての情報が意識を生む (「情報の二相理論」) と主張し、神経科学者のトノーニは、統合された情報のみが意識を生む (「統合情報理論」) と主張している。

拙書『脳の意識 機械の意識』(中公新書) ではこの壁を乗り越えるべく、機械へと意識を宿す試み、すなわち、アナリシス・バイ・シンセシスによって意識の本質へと迫る手法を取り上げた。ここで必須となるのは、機械の意識を検証する手法である。空気がなければ飛行機械の開発がままならないように、人工意識の検証法なくして、アナリシス・バイ・シンセシスによる意識の探求は成立しない。

私が提案するのは、「人工意識の脳接続主観テスト」[1]である。当該機械を自らの脳に接続することにより、自らの意識をもって機械の意識を“味わう”。ただし、人工網膜や人工鼓膜によっても感覚意識体験が生じてしまうように、単に脳に機械を接続すればよいというものではない。テストの可否を握るのは、機械に意識が宿った場合にのみ、脳との間で感覚意識体験が共有される機械と脳の接続のあり方だ。ヒントとなるのは、ロジャー・スペリーによって二つの意識が共存することが示された分離脳である。検証の原理が指し示されることにより、意識の科学が「真の科学」(仮説提案と仮説検証の繰り返しによる本質の追求) へと昇華することが期待される。

最後に「人工意識の脳接続主観テスト」を思考実験として用いることにより、情報に意識が宿るとするこれまでの仮説群の問題点を指摘し、その代案として、神経アルゴリズム (生成モデル) が意識を生むとする自身の仮説 [2] を紹介する。
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シンギュラリティサロン#29 津田一郎「創発インタラクション:ダイナミクスが生み出す知の可能性」

  名称: シンギュラリティサロン 第 29 回公開講演会
  日時: 2018年6月2日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
  場所: グランフロント大阪・ナレッジサロン・プレゼンラウンジ
  主催: シンギュラリティサロン
  共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
     一般社団法人ナレッジキャピタル
  講師: 津田 一郎氏 (中部大学 創発学術院 教授)
  演題: 『創発インタラクション: ダイナミクスが生み出す知の可能性』
  講演概要:
     IoT 時代のヒトを取り巻く環境は熱浴的なものではなく複雑にネットワーク化されたものです。このような複雑系である環境に対して適応的に働きかけ情報を獲得するようなインタラクションとは何でしょうか。私たちは現在 JST の CREST プロジェクトにおいてこの問題に多角的に取り組んでいます。

     本講演では、プロジェクトの全体構成を概説し、特に私のグループで進行している研究について紹介します。鍵になる概念は典型的には脳の機能分化に見られるような拘束条件付き自己組織化で、これはプロジェクト全体の骨格をなします。
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シンギュラリティサロン@東京#25 松田 卓也「教育のシンギュラリティ」

  名称: シンギュラリティサロン@東京 第 25 回公開講演会
  日時: 2018年2月17日(土) 1:30pm ~ 4:00pm
  場所: リコー IT ソリューションズ株式会社本社
     晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワー X 42 階
  主催: シンギュラリティサロン
  共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
     リコー IT ソリューションズ株式会社
  講師: 松田 卓也氏 (神戸大学名誉教授)
  演題: 『教育のシンギュラリティ』
  講演概要:
 人工知能とロボットの発達により、今後 10 ~ 20 年で多くの仕事が失われていくだろう。それを技術的失業と呼ぶ。それに伴って新しい仕事も生まれてくる。技術的失業をした人々は、より高度な新しい創造的仕事に移るか、あるいはより低賃金の既存の仕事に移るかしなくてはならない。高度な仕事に移るには、そのための技術を習得しなければならないが、それがどんなものかは今は分からない。言えることは、学校で学んだ技術や知識が急速に陳腐化していくことである。それを防ぐには、我々は常に学ばなければならない。真の意味での生涯学習である。既存の学校システムがそれに適するかは分からないが、やはり独学が重要になってくる。ここでは独学の一手法としてのオンラインコースの利用について紹介する。また教育の人工知能化についても論じる。

  定員: 100名
  入場料: 無料
  https://peatix.com/event/348978
  聴講者: 小林 秀章 (記)

【タイムテーブル】
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シンギュラリティサロン #28 中野 圭「なにわのシュルレアリストによるAIとアート」

講演
2018/02/10 (土)
13:30-15:00「なにわのシュルレアリストによるAIとアート」
15:00-15:30 自由討論

講師 
中野 圭(シュルレアリスト、大阪芸術大学 芸術学部 アートサイエンス学科 准教授、Facebook: 中野 圭 )

定員 100名+α(先着順・入場料無料)
※ご来場の際はナレッジサロン受付けで、シンギュラリティサロンに参加される旨、お伝え下さい。

講演概要
ICTが世の中に普及してから20年程経っており、最近ではAIの実用化についてもニュースなどからも伝えられている。深層学習、機械学習などの統計的な手法についてもユーザーレベルで利用できるツールについても幾つか紹介がなされている。
今年度はAIとアートをテーマに研究を行ってきたこともあったので、最新の技術動向とその活用例について発表する。
ボーカロイド技術の研究の中で10数年前から現在のAI技術の研究開発と作品制作を行ってきた経験からシュールレアリスム(超現実主義)がICTからAIまでを網羅したメディアアートにおいても有用であり、梅田駅などヨーロッパ諸国の地下鉄と遜色ない景観を保つ大阪において、「なにわのシュルレアリスト」を名乗る意義についても熱く語る。

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #27 松田 卓也「教育のシンギュラリティ」

講演
2018/01/14
13:30-15:00「教育のシンギュラリティ」
15:00-15:30 自由討論

講師 
松田 卓也(AI2オープンイノベーション研究所所長、神戸大学名誉教授)

定員 100名+α(先着順・入場料無料)
※ご来場の際はナレッジサロン受付けで、シンギュラリティサロンに参加される旨、お伝え下さい。

講演概要
人工知能とロボットの発達により、今後10-20年で多くの仕事が失われていくだろう。それを技術的失業と呼ぶ。それに伴って新しい仕事も生まれてくる。技術的失業をした人々は、より高度な新しい創造的仕事に移るか、あるいはより低賃金の既存の仕事に移るかしなくてはならない。高度な仕事に移るには、そのための技術を習得しなければならないが、それがどんなものかは今は分からない。言えることは、学校で学んだ技術や知識が急速に陳腐化していくことである。それを防ぐには、我々は常に学ばなければならない。真の意味での生涯学習である。既存の学校システムがそれに適するかは分からないが、やはり独学が重要になってくる。ここでは独学の一手法としてのオンラインコースの利用について紹介する。また教育の人工知能化についても論じる。

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #26 三宅 陽一郎「デジタルゲームが拓く人工知能」

講演
2017/12/16 (土)
13:30-15:00「デジタルゲームが拓く人工知能」
15:00-15:30 自由討論

講師 
三宅 陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー)

定員 100名(先着順・入場料無料)
※今回の会場は、いつもの会場(ナレッジサロン)とは異なります。下記アクセス方法をご確認の上、お間違えがないようにお越しください。
アクセス:https://www.kc-space.jp/accessmap/conference/

講演概要
 知能は世界に対して相対的に形成されます。デジタルゲームにおけるプレイヤー以外のキャラクター(NPC)が持つ知能「キャラクターAI」は、構築された3次元空間の中で生きる、リアルタイムで、インタラクティブに反応する身体を持つ人工知能です。また、ゲーム全体を統御する「メタAI」は、ユーザーの心理を推定しながら、ゲームを動的に変化させます。さらに変化するゲームステージの環境をリアルタイムに地形解析によって把握する環境認識の「ナビゲーションAI」も発展しています。
 ゲームは「メタAI」「キャラクターAI」「ナビゲーションAI」3つの人工知能が協調するシステムとなっています。
 また近年では、ゲームの外の人工知能「自動テストAI」「自動デバッグAI」「自動ゲームバランシングAI」シミュレーションによる「自動パラメーター抽出」も発展し、ゲームは人工知能によって内側からダイナミックに躍動され、外側から安定化されます。本講演では、最新のゲームAIの全体像をお伝えいたします。

講師経歴
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程を経てデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』『絵でわかる人工知能』(SBCr)、著書『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)『人工知能のための哲学塾』(BNN新社)『人工知能の作り方』(技術評論社)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68)翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)最新の論文は『大規模ゲームにおける人工知能─ファイナルファンタジーⅩⅤの実例をもとに─』(人工知能学会誌 2017年、AI書庫にて公開)

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン@東京#23 金井 良太「人工意識の話」

『シンギュラリティサロン@東京 #23』(10/21(土)) 聴講レポート 報告:小林 秀章

  名称: シンギュラリティサロン@東京 第 23 回公開講演会
  日時: 2017年10月21日(土) 1:30pm 〜 4:00pm
  場所: リコー IT ソリューションズ株式会社本社
     晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワー X 42 階
  主催: シンギュラリティサロン
  共催: 株式会社ブロードバンドタワー、
     リコー IT ソリューションズ株式会社
  講師: 金井 良太氏 (株式会社アラヤ 代表取締役)
  演題: 『人工意識の実現』
  講演概要:
     意識という主観的な現象も自然現象の一部であるから、自然法則に従っているはずであり、それが生じる何らかのメカニズムが存在するはずである。また、その機能的条件を満たす物理システムであれば、脳以外の物質的基盤からでも生み出すことが可能であろうと予想される。つまり、原理的には人工意識の構築は可能であろう。しかしながら、その本質的な条件が何であるかは、現時点では分かっていない。

     心理学や神経科学の研究から浮かび上がってきた意識の機能を分析することによって、意識の本質的な機能は「反実仮想的な状況の感覚表現を内的なモデルに基いて生成する能力」であるという仮説を構築した。これを「意識の情報生成理論」と呼ぶ。

     反実仮想の生成過程を現代的なニューラルネットワークによって実装することにより、人工意識のプロトタイプが構築できる可能性があると考えている。(要約: 小林)
  定員: 120名
  入場料: 無料
  http://peatix.com/event/309194
  聴講者: 小林 秀章 (記)

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シンギュラリティサロン #25 伊藤 恵理「航空管制✖️シンギュラリティ」

講演
2017/09/30 (土)
13:30-15:00「航空管制✖️シンギュラリティ」
15:00-15:30 自由討論

講師 
伊藤 恵理
(国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所 航空交通管制領域 主幹研究員)

定員 100名(先着順・入場料無料)
※今回の会場は、いつもの会場(ナレッジサロン)とは異なります。下記アクセス方法をご確認の上、お間違えがないようにお越しください。
アクセス:https://www.kc-space.jp/accessmap/conference/

講演概要
いま、この瞬間にも、世界の空には約6000機を超える航空機が飛行している。一機あたり150〜200人が搭乗していると仮定すると、常時100万人を超える人が空を飛んでいる試算になり、まさに天空の巨大都市だ。アジアの経済成長をうけて、航空需要はさらに増加すると試算されている。このような空の往来をシステム化するために、航空管制分野でもコンピュータによるオートメーションの導入が進められている。ハードウェア、ソフトウェア、そして人間社会が協働する社会システムである『航空管制システム』を実現するために、どのような技術的革新が進んでいるのか? 研究開発の最先端から、航空管制におけるシンギュラリティに迫る。

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

シンギュラリティサロン #24 前野 隆司「受動意識仮説と幸せ」

講演
2017/09/23 (土)
13:30-15:00 「受動意識仮説と幸せ」
15:00-15:30 自由討論

講師 
前野 隆司(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネージメント研究科教授)

講演概要

まず、意識に上る「自由意志」は無意識的な自律分散的過程の結果を追体験しエピソード記憶するための機能であるという受動意識仮説について述べる。次に、受動意識仮説と仏教の関係、幸せな心の状態との関係について述べる。

関連図書:『脳はなぜ「心」を作ったのかー「私」の謎を解く受動意識仮説』(ちくま文庫)
     『幸せのメカニズムー実践・幸福学入門』(講談社現代新書)

シンギュラリティサロン#23 金井 良太「人工意識の実現」

サマリ1 報告者:松田卓也

2017/7/9にシンギュラリティサロンで人工意識についての金井良太さんの講演が行われました。それは人工知能に意識を持たせる研究です。意識と知能は別物です。例えばアルファGoは意識を持たない高度な知能です。精緻な人工知能を作っても自動的に意識が生まれるわけではありません。現状の深層学習では意識は生まれないと金井さんは見ます。

人工知能に意識を持たせることは、人工知能の判断、決定の説明可能性を保証するために重要と金井さんは見ます。人工知能に意識を持たせるためには、意識とは何かを解明する必要があります。無意識の行動と意識的な行動の差は時間的な記憶にあることを実験的に示します。
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シンギュラリティサロン#22 五十嵐 潤「京・ポスト京コンピュータによる脳の大規模シミュレーション:ペタスケールからエクサスケールへ」

さる2017年5月27日(土)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン#22(第22回公開講演会)を開催しました。

今回は、理化学研究所 情報基盤センター 上級センター研究員の五十嵐 潤さんに、「京・ポスト京コンピュータによる脳の大規模シミュレーション:ペタスケールからエクサスケールへ」と題してお話いただきました。

—————–

本日はまず、シンギュラリティと脳のシミュレーションについて整理してお話をします。その後に脳とはどのようなものなのか。それをシミュレーションするスーパーコンピュータとはどの様なものなのかを説明します。次に、ペタスケールのコンピュータによる脳のシミュレーションの話、次世代の脳シミュレーションの話をします。

シンギュラリティと脳のシミュレーション

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シンギュラリティサロン#21 石川 幹人「人工知能の当面の限界とその克服への展望~心理学と生物学の視点から」

日時 2017年03月12日(日)13:30- 18:00
場所 グランフロント大阪・ナレッジサロン内プレゼンラウンジ(ナレッジキャピタルへのアクセスはこちらを、施設内のナレッジサロンへのアクセスはこちらをご参照ください)

講演1(13:30-14:30)
「人工知能の当面の限界とその克服への展望~心理学と生物学の視点から」 石川 幹人 (明治大学情報コミュニケーション学部教授)

【概要】
 最近の人工知能技術の進展はめざましい。将来人間が機械に支配されてしまうのではないかという恐れさえも表明されている。その恐れは1980年代の人工知能ブームの時にもささやかれたが、その後は「恐れるに足らず」としりぞけられた。今回もまた結局のところしりぞけられるのだろうか、それともこんどは本当に恐れるにふさわしいのだろうか。
 本講演では、1980年代に指摘された人工知能の限界のうち、何が克服されて何が克服されていないのかを解説する。また残された限界を克服する方向性について展望を述べる。

休憩(14:30-14:40)

講演2(14:40-15:40)
「疑似科学とされるものの科学性判定~超心理学の事例に注目して」 石川 幹人 (明治大学情報コミュニケーション学部教授)

【概要】
 自然科学は長足の進歩をとげ、農業や工業を通して我々の生活向上に貢献してきた。科学的方法やその成果は高く評価されるべきだろう。だが、科学の先端では、その成果はまだ不確定で揺らいでいる。確実性が高まるまでやたらに利用してはいけない。しかし、検証が不十分なサプリメントが、科学の装いのもとに売られている実態がある。
 本講演では、科学の装いをもっているだけで科学とは言えない「疑似科学」を見抜く方法を紹介する。一部、超心理学の研究テーマをとりあげながら、科学的方法を人間や社会に展開する場合の難しさについて触れる。

【講師プロフィール】
 1959年東京生まれ。東京工業大学理学部応用物理学科卒。同大学院物理情報工学専攻、松下電器産業(株)マルチメディアシステム研究所、(財)新世代コンピュータ技術開発機構研究所などをへて、1997年に明治大学文学部に赴任し、現在同大学院情報コミュニケーション研究科長。東京農工大学大学院工学研究科物質生物工学専攻にて論文博士(工学)拝受。専門は認知情報論および科学基礎論。2002年デューク大学に客員研究員として滞在。2013年国際生命情報科学会賞、2015年科学技術社会論柿内賢信記念賞などを受賞。現在「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」を運営。主な著書に、『入門・マインドサイエンスの思想~心の科学をめぐる現代哲学の論争』(共編著、新曜社、2004)、『心と認知の情報学~ロボットをつくる・人間を知る』(勁草書房、2006)、『人間とはどういう生物か~心・脳・意識のふしぎを解く』(ちくま新書、2012)、『超心理学~封印された超常現象の科学』(紀伊國屋書店、2012)、『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』(PHP新書、2016)などがある。

休憩(15:40-15:50)

パネルディスカッション(15:50-17:00)
「先端科技術と疑似科学問題」

【概要】
 先端科学技術を一般市民に向けて発信する場合に、その不確実さが適切に伝わらない問題点がある。研究者が夢を抱きながら研究を続けている途上にあるものが、確固たる成果ですぐに利用できるもののように感じられてしまう。またそれがビジネスに悪用されることもある。研究段階と利用段階を分離した「科学コミュニケーション」の確立について議論したい。

石川幹人、田中嘉津夫(岐阜大学名誉教授)、松田卓也(神戸大学名誉教授)、高橋昌一郎(國學院大学教授、司会)

懇親会(17:00-18:00)

第2回シンギュラリティシンポジウム ①「シンギュラリティへの道」松田卓也

今からちょうど2年前に、ナレッジサロンで「シンギュラリティサロン」を始めた。シンポジウムは今回が第二回。第一回は昨年7月に開催し、PEZY computing社の齊藤元章さんに来て頂いた。今回はWBAI(全脳アーキテクチャイニシアチブ)の山川さん、高橋さん、そして駒澤大学の井上講師、経済産業省産業再生課課長の井上さんと、豪華な顔ぶれ。井上講師は昨年末、「100人」(註:『日経ビジネス』(日経BP社/2016年12月19日号)の連載特集「次代を創る100人」)の1人に選出された。「100人」の顔ぶれは他にトランプ大統領、プーチン大統領、メルケル首相、安倍首相だ(会場笑)。

【超知能の定義】
私のシンギュラリティの定義は「超知能のできるとき」だ。そこにおられる(註:神戸大学大学院工学研究科教授でシンギュラリティサロン共同発起人の1人)塚本先生が私の一冊目の人工知能についての著書の中にある、「人工知能が人間の能力を超えるとき」という定義は間違いだとおっしゃる。私はそれに同意している。では超知能とは何か?「人間ひとりよりも圧倒的に高知能な存在」だ。ではこれは機械なのか?知能増強された超人間なのか?私は後者だと考えている。(塚本先生を指さし)ヘッドマウントディスプレイを装着されたあの姿(会場拍手、笑)。あのスマートウォッチ、7本も付けてはるんですよ(会場笑)、まさに超人間です(笑)。人工知能が科学をやるというよりも人間と人工知能が融合して科学をやる、これがAI駆動科学だ。高橋さんがこの先駆者ですでに会社を作っている。これから世界が変わる。科学技術が圧倒的に進歩し生産性も圧倒的に向上する。ユートピアが訪れ人間は働かなくてよくなる。

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第2回シンギュラリティシンポジウム ⑥ パネルディスカッション「日本からシンギュラリティを起こすには〜その具体的な方策」 

ファシリテータ:塚本昌彦 (神戸大学大学院工学研究科教授)
パネリスト:松田卓也、山川宏、高橋恒一、井上智洋、井上博雄 (以上、登壇順)

塚本:シンギュラリティサロンの発起人の1人の塚本です。
シンギュラリティサロンの活動が2年、このシンギュラリティシンポジウムは第二回ということで、シンギュラリティについていろいろな議論をしている。今日は「日本からシンギュラリティを起こす」というテーマで議論したい。パネリストのお手元には、〇×札とスケッチブックをお配りしている。いくつか設問を用意しているので、それに一斉に答えていただきディスカッションを進める形式でいきたい。

Q.0 シンギュラリティとは何か?

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第2回シンギュラリティシンポジウム ③「人類を再発明するのに必要な事=第五の科学・AI駆動型科学」高橋恒一 

私は人工知能をつくるという研究と、それを使って何かをやるという研究の両方をやっています。今回でシンギュラリティサロンでお話させて頂くのは3回目となります。少々抽象的な話もありますが、これまでの二回とは少し違った切り口からお話をさせて頂きます。

【総務省・AI開発ガイドライン(案)について】

今、総務省の情報通信政策研究所・AIネットワーク社会推進会議で「AI開発ガイドライン」のたたき台を作成しています(全脳アーキテクチャ関係者では、ドワンゴ山川さん・東大松尾さん・電通大栗原さんなどもメンバー。本日の講師の駒大井上さんも。)。去年のG7情報通信担当大臣会合や伊勢志摩サミットでも議題にして頂き、今OECDで国際合意に向けた議論が始まっています。先々週はWashington DCで開催された日米シンポジウム(主催は日本国大使館、米国側はカーネギー財団)に私もパネリストとして参加し、「異例に盛況」な盛り上がりの中、非常に協力的な雰囲気を作ることが出来、AIの分野で今後の日米のパートナーシップはどうあるべきかなどを議論しました。

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第2回シンギュラリティシンポジウム ④「シンギュラリティを問い直す -技術的特異点と経済的特異点-」 井上智洋

技術的特異点の諸説は、知能爆発の提唱から起こった
まず、技術的特異点について私の考えをお話ししたい。私は普段は経済成長理論、貨幣経済理論を扱っている経済学者である。人工知能についても副業として論じていて、昨年「人工知能と経済の未来」という本を出版し、日経の「次代を創る100人」に選ばれた。本業の本は売れていないのに、副業の人工知能の本のほうがよく売れている(笑)。技術的特異点(シンギュラリティ)には諸説あり、ムーアの法則型は未来学者のカーツァイルが紹介して広く知られている。カーツァイル自身はポストヒューマン型を提唱した。私は「知能爆発」のほうがシンギュラリティの元来の意味であった気がしていて、これはI・Jグッド、ヴァーナー・ヴィンジが提唱した。シンギュラリティを最初に公に提示したのも、知能爆発も、ヴァーナー・ヴィンジから始まっていると見たほうがいい。汎用AIが成立すると知能爆発が起こるとする説もあるが、そう簡単に超AIに至るわけではないのではないか?というのが今日の話だ。

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第2回シンギュラリティシンポジウム ⑤「国づくりに人工知能をどう活かすか?—新産業構造ビジョン—」 井上博雄

本日は貴重な機会を頂きありがとうございます。第四次産業革命で世界を日本がどうリードするか、今、政府が取り組んでいることをご紹介したいと思います。私が所属する経済産業省産業再生課では、人工知能、第四次産業革命にどう対応していくかの戦略づくりを担っています。
去年の9月から官邸に「未来投資会議」が結成され、国を挙げて人工知能や第四次産業革命に取り組まなければいけないと議論が始まっています。これまでの先生方のお話は未来を見据えた長期のお話ですが、私が今日お話しする内容は、その未来を手にするために目の前でやるべきことは何か、政府として取り組むべき事は何かということです。検討中の事項が多くありますので、皆様からのご意見を是非とも頂きたいと思います。(詳細はスライド資料をご参照)

参照スライド【アベノミクス成長戦略は、今どこにいて、何が求められているのか?】

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シンギュラリティサロン#20 塚本 昌彦 「ポケモンGOからシンギュラリティへ」

日時 2016年12月10日(土)13:30- 15:30
場所 グランフロント大阪・ナレッジサロン内プレゼンラウンジ

講演概要
今年はポケモンGOが突然世界的な大流行となった。その後下火になったものの、地理情報サービス、AR、ウェアラブルデバイスなど、これまで多くの企業がトライアルし、玉砕されてきた次世代情報サービスへのステップを一気に切り崩した。実はこれは将来のシンギュラリティへつながる大きなステップとみなすこともできる。本講演では、ポケモンGOが人類にもたらした大きなステップを分析し、シンギュラリティへとつながる今後の可能性について解説を行う。もしかしたら人類を超える知能を持ち、いつか人類を支配する脅威となるのは全地球に生息するポケモンとなるのかもしれない。

シンギュラリティサロン#19 山﨑 匡「ヒト全小脳リアルタイム シミュレーションを目指して」

2016年10月15日、グランフロント大阪・ナレッジサロンで開催されたシンギュラリティサロンで電通大による山崎匡さんの小脳の実時間シミュレーションの講演が行われましたが、とても興味深い素晴らしいものでした。

会場は一杯で講演後に熱い質疑応答がかわされ、その後も講師との個別の議論が続きました。

小脳は脳全体に占める体積では10%だけですが、ニューロンの数では80%と圧倒的です。大脳皮質は6層であるのに対して、小脳は3層で浅いが、それをニューロンの数で補っているようです。小脳はニューラルネットの言葉で言えば、リキッドステートマシンと呼ばれるものに相当します。

山崎さんの発表は、ネコ程度の細胞数の小脳の実時間シミュレーションについてです。解くべき基礎方程式はニューロンの電位を決める非常に具体的な常微分方程式で、時間的に積分します。スパイキングニューロンモデルです。小脳は大脳と違って、マスターアルゴリズムがよく分かっているので、非常に現実的なシミュレーションができます。

計算は理研にある2ペタフロップスの齊藤スパコンの菖蒲を1週間走らせました。モデル小脳に運動学習をさせるために必要な時間です。講演では具体的なコード、齊藤スパコンで速く走らせるための工夫など、生々しい話も紹介されました。結果は素晴らしいもので、世界最大規模であり、また実験結果をうまく再現します。

話を聞いて受けた感想は、日本の小脳科学は世界の第一線を走っているというものです。そのことは小脳のレビュー論文を調べてもわかります。第一人者の伊藤正男先生は87歳にして現役で論文を書いておられるそうです。大いに励みになります。英語で論文を書くことが、世界の評価につながります。この点は人工知能学界の研究者が心すべきことです。

2018年にはできるであろう最高速度260ペタフロップスの齊藤スパコンを用いて、ヒト小脳の実時間シミュレーションをする予定だそうです。その先は2019年に予定されている1エクサフロップスの齊藤スパコンを用いた、大脳のシミュレーションでしょう。EUに先駆けて全脳シミュレーションをすることも夢ではありません。

(報告:松田 卓也)

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*講演資料:

シンギュラリティサロン #18 倉重 宏樹「知識:その神経科学,その意義,その進化」

講演
2016/09/18 (日)
13:30-15:00「知識:その神経科学,その意義,その進化」
15:00-15:30 自由討論

講師 
倉重 宏樹(電気通信大学大学院情報理工学研究科研究員)

定員 100名(先着順・入場料無料)

※ご来場の際はナレッジサロン受付けで、シンギュラリティサロンに参加される旨、お伝え下さい。

講演概要
人類の歴史は知識の発展の歴史であるといっても過言ではない.我々は個人のレベルでも,また人類コミュニティのレベルでも,外界からの情報や脳の内部で創成した情報を,知識として構造化して発展させてきた.このような知識の発展は,しかしながらただ無作為的に情報が蓄積する過程ではない.多くの神経科学や心理学の知見は,知識がいかに発展するかについての法則性を明らかにしつつある.本講演では,それらの知見を概観した後,とくに脳の作動原理としての最適化という観点から,知識の発展過程を記述しうる理論を模索したい.さらにこれを踏まえ,知識発展のテクノロジーによる増進の可能性を,とくに人工知能との共創という観点から議論したい.

主催
シンギュラリティサロン

共催
株式会社ブロードバンドタワー、一般社団法人ナレッジキャピタル

第1回シンギュラリティシンポジウム ⑤「次世代を生きる僕たちが創るもの」佐久間洋司

今日は錚々たる登壇者の中に混ざって、どうして一介の学生が講演をするのかと疑問に思っている方も多いのではないかと思います。しかしながら、本日お越しいただいた皆さんは、特に150名の学生の皆さんは、僕の話だけを聞いて帰ればいいのかもしれないという理由が一つあります。シンギュラリティが起こるという2045年に生きているのは、今日の登壇者で僕だけかもしれないということです。

「新しい時代を作るのは老人ではない!」という名言があります。誰が言ったかというと、シャア・アズナブル(ガンダム)の言葉だそうです。でもこの台詞ですら、僕たちはリアルタイムで聞いたことのない世代なのです。今日は僭越ながら、そんな世代を生きる学生の一人として、シンギュラリティに向けて一つの提案をさせて頂こうと思っています。
その基本となるアイデアは、学生自身が自分たちの未来について考えなければいけないというものです。その日を、シンギュラリティを迎えた時、大人は誰も責任は取ってくれないかもしれないのです。
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第1回シンギュラリティシンポジウム ⑦ パネルディスカッション「本当に日本からシンギュラリティを起こせるのか?」

要約

 まず文部科学省の栗原潔氏から「政府の研究開発施策について」と題した話題提供があった。本シンポジウムのテーマであるシンギュラリティにも関連が深い分野である革新的人工知能研究を推進する体制の立ち上がりを示す政策に関する説明があり、大規模なICT分野のプロジェクトとして文科省がいままで本格的には参入していなかった分野とも言われるが昨年の概算要求により本年度54.5億円の予算措置がなされており、並行して国際的な研究活動への参画・ベンチャーエコシステムの確立等も重要、という認識が示された。
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第1回シンギュラリティシンポジウム ⑥「エクサスケーラーからプレ・シンギュラリティへ」齊藤元章

次世代スパコン開発は2年4カ月、汎用人工知能開発は1年目、次世代AIエンジン開発に着手したのは6カ月と短いが、本日は無礼講ということでお話したい。私は「やらないからできない」「無いものは自分達で作る」を旨としてやってきている。

人類が手にしたことがなかった「最強の科学技術基盤」を、我々は間もなく手に入れることになる。今日はこのような内容を、皆さんに頭に残して帰って頂けたらと思う。私の考えるところでは、この基盤は次世代AIエンジンと次世代スパコンの連携によって生まれてくる。

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第1回シンギュラリティシンポジウム ④「日本からシンギュラリティを起こそう」松田卓也

人類は今シンギュラリティに向かっています。シンギュラリティの定義は人それぞれで、レイ・カーツワイルは1000ドル(10万円)のPCの能力が全人類の知能に匹敵する時(2045年)と言い、また、グッドは知能爆発即ち、人工知能が自分のプログラムを書き換える時と言っています。また私は、超知能が出来る時だと思っています。この超知能は機械知能かもしれないし、機械知能で知能増強された人間かもしれません。
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第1回シンギュラリティシンポジウム ③「ウェアラブルの未来」塚本昌彦

ここ数年ウェアラブルは大変盛り上がっています。私は15年前からHMDを身に付けていてやっとこの時代が来たかと思いましたが、今年になって残念ながらIoT、人工知能に追い抜かれました。ウェアラブルは難しいと言われ、難航していますね。たくさんのハードルがあり、作り手使い手の双方の経験が足りていません。
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第1回シンギュラリティシンポジウム ②「AIコンタクトセンターに見る未来」石田正樹

まずはなぜAIでビジネスをやるのかということについてお話したいと思います。ここ20年間のGDPの伸び率を他国と比較してみると、日本だけがマイナス成長です。これは日本が技術革新ができていない、生産性が向上していないという事を示しています。他のアジア諸国では15歳から64歳までの生産年齢人口が増加しているのに比べ、日本は2006年をピークに7年連続減少、27万人減少しています。つまり生産する人がいないのです。技術革新をするしか日本の未来がないのです。
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第1回シンギュラリティシンポジウム ①「主宰者挨拶」

この度第一回シンギュラリティシンポジウムを開催することになりました。

シンギュラリティサロンは、日本からシンギュラリティを起こそうということで大阪にて設立されました。世話人は私の他、神戸大学教授・塚本先生、Xooms保田氏、ブロードバンドタワー根本氏、Eyes, Japan山寺氏です。2014年WIRED若林さんとお会いしたのがきっかけで、2015年9月経産省も共催し、WIREDシンポジウムを開催することになりました。大変な反響がありました。
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シンギュラリティサロン#17 大林茂「実用化が進む進化計算とその応用」

さる2016年6月19日(日)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第17回公開講演会」を開催しました。

今回は、東北大学流体科学研究所・所長/教授の大林茂さんに、「実用化が進む進化計算とその応用」と題してお話いただきました。

以下、講演要旨です。

今回のテーマである進化計算は、生物の進化や遺伝子をヒントにした計算手法だが、2018年に運航開始が予定されている国産ジェットMRJの機体設計に進化計算が取り入れられていたことが知られており、プロジェクトに参加していた講師の大林茂教授から、どのような計算が行われたのかがわかりやすく説明された。マーケットリサーチで大きく変化する設計コンセプトに対し、最適な機体を設計するには相反する要求性能のトレードオフ情報が重要であり、妥協解を見つけるために遺伝的アルゴリズムによる進化計算やデータマイニング、データの可視化といった手法が取り入れられたという。また、こうした計算手法は身近なものづくりにも活かされ、洗濯乾燥機の乾燥ファンを設計する際にも使われているといった意外な話も飛び出した。なお、大林教授は進化計算を応用し、ソニックブームの大幅な減少と燃費削減を実現する超音速複葉翼機「MISORA」の設計にも取り組んでおり、会場ではそうした話も行われた。

(報告:野々下 裕子)

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*講演資料:

シンギュラリティサロン#16 姫野 龍太郎「名人の技、その身体の動きは普通のプロとは違うのか」

さる2016年5月15日(日)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第16回公開講演会」を開催しました。

今回の講演者は、理化学研究所情報基盤センター長の姫野龍太郎さん。京都大学工学研究科修了後、日産で数値流体シミュレーションに携わり、その後、理化学研究所で、生体力学シミュレーション(人体などを対象とした力学シミュレーション)、スーパーコンピューター“京”の開発を主導されてきました。

現在は、コンピューターの開発と並行して、人体の制御への関心を深めているといいます。姫野さん曰く、「『脳が外界の刺激を受けて学習発達する』ことを考えれば、身体の動きの制御と脳シミュレーションはセットである」。

講演では、ジャイロボールの空気抵抗計算、スーパーコンピューター“京”による脳神経回路シミュレーション、プロ野球選手のピッチングフォームの解析、そば打ち職人の動作解析をお話されました。

以下、姫野さん視点の文章でまとめました。

ジャイロボールの空気抵抗計算

まず、野球のボール周囲の空気の流れの詳細な解析を行った。計算の最中、二種類の回転で空気抵抗が異なることを導き出したが(回転軸を横から見た場合に一回転で縫い目が二本現れるツーシームジャイロ、一回転で縫い目が四本現れるフォーシームジャイロ)、ジャイロボール用のピッチングマシンを使用した実際の実験では、なかなかその差を有意に測定できなかった。

精査の結果、ボールの受ける空気抵抗はボールの縫い目の高さに影響し、ボールの個体差(=縫い目の高さの違い)が、二つの回転の違いの検出を難しくしていることがわかった。ボールを製造する会社に「縫い目の高さが揃ったボールが欲しい」と伝えたところ、「同じ人が縫ったボールの縫い目の高さは同じになる」と聞かされ驚いた。

スーパーコンピューター“京”による脳神経回路のシミュレーション

2006年から2009年にかけて、スーパーコンピューター“京”の開発グループにグループディレクターとして参加した。最近の“京”の成果として、2013年に、当時世界最大規模(神経回路十兆個=ヒトの脳の1/100=カニクイザルの脳)の脳神経回路シミュレーションを行ったことがある。ベンチマークテストの結果、カニクイザルの脳の10秒程度の計算をシミュレートするために、“京”全体のシステムで数時間かかることがわかった。

ヒトの脳の計算をするには京の100倍程度のスーパーコンピュータができれば可能であり、ポスト京プロジェクトで開発するスーパーコンピュータはこの性能規模となっており、完成を楽しみにしている。

プロ野球選手のピッチングフォームの解析

現役20年目(被験者A)と現役2年目(被験者B)の2人の投手のピッチングフォームを、モーションキャプチャーを使って測定比較した。被験者Bはボールを放る際、腕の動きの寄与が著しく大きいのに対し、被験者Aは体幹部分の動きと腕に分散していた。体幹部分の筋肉は腕に比べ大きいため、この部分の寄与が大きいことは、長時間の負荷低減や故障の予防などにつながると考えられる。また実際に、筋肉を動かすエネルギーの何パーセントがボールの運動エネルギーに変換されたかを計算すると、被験者Aが5%以上、被験者Bで4%となり、体幹部分を使用したフォームの変換効率が大きいことがわかる。

そば打ち職人の動作の解析

ある蕎麦屋で上のピッチングフォームの話をしていたら、店主が偶然それを聞いていて、そば打ちの動作の解析に応用できないかという話になった。実際の測定は、名人、弟子、ハイアマチュアの3名にモーションキャプチャーをつけてのそば打ちをしてもらって比較した。そば打ちには様々な工程があるが、測定結果として、名人の動作は弟子に比べて、全体を通して、1.弱いが一定した力で、2.繰り返しの回数が多く、3.体幹部分の分担率が大きいという特徴が得られた。

今後の展望

このような「ヒトの動作」のデータの測定手法を、高齢者のトレーニングの最適化などへ応用できないかと考えている。

(報告:安田 創)

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*講演資料:

シンギュラリティサロン#15 美馬達哉「脳科学とエンハンスメント・その可能性と倫理」

さる2016年4月17日(日)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第15回公開講演会」を開催しました。

今回は、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授の美馬達哉氏が、「脳科学とエンハンスメント その可能性と倫理」と題してお話されました。

以下、講演要旨です。

シンギュラリティの前段階である脳刺激やエンハンスメント(機能増強)といった、「人間の能力を増強すること」が一体どういう意味を持つのか。また、私の専門である神経内科・脳科学の領域で今、何ができるのか。今日はその現状をご理解いただけるといいかと思う。

脳神経倫理(ニューロエシックス)がなぜ必要か

私が立命館大学に移るきっかけの一つになったのが、脳神経倫理(ニューロエシックス)を調べたことだ。人間の脳は宇宙と同じくらい難しいなどと例えられるほど、脳を理解するのは非常に困難である。仮に脳内の情報を読み取れるようになると、その人が何を考えているかが解る。これは大問題だ。観察は科学の始まりである。そして観察して理解することは、強い言葉でいうと支配しコントロールすることとつながるのだ。例えば教育や宗教のように、言葉を使って人の心や行動を変えることはできるだけでなく、物質的なテクノロジーによっても変えることができるとすればどうなるのか?その限界はあるのか?どこまでやっていいのかという議論が今、でてきている。これらがエシックスにつながる。
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シンギュラリティサロン#14 松田卓也「日本からシンギュラリティが起きる?」

さる2016年2月27日(土)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第13回公開講演会」を開催しました。

今回は、わがシンギュラリティサロン主宰・松田卓也先生の登壇! 「来るべきシンギュラリティ」と題して、この1年のさまざまな講演もふまえ、独自の「シンギュラリティ論」をさらにパワーアップして展開されました。

講演の前に開催された、ナレッジイノベーションアワード最終選考回では、めでたく、「コト」部門・優秀賞を受賞。折しも、記念講演?となりました。

(講演要旨は別途追記します)

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*講演資料:

シンギュラリティサロン#13 井上智洋「第二の大分岐-汎用人工知能は雇用を奪うか?経済成長をもたらすか?人々は遊んで暮らせるか?-」

さる2016年2月27日(土)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第13回公開講演会」を開催しました。

第13回目となる「シンギュラリティ・サロンは、駒澤大学経済学部の井上智洋氏を講師に迎え、「第二の大分岐−汎用人工知能は雇用を奪うか?経済成長をもたらすか?人々は遊んで暮らせるか?−」というタイトルで、マクロ経済の視点からAIが経済や雇用に与える影響について話が行われました。

AIの登場が人々の生活や仕事にどのような影響を与えるのか? 雇用を奪うか? それとも遊んで暮らせるようになるのか? といった話題がとりあげられ、その背景にある技術や社会背景についても解説されました。

2030年には人と同じレベルの知性を持った汎用人工知能(以下汎用AI)が登場すると分析。それによって、第4次産業革命という大きな技術革命がもたらされると予想されています。それからさらに汎用AIが普及するまで15年ぐらいかかることから、著書などで予測されている2045年頃にはシンギュラリティが到来する可能性があるともしています。

その際に最も影響を受けるのが労働で、囲碁AIのAlpha Goのような特定の分野で能力を発揮する特化型AIによる技術的失業の時代がやってくるのではないかと言われています。また、汎用AIが登場するとほとんどの仕事がなくなる可能性があり、労働や雇用のあり方そのものを変える必要が出てきます。その大きな変化がおきるのが井上氏が提唱する「第二の大分岐」であり、それに備えて今から汎用AIの研究開発に取り組むことが国の成長にも大きく影響を与えるだろうと指摘されています。

シンギュラリティが到来することに対して多くの人が心配しているのが「AIに仕事を奪われるかもしれない」ということでしょう。それに対し井上氏は「2045年にはAIのおかげで全人口の1割だけが働き、残りは所得配分で遊んで暮らせるようになるかもしれない」という大胆な意見を持っており、「ほとんどの労働をロボットが行うようになれば、人々は労働から解放され、人生を充実させるためにしたいことをするだけでいいユートピアがやってくるかもしれないと」とも話しています。

ただし、遊んで暮らせるようになるには、所得を再配分する仕組みが必要で、その点は、成人全員に株を配るクーポン型市場社会主義や国民全員に最低限の生活費を支給するベーシックインカムなどの解決案があるのではないかとしています。さらに、大きな生活格差が生じないよう、資本を独占されない仕組みや税収のあり方を考える必要があり、「シンギュラリティをユートピアにするには、技術的な課題と合わせて現実に起きる問題を見つめられる専門家がもっと関わることが大事」であるとしています。

そのための活動の一つとして、井上氏は、前回のシンギュラリティサロンに登壇した高橋恒一氏とともに「AI社会論研究会」というAIが社会にもたらす影響についてさまざまな議論を行う勉強会を開催されています。

AI社会論研究会

(報告:野々下 裕子)

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*講演資料:

シンギュラリティサロン#12 高橋 恒一「人類を再発明するのに必要なこと」

さる2016年1月31日(日)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第12回公開講演会」を開催しました。

今回は、理化学研究所 生命システム研究センターチームリーダーで全脳アーキティクチャ・イニシアティブの理事・副代表を務める、高橋 恒一氏が、「人類を再発明するのに必要なこと」と題してお話されました。

以下、講演要旨です。

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シンギュラリティー=人類の再発明

自己改良するAIによる爆発的な科学技術の発展、つまりシンギュラリティーが2045年ごろに起こると言われている。そうなれば人類の歴史上最も大きな出来事になるであろう。そのようなことは本当に起きるのだろうか、そしてそれは本当に2045年頃に起きるだろうか?今日はこのことについて真剣に考えてみたい。

シンギュラリティーに向けて、ロードマップを幾つかの段階に分けて考える必要がある。非常に大雑把に言えば、まずは一般に入手可能な計算機の能力がヒト並み(1H)に到達する2030年頃までの15年、次に人類全体を凌駕する2045年頃までの15年間の二段階がある。

現在から2030年までで具体的な壁となっているのは、プロセッサのエネルギー効率(発熱)だ。熱密度はすでに限界に到達しており、さらなるコンピュータの性能向上のネックになっている。半導体の微細化に関するムーアの法則が終わると言われている2020年ごろ以降も能力向上を続けるためには、ノイマン型から脳(ニューラル)型への移行が必要だろう。脳型コンピュータへの移行が実現できれば、あと3桁から6桁の性能向上は可能なので、2030年ごろに1Hの計算機を一般に普及させることも可能だろう。

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シンギュラリティサロン@東京#6 齊藤元章「プレ・シンギュラリティ ~科学技術の収穫加速的進化による社会的特異点の到来は近い~」

新春最初の公開講演会は、昨年、ベンチャー企業でありながら、Green500でトップ1からトップ3までを独占するという偉業を達成した株式会社PEZY Computingの代表取締役社長 齊藤元章様の講演でした。当日は、通常のサロンの2倍の座席を準備しましたが満席となり、皆様の興味の強さがうかがえました。齊藤様の講演も熱を帯びたものとなり、2時間近いご講演をいただき、質疑応答も含め2時間半超の熱い議論となりました。

講演内容は、収穫加速的進化がどのようにして社会を変化させていくかを
SDカードやレースゲームの画質など様々な例とともに、わかりやすく解説した後、具体的に、新エネルギーが生まれ、地産地消型になりエネルギーフリーに近づくと、農業、工業ともに生産性が劇的に向上するとともに、ものの価格が低下し社会が変化していくということを示されました。

また、シンギュラリティを起こす開発体制としてのスカンクワーク体制が適切であることを、熱核融合の開発の歴史におけるロッキードの小型熱核融合炉の重要性や最近のスパコン開発競争での大型化を例にわかりやすく説明していただきました。

最後に、シンギュラリティの先の形として、コネクトーム(100億個のニューロンと100兆個の接続)が全人類まで拡張されたアーススケールコネクトーム、銀河規模まで拡張されたギャラクシースケールコネクトーム、1500億個の銀河の密結合まで拡張されたユニバーサルスケールコネクトームという夢が広がる概念を提示されました。

(報告:根本茂)

シンギュラリティサロン#11 栗原聡「加速する人工知能研究の未来」

さる2015年12月26日(土)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第11回公開講演会」を開催しました。

話し手を務めたのは、電気通信大学大学院情報システム学研究科教授で、ドワンゴ人工知能研究所客員研究員、科学技術・学術政策研究所客員研究官、そして人工知能学会理事兼学会誌の論文誌編集長として、人工頭脳の研究開発分野全般に幅広く携わる栗原聡氏が招かれ、「加速する人工知能研究の未来」というテーマで発表が行われました。

今年一年のまとめともいえる今回の講演では、世界中から注目を集め、ブームともいえる状況にある人工知能の研究開発を取り巻く国内外の動きや背景についての解説からはじまり、主流となっている人工知能のタイプやDeep Learning研究の現状など、幅広い内容が取り上げられました。また、栗原教授が現在研究開発を進めている”場の空気を読む人工知能システム”こと『Aung-AI(あうん・人工知能)』は、どのようにして開発されているのかについてもくわしく紹介され、後半の質疑応答では会場から数多くの質問が寄せられました。

慶応大学の理工学研究科を卒業後、NTT基礎研究所や大阪大学で情報に関わる研究を長年続けてきた栗原教授は、現在のブームは3度目であり、Deep Learningも新しく登場したわけではなく、アイデアは相当前からあったものだと言います。人工知能といっても様々な種類がありますが、デザインの主流としては、「感情・意識を持つAI」「汎用AI」「スーパーAI」の大きく3つがあり、そこからシンギュラリティが生まれるのではないかとしています。

また、そうして分類された中でも様々なアイデアやアプローチがあり、例えば栗原教授が目指す『Aung-AI』は人とコンピュータが心地よく対話できる状態を実現するものですが、そこでは”心地よさ”の定義をどうするのかといったことや、人の脳がスーパーコンピューターを越える処理能力をどうして実現しているのかといったことを、ある時は生物学的に、ある時は社会学的に、または意識や無意識といった分野からも考察されています。

90分にわたる講演内容で印象的だったのは、人工知能を作る技術や環境が揃い、具体的なアプリケーションやシステムが出てくるようになったが、今後しばらく研究全体を牽引するのはこうした「弱い人工知能」だろいうというコメントでした。その理由は使いやすさにあり、研究開発では実際に作って、動かして、改良しないと競争には勝てない、とも栗原教授は言います。一方で、すでに欧米で人工知能の法律や倫理を研究する組織が次々登場しているのも、今後急速に社会の中でAIが身近になる可能性が高いことを示唆しています。それに対し栗原教授は、倫理規定やガイドライン制作は必要で、人工知能学会でも倫理委員会が立ち上がっているが、現実に人に寄り添うレベルの高度な人工知能システムがまだ実際に稼働していない状況で議論を進めるのはなかなか難しいとしています。

鍵となるのは、日本人らしいドラえもんや鉄腕アトムのような友達感覚の人工知能であり、栗原教授も共進化するフレンドリーなAIが登場することを期待しており、そうした面についても研究開発を行っていきたいということでした。

(報告:野々下 裕子)

*講演資料:

シンギュラリティサロン@東京#5 白山晋「ディープラーニングによる人工知能実現の困難性と可能性」

さる2015年12月20日、航空会館にて、シンギュラリティ・サロン@東京「第5回公開講演会」を開催しました。

今回は、東京大学の白山晋さんを講師に迎え、「ディープラーニングによる人工知能実現の困難性と可能性」というタイトルにて今、話題のディープラーニングについてお話をいただきました。

全体的な内容は、6月の大阪での講演内容をベースに、第9回データ指向構成マイニングとシミュレーション研究会の講演内容も追加され90分間お話されました。

前半は、ニューラルネットワーク、ディープラーニングの共通の原理についてわかりやすく解説。ディープラーニングは、ニューラルネットワークの層が深くなったものとみなせること、ニューラルネットが有する欠点の内、いくつかの欠点を補うことが示され現在の一大ブームを起こしていることなどを説明されました。

後半では,個人が持つ,隠れた(あるいは隠された)知識に注目する知能の定義の問題と、人の知能を定量的に測ることから得られることとディープラーニングから知り得ることの類似性を提示。ディープラーニングは現時点では,局所的な成功例に過ぎず,他手法での従来研究をみても,現時点でのディープラーニングでは人工知能を実現することは難しいと考えられるとも提言されました。
一方.様々な分野での応用できる可能性があるため、人工知能の実現に拘ることなく応用範囲は拡大するだろうとい見方も提示されました。

最後に、ニューラルネットの原理を理解した技術者は少なくなく、高速に動作するプログラムを実装できるプログラマーも少なくないが、両方できる人材は少ないため、これからはそのような人材が必要とされるとも話されました。

(報告:根本 茂)

*プレゼンテーション資料ダウンロード:

シンギュラリティサロン#10 光吉俊二「医療における技術的特異点としての「音声病態分析学」について」

さる2015年11月21日(土)、グランフロント大阪・ナレッジサロンにてシンギュラリティ・サロン「第10回公開講演会」を開催しました。

今回の話し手は、感情の規格化や、pepperの感情エンジンでも使われている「感情マップ」を作ったことでも知られる、東京大学大学院医学研究科の光吉俊二氏でした。

一言で言うと「ぶっ飛んだ天才」です!アーティストとして美大出身の彫刻家、建築家であり、武闘派として空手家、ボクサーでもあり、知識人として医学、工学、数学にも精通。
情報量が多く、とても全てを消化しきれなかったのですが、簡単に今回のお話の概要と面白かった点を主観的にピックアップしてご紹介させて頂きます。(プロフィールや開発までの経緯などは他のメディアに譲りたいと思います。)

1)結論的なこと

まず結論的なことを述べると、光吉さんの開発した感情認識技術「ST」は、すごい技術だと感じました。pepperの「感情」を作ったというだけでもすごいことではありますが、とりわけ日本社会において、医療の面から新たなイノベーションが起きるであろう、とても意義高い技術です。

まさに未来の「心のレントゲン」!
この「心のレントゲン」で何ができるか?

目の前で話している人の感情がわかる。つまり、自然な感情か抑制された感情かなどの本音なのかもわかるということです。また、テレビ越しの音声も解析できるので、ポジショントークかどうかも全て分かってしまうといいます。そして日本の抱える問題であるストレス社会に対しても、声だけでうつ病かどうかを判断できたりと、医療の面でもすでに実用化が進んでいるとのことです。

このように良くも悪くも使用できるこの技術に対して、光吉さんは、音声病態分析技術は医療機器として開発、当然医者でないと使えないし、絶対人事のような人の将来に影響するとこには使わせない。感情認識だけなら大丈夫だろうという風に答えてはいましたが、まるでパンドラの箱を開けてしまったかのようにも思える、驚きの技術です。

2)個人的に面白かった点

医学論文を読破して感情マップを作り上げたというお話や、アメリカへ行った時にたまたま隣に座っていた人がMITの名誉教授で、その縁でMITの教授に就任したという話、すごい技術をいかにバカバカしく使うかが重要だというお話などユニークなお話が盛りだくさんでした。

3)まとめ

イベント後のフリートークタイムでは、ここでは書けない裏話などたくさん聞けてこの時間もとても面白かったです。

「最近幸せだったことは?」という塚本教授からの質問に対して、「アルゴリズムが見つかったこと」という研究者らしい回答から、笑いで世界を幸せにしたいという熱いお気持ちまで伺うことができました。

また、光吉さんは、すべてが数式に見えるといいます。そのため、すぐに仕組みを理解し、アルゴリズムを組んでしまうことができるのだそうです。

イノベーションは大衆が生み出すというように、私は、技術の活用方法こそ重要なポイントであると思います。何はともあれ、この技術が人類にとってこれからも、いい意味で「バカバカしく」、かつ有意義に活用されることを願います。
なお、光吉さんは多数メディアにも取材されており、TEDxTokyo 2015にも出演されている(理性の部分を取り除いたpepperが映画チャピーさながらな映像が見所)ので、そちらも見て頂けるとより人柄が理解できるかと思います。

(報告:細川 亮)

*プレゼンテーション資料ダウンロード:


シンギュラリティサロン#9 市瀬龍太郎 「人工知能の新しい潮流 ~ 汎用人工知能の実現に向けて」

さる2015年10月24日、グランフロント大阪・ナレッジサロンにて、シンギュラリティ・サロン「第9回公開講演会」を開催しました。

今回は市瀬先生の汎用人工知能AGI(Artifucial General Intelligence)のお話を、またブロードタワーさんのご提供により、オレンジジュースやコーヒー、クッキーを頂きながらの講演会となりました。参加者のAGIへの関心も高く、いつも以上の質問が講演後の市瀬先生に寄せられました。

市瀬先生のお話されたテーマはAIではなく”AGI”。その違いは特化されたAIなのか、それともオールマイティのAIなのかです。要するにチェスの対戦ではチェスに勝つための、クイズにはワトソンのような、いわばある目的に特化された人工知能が開発され、ご存知の通りこれまでに大きな成果が上げられてきました。しかし元々人工知能研究者が想定していた人工知能(AI)とは、チェスだろうとクイズだろうとどのような目的にも対応できるAI、つまりgeneralなAIでした。ちなみにこれに対してこれまでの特化型AIはnarrow AIとも呼ばれます。そしてそのようなオールマイティーなAIをベン・ゲーツェル氏が改めてAGIと名付けたわけです(そしてこのAGIの達成こそが、ある意味で技術的特異点であるとも言えます)。このシンギュラリティを語る会の世話人でもある松田卓也先生も、かつての日本語ワープロがPC上で動く一太郎やワードに駆逐された例を挙げ、特化よりも汎用こそが重要と仰られています。今回はそのAGIの概要やこれまでの経緯、そして最近の動向を市瀬先生よりお話いただきました。

個人的に特に興味を持ったのは知識グラフのお話で、AGIを達成するにはそれだけの膨大な知識が必要となるのですが、当然ながらただデータを拾い集めるだけではなくそれらの関連性が重要になってきます。知識グラフはそのための技術で、既にそれは私達が、例えばSiriに何かを尋ねると欲しい情報を提供してくれたり、サファリなどである人物を調べると関連人物も紹介されたりしますが、あれも実はそうした人工知能の技術が使われており、実生活で既にその恩恵に与っているわけです。

他にも現在AGIに向けての様々な手法やアプローチ、オープンソース等が研究開発されているそうです。AGIに手が届きそうなところにまで来ているものの、まだ道半ばにあるようですが、それは十分に期待できそうです。

(報告:水谷雄一)

*今回はプレゼンテーション資料の公開はありません。

シンギュラリティサロン@東京#3 一杉裕志「ヒト型AIは人類にどのような影響を与えうるか」

さる2015年10月17日、東京・新橋の航空会館にて、シンギュラリティ・サロン@東京「第3回公開講演会」を開催しました。

今回の講演は、産業技術総合研究所 人工知能研究センター 脳型人工知能研究チームの一杉裕志氏。講演タイトルは「ヒト型AIは人類に どのような影響を与えうるか」。

4月に行われた大阪でのご講演の後、産総研に「人工知能研究センター」が設立され、脳型(ヒト型)人工知能の開発を本格始動した一杉氏。「脳を模倣して【人間のような知能を持つ機械】(ヒト型AI)を作る」という基本思想のもと、「脳のことは思ったよりわかっている」という話から、大脳皮質に関する神経科学的知見、ベイジアンネットを使った大脳皮質モデル、と、脳型人工知能の背景を切れ味鋭く展開されるプレゼンは、「一杉節」ともいえる小気味よさ満載。

後半は、「常識の学習>個別スキルの学習>教育済みロボットのコピーを市場へ」という実用化イメージのお話や、脳のアルゴリズム解明と計算機の低コスト化という2つの課題を解説。さらに、経済、幸福、人口、社会制度、それぞれへの影響、そして、AIの危険性とAIの権利と、人工知能に関わる幅広い話題をカバーした中身の濃いプレゼンテーションでした。

とにかく一杉さんのAI論は、常にポジティブで、人間という「生命のしぶとさ」は、思ったより信頼できる気がしてきました。

*プレゼンテーション資料ダウンロード:

シンギュラリティサロン@東京#2 塚本昌彦「シンギュラリティとは何か?〜ウェラブルから始まる人類の未来」

さる2015年9月13日、東京・新橋の航空会館にて、シンギュラリティ・サロン@東京「第2回公開講演会」を開催しました。

第2回の講演は、”ウェアラブルの伝道師”塚本昌彦氏による「シンギュラリティとは何か?〜ウェアラブルから始まる人類の未来」。

講演タイトルは3月の大阪開催時と同じでしたが、内容はウエラブルからシンギュラリティへのシナリオが詳細になるだけでなく、Augmented Human(AH)のアプローチや、ISWC2015、医療分野からのアプローチの紹介も交えグレードアップされていました!!
シンギュラリティとは、より広く「科学技術の発展曲線が特異点となる日」であり、超越(トランセンデンス)するのは人工知能ではなく人類である、という論旨に沿って、ウェアラブルから人間強化に向けた活動をユーモアを交えて展開されました。

神戸市が攻殻機動隊の世界の実現するために神戸市公安9課設立したことを受け、公安9課に入れるように活動しているとのこと、
さすが、”ウェアラブルの伝道師”ですね!!

講演後は「AHのアプローチへに賛同する!!」、「人工知能(超知能)に意識や感情は必要なのか」といった質疑応答が続きました。

*プレゼンテーション資料ダウンロード:

シンギュラリティサロン@東京#1松田卓也「シンギュラリティへの道

さる2015年8月23日、航空会館にて、東京では初めてとなる「シンギュラリティ・サロン@東京第1回公開講演会」を開催しました。

記念すべき東京での第一回目の講師は、わがシンギュラリティサロンの主宰、松田卓也氏。

講演タイトルは2月に大阪で開催した時と同じ「シンギュラリティへの道」でしたが、その中身は、最新の話題や動向も加えられ、さらにグレードアップ!身近なSF映画を通じてさまざまな「人工知能観」を紹介するイントロは、松田氏の定番。そこから、超知能の種類、人工知能の分類を経て、話はシンギュラリティの核心へ。チューリングテストに合格する「1H」のA.I.が現れる2029年のプレ・シンギュラリティ、人工知能が全人類に相当する能力を持つ2045年のシンギュラリティ、さらにその先にはヒューゴ・デ・ガリスの言う「神の機械」がやってくるのか。その真偽は現時点では誰にもわからないものの、漠然とした現実味を感じる未来予測です。専門家へのアンケートでは約半数が2040年代にシンギュラリティが訪れると考えてるのですね。意外に多い!

一方で、スティーブン・ホーキングやイーロン・マスクなど、人工知能の進化が人類を滅ぼすと警鐘を鳴らす科学者・著名人もいます。しかし、松田氏自身は、そういう発言は「ハリウッド的世界観」、すなわち、ある種の空想であって、重要な真実から目をそらすものだとばっさり。人工知能を持つ国ともたざる国が21世紀の先進国と発展途上国を分ける、と逆警告。少子高齢化が進む日本こそ、人工知能の平和利用をリードすべきであり、そうすれば、すべての人間が超知能化し、働かなくてもよくなるような「シンギュラリティ後」の社会を実現できるかもしれない、と自説を展開されました。

後半は、全脳アーキテクチャ勉強会の活動や、Pezy Computingの斎藤元章さんが開発を目指す「ニューロ・シナプティック・チップ」、また、グーグルやIBM、ジェフ・ホーキンス率いる「ヌメンタ」など、国内外の最新動向を紹介し、松田先生自身の「ロードマップ」も披露。それは、10-30人のプチ天才をあつめた「スカンクワークス」型研究組織を作り、15年間でシンギュラリティをおこすというもの。「超知能は現代の黒船。指導層の覚醒と、現代の志士=プチ天才の登場が必要」というメッセージは、2月の話より一段と具体的になってきたと感じました。

東京では初めてのシンギュラリティサロンですが、講演後はさまざまな質問もでて、閉会後の名刺交換でも松田先生と来場者の長い会話が続いていました。

*プレゼンテーション資料ダウンロード:

シンギュラリティサロン#8 石黒 浩「人とロボットの境界」

さる2015年8月29日、グランフロント大阪・ナレッジサロンにて、シンギュラリティ・サロン「第8回公開講演会」を開催しました。

今回も、共催のナレッジキャピタルさんから、とてもクールなプレゼンテーションラウンジをお借りして、同じく共催のブロードバンドタワーさんからは「飲み物(アルコールあり)」無料サービスもご提供いただくという、極めて幸せな状況に盛り上がる中、スポットライトが照らすステージの上に現れたのは、人間なのかアンドロイドなのか区別がつかない、あの石黒浩教授!

人間そっくりのさまざまなアンドロイドを開発してきた石黒教授ですが、実はご自身はロボットに興味はなく、人間に興味があるからアンドロイドを作っているとは意外な事実。しかも、その裏には「人間嫌い」があるというのでさらに意外。しかし、お話が、人間としてのアイデンティティとは何か、「人の気持ちを考える」ことはできるのか、そもそも人間とは何かなど、どんどん哲学的な話題になっていく中、石黒教授のめざす方向がおぼろげながらわかってきたように思いました。石黒教授は哲学者なんですね!でも、ちょっと真面目な話が続くと、まわりを気づかってギャグを入れるなど、さすがエンターテイメント志向の大阪の研究者。というか、世界で石黒教授にしかできないパフォーマンス。これもまた、人間研究の成果なのでしょうか!

「アンドロイドは年を取らないので、僕も年をとってはいけないんです。それで、整形手術を受けたんですよ。年取ったアンドロイド作るより、自分が整形手術を受けたほうが安いから」と、冗談か本気か区別がつかないことを話す実物の石黒教授は、とにかくすごい存在感。講演の最初から最後まで、百名近くの聴講者は石黒教授の話に釘付け。数十秒に1回のペースで爆笑の渦に巻き込まれながら、まさに時間がたつのを忘れる、ハイクオリテイなショーのような雰囲気でした。会場といい、飲み物といい、そして、エンタメ性あふれるお話と言い、今までにない、今まででもっともハイテンションなシンギュラリティサロンでした。

*今回はプレゼンテーション資料の公開はありません。

シンギュラリティサロン#7 齊藤元章「Changing the Game ~次世代スパコン開発からAGI開発へ~」

さる2015年7月25日、グランフロント大阪・ナレッジサロンにて、シンギュラリティ・サロン「第7回公開講演会」を開催しました。

今回の講師は、たった10名ほどのチームで世界最先端のスーパーコンピュータ・チップを開発している齊藤元章さん(株式会社PEZY Computing/株式会社ExaScaler/UltraMemory株式会社)。

講演サマリは、松田先生がFacebookグループへ投稿された文章をそのまま掲載します。日本発の画期的なハードウェアへの、熱い期待が感じられる文章です!

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斉藤さんの公開講演会が無事終了しました。いや驚天動地のお話しでした。結論から先に書くと、地球の全人口73億人分のシナプス接続と処理能力を6リットル程度の体積内に収めることが可能になるというのです。

 それを可能にする技術は慶応の黒田教授が開発した磁界結合によるTCIというインターフェイスです。詳しくは日経エレクトロニクス2015年7、8月号の記事「Exa級の高性能機を目指し半導体・冷却・接続を刷新」(上下)の下、P75の注13にあります。

もしそれが可能であれば、ハード的にはシンギュラリティを達成する技術的基盤が、2045年とは言わず、あと10年程度で達成できるというのです。開発ロードマップ(上、P103、表2)を見ると、2019年からNeuro-Synaptic Processing Unitの試作と検証、2020年末にはサンプル出荷とあります。当初は上記ほどの密度はないと思いますが、それにしても人一人分のシナプス数100兆は詰められるのではないでしょうか。
講演でのお話は1) 経歴、2) スパコン、 3) AGIと分かれました。

1) 斉藤さんは本来は東大の放射線科のお医者さんです。それが診断機器を開発してシリコンバレーで医療系ベンチャー企業を立ち上げ、現在では300人を超える従業員を擁しています。しかし斉藤さんは、2011年にそこを辞めて、日本で画像解析用のCPUチップの開発を行います。それは1024コアのMIMDチップであるPEZYです。

2) ところが昨年あった理研の牧野淳一郎さん(宇宙物理学者、重力多体問題専用計算機GRAPE開発者)から、スパコン作りを勧められ半年あまりで完成させます。現在、高エネルギー研究所で2台、理研で1台稼働しています。速度は1PFLOPSの程度です。しかし大きさは大き目の洗濯機が5台といったものです。それは昨年のグリーン500で2位となり、今年は1位を取る予定です。2020年末までには、30-36PFLOPSのスパコンをたった4台の液浸槽で実現する予定です。ちなみに京コンピュータは、ほぼ10PFLOPSですが、その大きさはみなさんご存知の通りです。その近い先には1エクサフロップスのスパコンがあります。

3) ニューロチップの話は冒頭に述べた通りです。

日本の通弊ですが、斉藤さんが日本で開発した機器に対しては、日本の大企業は見向きもしなかったそうです。東大発ベンチャーのSHAFTは日本で支援を受けられず、DARPAの支援を受けて、Googleに買われました。これも東大発ベンチャーの斉藤さんはアメリカで成功して日本に戻ってくると、政府系の支援を受けられました。このようにスパコンチップの製作には成功したのですが、日本の専門家にはネガティブな人もいるようです。

全脳のコミュニティとしては、脳をエミュレートするハードは、近い将来、日本でできるはずだから、その上で走るアルゴリズムを作ることが大切です。
またPEZYのスパコンも、独自チップであるので、ソフト面はまだ弱いと思われます。やはり日本のコミュニティが(足を引っ張るのではなく)、総力を挙げて支援すべきと思います。日本発の技術を支援しないで、つぶすのがお得意の日本の体質を変えなければ、日本は確実にダメになります。

(by 松田卓也)

*プレゼンテーション資料ダウンロード:

シンギュラリティサロン#6 山川 宏「全脳アーキテクチャ実現への長き道のりをいかに支えるか」

さる2015年7月5日、グランフロント大阪・ナレッジサロンにて、シンギュラリティ・サロン「第6回公開講演会」を開催しました。

今回は、ドワンゴ人工知能研究所の山川宏所長がご登壇、「全脳アーキテクチャ実現への 長き道のりをいかに支えるのか − WBAIが目指すべき姿とは −」というタイトルでお話いただきました。ドワンゴ人工知能研究所は企業組織ですが、直近のビジネスが目的ではなく、「次世代のための贈り物となるような人工知能」を創造することを目指しているとのこと。その成果は学会等で公表し、開発ソフトはオープンライセンス(Apacheライセンス等)で公開するなど、オープンな活動を行っていくそうです。

山川さんらが研究する汎用AIとは、設計時の想定を越えたあたらしい問題を解決できる、いわば「ジェネラリスト的AI」のことで、AI研究は特化型から汎用型へ進んでいると山川さんは指摘。この特化型AIから汎用AIへの架け橋になるのが「領域知識学習(学習を可能とするための知識を学ぶ方法)」であり、人間の脳では大脳新皮質がこの領域知識学習をつかさどっているとの知見を紹介されました。(この点で、「深層学習は、機械学習においては平均的イノベーションだが、人工知能にとってはクリティカルなイノベーションである」と考えているとのこと。)このような汎用AIを実現するベストなアプローチが、脳全体のアーキテクチャをヒントにして人間並みの汎用人工知能を創る「全脳アーキテクチャ(Whole Brain Architecture:WBA)」である、というのが山川さんらの主張です。

WBAの中心となる仮説は「脳はそれぞれよく定義しうる(アルゴリズムに書き下しうる)機能を持つ(一部未知を含む)機械学習器が一定のやり方で組み合わされる事で機能を実現しており,それを真似て人工的に構成されたできる限り高い粒度での(抽象度の高い)機械学習器を組み合わせることで、人間並みかそれ以上の能力を持つ汎用の知能機械を構築可能である」というもの。山川さんはこれを、深層学習における成功を脳全体に拡張するようなもの、ととらえているそうです。

また、WBAは国内に関連分野の研究者が数多くおり、「物量よりも頭脳勝負」の研究分野であることから、日本のポテンシャルを活かしやすく、日本発のAIとして大きな可能性があるとのことです。このWBA研究の裾野をひろげるため、「NPO法人・全脳アーキテクチャイニシアティブ(WBAI)」を発足し、基礎研究だけでなく、情報公開や分野連携、人材育成や啓蒙活動に取り組むとのこと。ハッカソンや若手を中心とした勉強会開催などの活動も行っていくそうです。WBAIが、さまざまな人が参加する、WBA開発の共通プラットフォームになることが期待されます。

最後に、汎用AIのインパクトは”HELPS”ーHumanity(哲学)、Economics(経済学)、Legal(法学)、Political(政治学)、Social(社会学)の観点が必要。技術者以外の幅広い分野の連携を通じて、世の中全体として考えるべきとの提言もありました。「共有財産としての多様な人工知能と,時に拡張された人類によって生態系ーEcSIA(Ecosystem of Shared Intelligent Agents )ーが形成される」という未来観のもと、山川さんは2030年(もしかしたら2020年代前半)には汎用AIが開発されると予測。人類がAIとともに歩む未来にむけて、その素地を醸成する活動が今から必要だ、と述べられました。

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本公開講演会は、ナレッジサロンを運営する一般社団法人ナレッジキャピタルの共催をいただくことになり、今回はナレッジサロン会員も多数参加、会場もプレゼンラウンジを使わせていただきました。定員100名の同ルームはほぼ満員で、福島からのオンライン参加もあり、エネルギッシュな山川さんの講演の後には、会場・ネットからも多数の質問が出て、いつも以上に熱気あふれる公開講演会となりました。すばらしい会場の提供と運営にご協力いただきましたナレッジキャピタルのスタッフの方々に感謝申し上げます。

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シンギュラリティサロン#5 白山 晋 「ディープラーニングによって人工知能は実現できるか」

さる2015年6月20日、グランフロント大阪・ナレッジサロンにて、シンギュラリティ・サロン「第5回公開講演会」を開催しました。

今回は、東京大学の白山晋さんを講師に迎え、今、話題のディープラーニングについてお話をいただきました。

前半はニューラルネットワークからディープラーニングにつながる、技術的な解説。ディープラーニングは、ニューラルネットワークの層が深くなったものとみなせること、また、ニューラルネットワークは脳の情報処理にヒントを得たものだが、いったんモデル化された後は純粋に数理的な処理の問題となり、生物の脳で行われている情報処理と同一である保障はない、ということなどを、数式と実例を交えて丁寧に説明してくれました。

後半の、「人の知能を定量的に測ることができるか」という問題については、少なくとも行動を数値化することはでき、そこから知能の定量評価ができるかもしれない、という仮説をヒトの視覚を例にしてお話いただきました。

ディープラーニングはパラメータ依存性、つまりノウハウに依存する部分がまだ大きいことなどから、白山さんは、ディープラーニングで強い人工知能をを実現するのは難しいのではないか、という見方。しかし、逆に言えば、ディープラーニングのパラメータ探索が脳の情報処理の解明につながる可能性もあり、また、ニューラルネットワークはすでに産業のさまざまな分野で実用化されていて、脳科学の知見をうまく取り入れればディープラーニングが発展する可能性もある。まずは応用範囲を拡大して使っていくことが大事なのでは、という提言もありました。

現在「バズワード」的に使われる「ディープラーニング」という技術を実践的・数理的に分析したお話には、多くの示唆がありました。比較的数式が多いプレゼンテーションでしたが、それゆえに、じっくりと勉強できる貴重な資料です。

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シンギュラリティサロン#4 松田卓也 X 塚本昌彦「私たちはシンギュラリティへの道をどう進むべきか」

さる2015年5月23日、グランフロント大阪・ナレッジサロンにて、シンギュラリティ・サロン「第4回公開講演会」を開催しました。

今回は当サロンのリーダーである松田卓也氏・塚本昌彦氏の登壇の「ダブル登壇」。以前おこなわれた両氏の講演をふまえ、「私たちはシンギュラリティの道をどう進むべきか」というテーマを設定、テーマに関するそれぞれの意見をショート・プレゼンで述べた後、来場者の質疑応答も加えた、はじめての対談形式のサロンを企画しました。

きたるべきAI時代にそなえ「プチ天才」を集めた少数精鋭チームを作るべき、という松田氏と、まずはウェアラブルから始めて、埋込み型デバイス、ナノボット・マインドアップローディングへと進むべきという塚本氏。「人類は『超知性』へと進化する」という方向性は一致する中でも、部分的には微妙な違いもあり、今後、人工知能に関するさらに枠をひろげた議論がますます重要になりそうです。

あいかわらずの鋭いユーモアも交えたお二人のトークの後は、ナレッジサロンのソファに移動して恒例の意見交換を行いました。

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